剣道から日本の国技が大切にしていることを考える

2016年8月4日

日本の国技では勝ち負けだけではなく、礼儀面や「心・技・体」というものが重視されています。さらに「ものを大切にする」ことも日本の国技で学ぶことができます。これらは国技のひとつである剣道を例にすると分かりやすいです。ではどういったところに「礼儀を重んじる心」や「心・技・体」「ものを大切にする心」が見られるのか考えてみましょう。

「礼儀を重んじる心」について

剣道ではまず稽古前や試合前など道場に入る前に必ず「お願いします」と頭を下げて礼をします。そして終わったら「ありがとうございました」とまた頭を下げて一礼します。剣道では、この「礼に始まり、礼に終わる」がとても大切にされています。剣道をやっていた人は、技をあれこれ教え込まれる前にまずこれを大切にしなさいと言われた人もいるかもしれません。剣道を習わせる親には、礼儀正しい子に育てたいと考える気持ちがあってのことでしょう。「親しき仲にも礼儀あり」と言われるように、礼儀は人と接する上でも大切なことですから、小さなころから剣道を通して身に付けておくことは良いことだと思われます。

「心・技・体」について

剣道では有効打突となる一本「メン!」が決まれば勝ちとなりますが、この一本には「心・技・体」が深く関係しています。「有効」と言えるのは「心・技・体」すべてが揃った状態で放たれる一本だと考えられているからです。心は真面目に励む姿勢、技は練習で磨かれるもの、体は体力のことをいいます。真面目に練習に取り組むこと、そして技を磨くこと、体づくりどれも欠かせないものなのです。ですから練習を怠けていたら真の一本とは言えません。こういったところに日本のスポーツの奥深さを感じますね。

「ものを大切にする心」について

剣道では「竹刀」や「防具」などの道具を使いますが、これらの道具を大切にするようにと教えられます。具体的には試合や練習が終わった後に道具をきちんと磨いておくことです。これは「ものに神様が宿るから大切にしなさい」という日本ならではの考え、八百万(やおよろず)の神思想があるからです。国技とあって日本ならではの考え方が関係しているのです。日頃からの道具の手入れをする習慣によってものを大切にする心がはぐくまれるのは、礼儀同様に子どもの教育にも良い影響を与えることでしょう。

まとめ

剣道のような日本の国技というのは結果がすべてではありません。剣道には「道」という文字が入っていますが、礼儀に始まって練習など勝利にたどり着くまでのプロセス、つまり「道」の追求を大切にしているのです。

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