バックカントリーを安全に楽しむために

2016年8月4日

最近、圧雪されていない雪面を自在に滑走するバックカントリーが人気を集めています。バックカントリーではゲレンデとは違う深雪の感触が楽しめる一方、安全に楽しむためには冬山の知識や装備が必要になります。ここでは、バックカントリーを安全に楽しむための準備についてご紹介します。

最初はガイドツアーがおすすめ

バックカントリーのフィールドは冬山になりますので、初心者はベテランのガイドツアーを利用するのがおすすめです。ツアーではガイドのアドバイスに従って行動することができ、山岳救助保険もセットになっていますので安心して参加できます。必要な装備のレンタルも可能なので、どのようなものを購入するか迷っているときにも試すことができて便利です。
ツアーを選ぶ際には、最初のうちはプライベートまたは少人数のツアーを選ぶと、自分に合ったペースで行動できるため無理なく参加できるのではないでしょうか。最近ではレベルに応じたツアーが開催されていますので、初心者向けのコースから始めて徐々にレベルアップが図れます。雪崩や安全に関する講習が実施されている場合には積極的に受講すると、より知識が深まります。

必要な装備について

フィールドに入る際には2万5000分の一の地形図とコンパス、GPSを備えておくと位置の確認に役立ちます。急に視界が悪くなったときにはホイッスルが役立つことがありますので、すぐに取り出せるところに入れておくと安心です。また、雪目の予防にはサングラスかゴーグルが効果的です。
非常食は日帰りの予定でも、食べやすいものを3回分程度持参しましょう。飲料水やヘッドランプのほか、断熱マットや予備のセーター・手袋、雨具や目出帽があると非常時にも安心です。ザックにはザックカバーを使うかザックの中にビニール袋を入れてから装備を入れると、水濡れを防ぐことができます。また、セーターや目出帽など一つ一つの装備もビニールで包んでおくと水濡れの心配がありません。
その他、バーナーとコッヘルがあれば休憩時にお茶を楽しむことができますし、万一のビバークの際にも心強いものです。また、雪崩に備えてビーコン・スコップ・ゾンデも必要になります。

入山前にチェックしたいこと

バックカントリーでは気象条件を事前にチェックしておきたいものです。悪天候が予想されるときはもちろん、急激な気温の変動があった場合にも注意が必要です。雪が一度溶けた後に新雪が積もると断層ができやすくなり、雪崩の原因となることがあります。入山時に雪面を観察して断層を確認したり、沢筋や木が少ない面を避けたりするなど、グループで雪崩を避ける配慮をしたいものです。また、入山届を必ず出すほか、下山した時の連絡先を決めておくことも大切です。

バックカントリーでは安全面で充分な対策をする必要があります。ベテランの指導の下で経験を積み重ねて、自分の身を自分で守れる技術と知識を習得することが重要といえるでしょう。

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