プログラミングはAI時代の強力なスキル!生きる力を伸ばすプログラミング教育

2017年12月21日
プログラミングはAI時代の強力なスキル!生きる力を伸ばすプログラミング教育

政府が小学校へのプログラミング教育導入を発表し、子どもの教育にプログラミングを検討する親が増えています。しかしプログラミング経験がない親にとって、最適な言語や教育環境の判断は難しいものではないでしょうか。ここではプログラミング教育が注目される理由や、そのメリットとデメリットを織り交ぜながら、子どものプログラミング教育全般について解説します。

なぜプログラミング教育が注目されるのか?

経済産業省が2016年6月2日に公表した「日本再興戦略2016」によれば、第4次産業革命(IoT・ビッグデータ・人工知能)を生き抜くためにITを学ぶことが重要だとされています。(※1)実際、医療とITが融合した「メドテック」、金融とITの「フィンテック」、農業とITの「アグリテック」など、どのビジネス分野でもITがつかわれるようになりました。

さらに、経済産業省が2016年6月10日に公表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」ではIT人材の不足を懸念しています。ITニーズの拡大によって市場規模が大きくなる一方で、若年層の減少やエンジニアの高齢化によって人材が不足し2030年には41万~79万人のIT技術者が不足すると考えられているのです。(※2)

つまり、日本と日本で暮らす若者にとってITスキルは必須の能力となりつつあり、人材育成・教育が急務なのです。特にプログラミングは、さまざまなデジタルデバイスを制御し、アプリケーションの開発や運用に必須となるスキルです。またプログラミングは物事を論理的に整理し、そこから新たな発想を生み出す能力を鍛えます。プログラミング的思考ができるか否かで、物事や社会のとらえ方が大きく変わると言っても過言ではありません。

このことを裏付けるように、文部科学省では2020年から開始される新学習指導要領において、小学校でのプログラミング教育必修化を決定しています。(※3)こういった背景から、子どもの生きる力を育む教育として、プログラミング教育が注目されているのです。

プログラミング教育をどう施すべきか?

一言にプログラミング言語と言っても、その数は膨大にあり、使用される分野も言語の特性も異なります。将来、ITエンジニアとして活躍することを想定するならば、2017年時点で有力な言語に慣れ親しんでおくのが良いでしょう。例えば、「Java」「JavaScript」「Ruby」「C言語」などです。プログラミング言語は、文法など多少の仕組みの違いはあれども、根本の考え方には共通した部分があります。そのため、これらメジャーなプログラミング言語に慣れ親しんでおけば、新しい言語への適応も早くなるでしょう。

しかし、ここで問題となるのは子どもの「意識」です。子どもが必ずしもメジャーなプログラミング言語に興味を示すとは限らず、場合によっては苦手意識をもってしまう可能性すらあります。まずは子どもに「楽しさ」を感じてもらうような教育を考えていきましょう。プログラミング初心者が上達するには、勉強として取り組むよりも、趣味の意識を育てることが重要です。「組み立てる」「動かす」「思い通りのことができる」というブロック遊びや模型作りなどに共通する楽しさを感じ取れば、新しい知識や考え方をどんどん吸収していきます。

そこで、「楽しさ」にフォーカスしたプログラミング教育ツールとして「ビジュアルプログラミングツール」を紹介します。

初心者でも楽しさを感じやすいビジュアルプログラミングツール

ビジュアルプログラミングツールとは、プログラミング言語の「難解さ」「専門用語」「複雑さ」を取り除きつつ、知識が乏しい初心者でも視覚的にプログラミングを学べるよう、開発されたツールです。プログラミングの肝となるのは、論理的に「命令」を組み立てていき、自分が考えた通りにコンピュータを動作させること。ビジュアルプログラミングツールは、この肝の部分を手軽に楽しみながら学べるツールとして、教育現場への導入が進んでいます。

Scratch(スクラッチ)(※4)

