学校に行かなくても取得できる!調理師免許のために知っておきたいこと

2018年1月24日

調理の仕事に従事しようと思っている人が取得しておきたい資格が「調理師免許」です。この免許は国家資格で、これを取得すると調理関係の就職や転職に有利ですし、自分のお店も開きやすくなります。調理師の免許は、どのようにしたら手に入れることができるのでしょうか。

調理師とは?どんな利点があるの?

調理師とは、レストランや料亭などでの調理を仕事としている人です。料理の分野によっては「シェフ」「板前」と呼ばれることもあります。調理技術はもちろん、食品の衛生や栄養に関する知識なども身につけた調理のプロです。調理師の資格がなくても、調理の仕事をすることはできます。実際に、免許を持たずに給食施設や飲食店で調理している人はたくさんいます。しかし調理師と名乗れるのは、国家資格の調理師免許を取得した人だけです。調理師が活躍できる場は、飲食店の他にも福祉施設や病院、学校や会社の食堂など幅広くあります。

採用条件に「調理師免許」が必要であるところや、資格のない人よりも調理師の給与が高いケースもあり、就職や転職に有利です。調理師の免許があれば、自分のお店を開くこともスムーズになります。調理師の免許を取るには、2つの方法があります。まず、厚生労働大臣が指定する調理師養成施設、いわゆる「調理師専門学校」に1年以上通うことです。1年以上専門学校で学べば、調理師の国家試験を受験しなくても調理師の免許を得ることができます。専門学校以外に、調理科のある高校や短大などで決められた課程を学習しても、同様に調理師の免許を取得できます。

調理師試験に合格するためにどんな勉強をすればいいの?

調理師免許を取得する2つ目の方法とは、2年以上の調理の実務経験をつんだ後で、調理師試験を受験して合格することです。調理師試験は、マークシートを塗りつぶす形式で知識を問う筆記試験だけが行われ、実技試験などは実施されません。全科目の合計点が60%以上に達していたら合格だと言われています。合格率は60~65%くらいです。試験は、公衆衛生学、食品衛生学、調理理論など6科目から合計60問、出題されます。試験は年に1回、6~11月に、都道府県単位で行われます。どこで受けてもよいので、日程が合えば、東京都で受験し、その後他の県で受験するなど複数の場所で受験することも可能です。

試験に合格すれば、各都道府県に申請して調理師免許が得られます。受験料は都道府県によっても違いますが、6000円前後です。自分で試験の準備の勉強をするには、参考書を読み、過去の問題をたくさん解くことが必要です。4択のマークシート方式ですから、多くの問題をこなして、まだ自分の覚えていないことを確実に身につけていかなくてはなりません。ミスを誘うような問題もあります。たとえば「正しいものを選びなさい」という問いが多いのですが、たまに「間違っているものを選びなさい」という問いが含まれています。問題を解きながら出題形式に慣れていきましょう。

調理師試験の受験資格とは

調理師試験には受験資格があります。それは、中学卒業後「飲食店営業施設(旅館なども含む)」や「そうざい製造業」などで2年以上、調理業務に従事していることです。「魚介類販売業」や「学校などの給食施設」での勤務も認められます。ですから、調理の現場で2年以上働いた経験があれば、受験の資格になります。飲食店で働いても、配膳や食器洗いなどの仕事は調理実務とは認められません。パートやアルバイトでも、週4日以上、1日6時間以上の勤務があれば認められます。1つの飲食店や施設で2年間連続して働かなくても、過去の勤務も含めて通算で2年以上の勤務があれば受験できます。

ただし、その場合はすべての職場で実務経験を証明してもらわなければいけません。「公益社団法人調理技術技能センター」のホームページから「調理業務従事証明書」「調理従事経験内訳」がダウンロードできますから、それを勤務先の経営者や施設長に記入してもらうことで証明できます。

自分の飲食店を開きたい!資格は必要?

自分のお店を開業するという夢を持っている人も多いでしょう。飲食店を開業するときは、どんな資格が必要なのでしょうか。実は、調理師免許がなくても、「食品衛生責任者」の資格があれば、飲食店の開業はできます。この資格を得るには、各都道府県の食品衛生協会が行う講習を受けなくてはいけません。受講料は1万円程度です。ただし、調理師免許を取得していれば講習は免除され、申請するだけで資格を得ることができます。

どんな資格が必要かという問題以前に、お店を開業するに当たっては食の衛生について正確な知識を持って、安全で安心できる食事を提供することが必要です。食中毒などを起こしてしまうことは絶対に避けたいですから、調理師試験のための勉強を行い、食品衛生についてしっかりと管理できる知識を身につけることはとても大切です。調理師免許は「食」のプロという印です。調理や衛生に自信をもって食事を提供しているという証明として調理師免許は取得しておきたいものです。

調理師免許を手に入れよう!

調理師の免許を取得するには、専門学校などに1年以上通うか、2年以上の調理実務の後に調理師試験に合格するという2つの方法があります。試験は60問のマークシートによる4択で行われます。数多くの過去問を解いて、知識をマスターすることが大切です。

▼参考サイト
※1.【公益社団法人調理技術技能センター】調理師試験問題及び解答
※2.【生涯学習のユーキャン】調理師とは

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