制度を上手に利用しよう!法人税を節税するコツ

2017年7月27日
制度を上手に利用しよう!法人税を節税するコツ

起業したばかりの経営者にとって法人税には悩まされるでしょう。経営利益によって課せられる法人税は、国の制度を上手に利用することで節税が可能です。法人税を払いすぎないためにも、会社の中から見直しましょう。ここでは法人税を節税する方法について説明します。

知っておきたい節税のこと

法人税は会社の利益に課せられる税金であり、納税は国民としての義務です。事業が順調であれば会社への利益が大きくなり、それに伴い課せられる法人税も多くなります。しかし、売掛金や在庫が膨らんでいる状態であれば、決算書だけで判断されると会社の利益が多く計上されていまします。実際の利益よりも納税が必要となり、銀行からの借り入れに迫られるケースもあるのです。そのため、法人税を払いすぎないためには、きちんと対策をしておくことが肝心です。

「設備投資」や「社員の増員」なども節税対策として効果的でしょう。将来のリスクに対してあらかじめ利益を保存しておくことも考えられます。会社として相応に負担できるだけの法人税になるように、うまくコントロールしておくことが安定した経営のためには必要です。また、節税対策は決算の直前ではなく10カ月目あたりから始めておくのがいいでしょう。

特別控除を上手に利用しよう

法人税の節税は、国の制度を利用することで優遇措置を受けることが可能です。「雇用促進税制」では、公共職業安定書へ雇用促進計画書を提出している企業に対し、雇用人数の基準を満たしていることを条件に、それ以上の雇用者1人当たり40万円を税額が控除できます。これは法人税額の10%が限度ですが、中小企業では20%まで控除の対象です。「所得拡大促進税制」は、雇用者に支払う給料の額が一定の割合で増加しているといった要件を満たしている場合、支給増加額の10%の税額控除が可能な制度です。国内の雇用者のみに該当する制度で、事前に準備する必要はありませんが、確定申告の際には明細書を添付が求められます。

しかし、雇用促進税制との併用はできませんので注意が必要です。個人の事業主や、資本金3,000万円以下の中小企業の場合には「中小企業投資促進税制」を利用するのが良いでしょう。中小企業投資促進税制で定められた機械などの対象商品を購入した場合や、制作した場合には特別売却として取得価格の30%または7%の税額を控除されます。

会社の中から見直すことが節税につながる

まずは、個人で契約している携帯電話や通勤にかかる費用、社長の自宅の家賃といった、実際に支出しているのに経費として計上されていないものを探し出します。役員報酬の見直しも、節税対策としてシンプルな方法ですので見直してみるのが良いでしょう。社員の出張費も節税対策として有効ですので、遠方まで出張している場合の日当や交通費を旅費規定として決めておくのがいいでしょう。あまり知られていませんが、出張の日当には所得税がかからないのです。

営業が多い会社では役職や業種によっては、年間ではかなりの日数を出張することもあるでしょう。社長であっても出張を受け取ることが可能で、社長の出張の日当を1万円~2万円に設定しておくこともできるのです。そのため社長の出張費として、所得税のかからないお金を社長自身に支払うことができます。出張の際の宿泊費は1万円と決めておけば、格安のビジネスホテルやカプセルホテルに宿泊しても1万円が支給されます。交通費に関しても、規定料金を支払うことを明記しておくことで、格安チケットで移動した場合でも正規料金の支払いが可能です。社長の移動や宿泊費の場合に経費を少しずつ増やすことができ、社長の実質所得も増やせます。

しかし、支給金額が高すぎると経費としてみなされることはなく、所得税として課せられてしまうこともあります。そのため、税金のプロである税理士と相談して行うのが、安全であると言えるでしょう。

税理士に相談するのもおすすめです

法人税の節税対策は個人でも可能ですが、正しい知識がないことで後から問題になるケースもありますので、税理士に相談するのがおすすめです。税金のプロである税理士であれば、安全に決算を行うことができます。しかし、会社側も税理士に相談する前に、決算に必要なものをあらかじめ準備しておくとさらにスムーズな決算が可能です。まずは在庫を確認し、実地棚卸の準備をします。金融機関に預金の残高証明の発行をしてもらうのも忘れないようにしましょう。このとき証明書の日付は決算日にしておくことが大切です。

売掛金と買掛金の残高も管理表上の残高と一致させる必要があります。取引先ごとに確認し、請求漏れや入金の記入漏れがないかを確かめておくのが重要です。売掛金、受取手形、貸付金のうち、回収できないと思うものがある場合には、不良債権明細書に記入しなくてはいけません。受取手形や支払手形の残高と帳簿の残高が一致しているかの確認も必要です。

割引手形は金融機関に残高証明書を発行してもらいましょう。固定資産台帳の合計金額と総勘定元帳の固定資産額が一致しているかの確認も必要でので、記入漏れや、廃棄、売却をしたものがないかチェックしておきます。期日までに引き渡しができずに売り上げとして計上されない仕掛け品を確認し、かかった費用を試算に計上するための準備もしておくといいでしょう。

プロに相談して上手に節税しよう

国の制度を利用することや、会社の中での節税対策を行うことで、法人税の節税は可能です。中小企業であっても利用できる制度がありますので積極的に利用しましょう。しかし、間違った節税で問題が起こってしまうケースもありますので、税金のプロである税理士に相談するのが安心です。税理士に相談する前に必要な書類などをきちんとそろえることで、さらにスムーズに決算を行うことができます。起業したばかりの場合には法人税についてわからないことも多いため、税理士と一緒に上手に節税するのがおすすめです。

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