自動車保険は特約の内容で比較するのがコツ!

2018年1月30日
自動車保険は特約の内容で比較するのがコツ!

よくわからないまま更新してしまうことの多い自動車保険ですが、本当は「補償内容がマイカーに合っているのか」「保険料は妥当か」など気にしていませんか。きちんと比較して自分の考えに合う保険に加入したい人のために、自動車保険の補償や特約の内容について説明します。

自動車保険が補償してくれるもの

自動車保険には、購入時や車検時に強制的に加入する「自動車損害賠償責任保険」がありますが、補償は事故の相手に対するもののみで保険金額も死亡で3,000万円など少なく設定されています。事故を起こした場合の損害賠償金は、自動車損害賠償責任保険のみでは不足するので、任意で民間の自動車保険に加入する人が多くいます。

民間の自動車保険には、事故を起こして他人を死傷させた場合や物を壊した場合などに備える「事故の相手に与えた損害の補償=対人・対物賠償」、「運転する自分や同乗者が事故で負った損害の補償=人身傷害」、自損事故で自動車の修理が必要になる場合や盗難にあった場合に備える「自分の自動車の補償=車両保険」と、大きく分けると3つの補償があります。(※1)

この3つの補償は「特約」を付加することでより大きな範囲の補償をしてもらえたり、保険料が割引されたりします。特約をたくさん付加することでより安心できるといえますが、保険料が驚くほど高くなってしまうことがあります。特約の内容を知り、必要だと思うものだけを付加するようにするのが賢明な選択だといえるでしょう。

事故の相手・自分や同乗者・マイカーの補償を手厚くする特約

自動車保険を扱う保険会社によって細かい内容や保険金額は異なりますが、一般的な特約を具体的に紹介していきます。「他車運転危険担保特約」は、他人の自動車を運転していたときに起こした対人・対物・自損事故を補償する特約で、個人で契約する自動車保険には付帯されていることが多いです。「人身傷害補償担保特約」は、自分の過失で起こした事故で自分が負傷・死亡した場合でも保険金の全額が支払われる特約です。自分が起こした事故で負傷した場合でも自分自身が補償される便利な人身傷害ですが、特約を付加することでさらに安心できます。

「車両新価特約」は、新車で購入した自動車の損害額が大きい場合に、新車購入代金と同額が支払われる特約です。「車対車特約」は車両保険の特約で、他人の自動車とぶつかって修理が必要になったときだけ保険金が支払われます。事故が限定されるので保険料が安くなりますが、事故の相手が自動車保険に加入していない場合でも、自分の保険で修理費用をまかなえます。その他に、「車両全損時諸費用特約」や自動車保険を1回使っても翌年の保険料が上がらないようにする「等級プロテクト特約」などがあります。(※2)

自動車事故を起こしてしまった・遭ってしまったときのための特約

「弁護士費用特約」は、自分が事故の被害者になってしまったときのための特約です。(※2)自分に過失がない事故の場合、保険会社に代わって弁護士が無料で(特約で弁護士費用が支払われる)加害者側に損害賠償請求してくれるので安心できます。「事故付随費用担保特約」や「代車費用担保特約」があれば、事故を起こしてしまったときの緊急的な出費に対する不安が少なくなるでしょう。「対物臨時費用担保特約」は、事故の相手側へお見舞いに行くときに支出する交通費やお花代のための特約です。

運転手の限定特約を付加して保険料を安くする

自動車保険の保険料は、年齢が若い人ほど高くなります。自動車運転免許を取得したばかりの人は、事故を起こしてしまう確率が高いからです。また、運転手に関する条件を何もつけない場合が一番高くなり、条件を付加すると割引かれる仕組みになっています。「運転者家族限定特約」「運転者本人・配偶者限定特約」「子供特約」などの制限をつけると保険料が割引かれます。(※2)保険料が安くなるのは良いですが、特約の対象になる家族は同居か別居か、未婚か既婚かなど条件が決まっているので注意しましょう。(※3)家族以外の人が運転する機会が頻繁にある場合は、「臨時運転者特約」を利用できます。

自動車を運転していないときでも安心

「身の回り品担保特約」は、自動車事故で車内にあった物が壊れた場合・駐車中に盗難にあった場合に補償される特約です。「ファミリーバイク特約」を付加しておくと、被保険者が原付バイクを運転して事故を起こした場合でも、自動車事故と同じ金額の補償を受けられます。「個人賠償責任担保特約」では、自動車事故以外で他人に損害を与えてしまった場合に損害賠償してくれます。(※4)

家族全員が対象で、多発している自転車事故などにも対応できます。個人賠償責任保険に個別に加入する必要もなくなるので、保険料の節約になります。他にも保険会社ごとに特色のある特約が多数あり、1社ごとに検討していたのでは時間も手間もかかります。自分に必要だと思う自動車保険の内容が把握できたら、各社の保険料を比較できるサイトを利用してみましょう。住んでいる地域や付加したい特約の内容にもよりますが、10社以上の見積もりを一括してとることもでき、とても便利です。比較サイトを利用する場合は、加入中の自動車保険の証券を手元に置いて必要事項を入力することをおすすめします。

※1【ソニー損保】補償内容の選び方
※2【iFinance金融情報サイト】自動車保険の特約とは何か?
※3【AllAboutマネー】自動車保険、運転者家族限定特約の範囲は?
※4【おとなの自動車保険】個人賠償責任特約

ライタープロフィール
ふぁじー【ふぁじー】
病院で作業療法士として勤務していたが、障がいのある子どもの育児のために退職。育児中に法律やお金の勉強に目覚め、ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士など多数の資格を取得。
現在は非常勤作業療法士として介護施設で勤務しながら、Webライターの仕事にも取り組んでいる。介護・労働法・年金・保険などのお金に関する記事作成を得意としているが、未知の場所や体験について楽しそうに書くことも実は好き。
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