その仕事、本当に意味ある?生産性向上の極意と4つのポイント

2018年1月31日
その仕事、本当に意味ある?生産性向上の極意と4つのポイント

会社経営において、社内の生産性向上は大きなテーマの一つです。ただ、一言に生産性向上といっても、その方法はさまざま。社内の状態や業態などによっても効果的な方法は変わってきます。そんな生産性向上を図る方法のなかでも、業種や業態問わず大きな効果を発揮してくれる代表的な4つの方法について、ここでは見ていくことにしましょう。

方法1.生産性という言葉の意味を明確にする

生産性を向上させることを考え始める前に、まずは生産性という言葉の意味を明確にしておくことが大切です。というのも、生産性向上の意味を取り違えている人が多いのです。もっとも多い勘違いが、効率化との混同です。生産性を向上させることと効率化をすることは、似て非なるものです。効率化というのは、あくまでも費用や時間に対しての効果を高めるという施策をいいます。

一方、生産性の向上というのは、同じ仕事時間や作業量のなかで、いかに効果の高い仕事ができるかという施策です。つまり、生産性向上というのは、企業全体の利益になる仕事をより多く行うということであって、一般的にいわれている効率的な仕事とは、かけ離れた概念なのです。

方法2.具体的な目標を定め、作業レベルに落とし込む

生産性のある仕事をするためには、『具体的な目標を決めましょう』ということはよくいわれますが、ここでいう具体的な目標の定義とはいったい何なのでしょうか。これをしっかりと理解していないために、目標設定による本当の効果を実践レベルで使えていないケースはとても多いです。具体的な目標というのは、自分が実際に達成している姿をイメージすることができる目標であり、かつ作業レベルに落とし込める目標です。

目標設定をしても、実際の仕事に効果的に使えていない人の大半は、まずイメージすることのできない高すぎる目標を立ててしまっています。目標は理想とは違います。理想論だけで終わってしまわないようにするためにも、社員には数字や期間などで具体的な目標設定をさせるように日頃から注意しましょう。

また、具体的な目標設定ができたら、その目標から逆算して1日単位の目標に落とし込んで考えることも大切です。日単位の目標設定は、売上や成約件数などの結果としての数字ではなく、作業(タスク)としての数字で設定します。例えば、『1年後にA製品の成約件数を3倍に伸ばしたい』という目標を立てたのであれば、その目標から逆算をして、『今日は取引先の人との会食と打ち合わせ、明日はプレゼン資料の下書きと企画書の修正』などのように、作業レベルに落とし込んでいきます。

このような大きな目標からの逆算という思考方法を、社員全員が自然にできるようにするためには、経営者だけでなくマネジメント層全体が実際に行動を起こし、模範例とならなくてはなりません。

方法3.同じ作業や繰り返しの作業はテンプレ化しておく

日々の仕事のなかでも、同じ作業の繰り返しほど無意味なものはありません。例えば、メールの返信や給与計算、書類作成などなど、日々の業務のなかでルーティン化しているものは少なくありません。生産性を向上させるためには、毎回している似たような作業をテンプレ化することです。テンプレ化することによって、ルーティンワークに割く時間自体も当然減るほか、思考力を必要とするクリエイティブな業務に多くの時間を割くことができます。

一度、社内の業務体制を客観的に見てみて、毎回同じ作業の繰り返しに多くの時間を取られているところはないか?という視点で業務内容を洗い出してみましょう。このテンプレ化は、経営者や経営に携わる役員レベルの人であれば、特に重要です。ただでさえ多くのタスクを抱え、重要な意思決定を迫られることの多い経営者層やマネジメント層は、時間を割くためにもテンプレ化できるところは徹底的にしていくという姿勢が必要でしょう。

方法4.完璧を目指すことは必ずしも正解ではない

完璧に仕事をこなすことは素晴らしいことですが、すべての仕事を完璧にこなすことは必ずしも正解とはいえません。仕事の生産性を上げるためには、意味のある仕事に多くの時間を割き、意味のない仕事には極力時間を費やさないことが重要です。

ここでいう意味のある仕事というのは、売上や利益などといった、企業が目指す最終的なゴールを達成するために関連性が深いといえる仕事のことです。このような成果に直結するような仕事に多くの時間を割くためにも、手を抜くべきところは抜くという考え方も大切なのです。人間は誰しも1日の時間は24時間で平等です。時間の絶対数を増やすことができない以上は、その割り振りを工夫するしかありません。

外資系の企業には、Quick and Dirtyという考え方が根付いています。これはまさに、完璧にこなすよりもある程度のクオリティでスピードを重視するという考え方です。一般的に、日本人は生真面目で完璧主義な傾向があるといわれていますので、自然とこの考え方を根付かせるのは至難の業です。このような考えを社内全体に根付かせるためには、日頃からスピードの重要性を社員全体に認識してもらうようにするのが効果的です。

生産性のある仕事は一朝一夕では身に付かない

仕事の生産性を向上させる代表的なポイントを4つに分けて見てきましたが、これらはいずれも一朝一夕で改善できるものではありません。社員ひとりひとりの意識改革を行ったとしても、すぐに実行へ移せる人は少ないでしょう。むしろ、意識し始めたばかりの頃は、生産性が低下してしまっているように感じるかもしれません。

例えば、今まで仕事をひとつひとつ完璧にこなしてきたという人であれば、『完璧でなくてもいいから8割程度の出来で次の仕事に取り掛かれ』といわれても、中途半端な仕事をしているようで気持ち悪いと感じる人も多いでしょう。目標やタスク管理に関しても、将来的な目標からの逆算をするのに慣れていない人は、どうしても無理な目標設定をしてしまいがちです。一時的な生産性の低下を覚悟しても、このような意識改革に取り組む価値は十分にあるのですが、それを経営者やマネジメント層の人たちが、ひとつひとつ実行していくのは大変ですし、非常に地道な作業になると言わざるを得ません。

特に導入期は、やることも多く非常に大変でしょう。そこで、社内の業務体制や意識改革を実行する導入期においては、社内の生産性向上を専門に請け負っている外部のコンサルタントを利用するのも一つの手です。社員ひとりひとりの意識が改革され、生産性の高い仕事ができる風土が会社全体に根付くまでが勝負です。ぜひ、プロに任せて確実な生産性向上を図ってみましょう。

ライタープロフィール
drs
【Dr.S】
高校卒業後、Webマーケティングやアフィリエイト、SEOなどを学び、21歳でWebコンサルとアフィリエイト事業をメインとする会社を起業。会社経営のかたわら、公認会計士試験に挑み、短答式試験のみ通過。現在は経営と並行してスキマ時間を利用し、専門知識を活かせるライティング案件をメインに執筆。Web関連全般、ビジネス関連、会計や税金が得意分野。
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