ビジュアルプログラミングツールの代表格で、難解な文法や専門用語を一切つかうことなく、視覚的に「命令」を組み合わせることでプログラミングを学びます。例えば、「旗がクリックされたとき」「こんにちはと3秒言う」「3秒考える」など、日本語の簡単な命令を組み合わせてゲームを作っていきます。Scratchをつかえば、自分がどういう命令をし、それによってゲームがどう動くかを楽しみながら学ぶことができるのです。

プログラミン(※5)

文部科学省が管轄している国産のビジュアルプログラミングツールで、教育現場に導入が進んでいるツールです。Scratchと同じように、簡単な日本語で命令を出し、それに従って絵が動くゲームを作ることができます。壮大なシナリオをもったRPG(ロールプレイングゲーム)を作るのは難しいですが、ブラウザ上からすぐアクセスでき、親しみやすいツールです。

MOONBlock(※6)

こちらも国産のビジュアルプログラミングツールで、ブロック(命令)を組み合わせて絵を動かしながら、プログラミングを学ぶことができます。また、視覚的に作成したプログラムを「JavaScript」に変換できるという特徴をもっています。JavaScriptで実際のコードがどういう記述になるのかを見るようになれば、プログラミングに対する理解が深まるでしょう。初心者から中級者への橋渡し教材としてもつかえそうですね。

初心者が独学でプログラミングを学ぶときのメリットとデメリット

このようにビジュアルプログラミングツールをつかえば、小学校でのプログラミング教育に向けた準備が始められます。しかし、初心者、特に子どもがプログラミングを独学する場合、メリットとデメリットがあることも知っておきましょう。

メリット

費用がほとんどかからない

ビジュアルプログラミングツールの多くは無料かつ、自宅で簡単に利用できます。本人のやる気さえあれば、コストはインターネット接続費用とPC本体の維持費のみです。

適性があれば急成長が可能

複数人で授業や講義を受けるわけではないため、他人に合わせる必要がありません。適性がある子どもは目覚ましい成長を遂げるでしょう。

デメリット

挫折や飽きで中断してしまう

いくら簡単なツールをつかっても、必ずどこかで「壁」に行き着きます。これは楽しさを感じているほど、早いかもしれません。このとき、問題意識や課題を共有する仲間が身近にいないと、途端に挫折や飽きが襲ってきます。プログラミング教育は継続し、積み上げてこそ効果が発揮されるため、挫折や飽きをどう克服するかが大きな課題です。

未来を生きる力を育むプログラミング教室

自宅でビジュアルプログラミングツールをつかいながら楽しくゲームを作っていたのも束の間、小さな問題が挫折や飽きを呼び、プログラミング教育は中断してしまうことがあります。大人の現役エンジニアであっても1度迷い込んだ迷路から独力で抜け出すのは本当に難しいものです。もし自分自身にプログラミングの素養があれば、子どもの背中をそっと押してあげることができるでしょう。

しかし問題は子どもにプログラミングを教えることができない場合です。このようなときはプログラミング教室の活用を検討してはいかがでしょうか。プログラミング教育の需要を受け、全国各地でプログラミング教室が増えています。寺子屋方式で同年代の仲間と切磋琢磨しながら、ともに課題を解決していく過程は、子どもに新たな楽しさとやりがいを感じさせるでしょう。同時にコミュニケーション能力や社交性も鍛えられ、未来を生きる力が養われていきます。

特に現役エンジニアや研究者が指導してくれるプログラミング教室はハイレベルな質問にもわかりやすく回答できるため、子どもの成長は青天井です。飽きや挫折を少しでも取り除き、未来を生きる力をのびのび育てる環境が、プログラミング教室にはあるのです。

※1【経済産業省】日本再興戦略2016-第4次産業革命に向けて-
※2【経済産業省】IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果
※3【文部科学省】学習指導要領「生きる力」
※4【Scratch】Scratch
※5【文部科学省】プログラミン
※6【MOONBlock】MOONBlock

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