住み替え出来る賃貸でも騒音トラブルは困りもの!?防音性の高い部屋をチェックするポイント

2018年1月29日
住み替え出来る賃貸でも騒音トラブルは困りもの!?防音性の高い部屋をチェックするポイント

集合住宅が大半を占める賃貸住宅では、隣だけでなく上下階の騒音に悩まされて短期間で引っ越しを繰り返す人が跡を絶ちません。期間に迫られて慌てて転居することなく、防音性が高い部屋の特徴を知っておけば、長く住み続けたいと思えるようになるでしょう。

騒音には固体音と空気音の2種類がある

賃貸住宅に住み始めた時に、上下階だけでなく左右の部屋から聞こえてくる音も一度気になりだすと神経質な人ほどイライラしがちです。他の部屋から聞こえてくる騒音が気になるならば、自分が出している騒音も他の部屋に対して響いていると考えて良いでしょう。

実際に防音性を考える際には、建物の壁や床といった固形物の中を通して伝わってくる固体音と人の話し声や音楽といった空気を伝わってくる空気音の2種類を別に考える必要があります。空気音については、両隣の部屋や窓の外から聞こえてくる話し声について考えれば良いので、賃貸物件の内見時に壁をコツコツ叩いてみて高い音がしなければ中は空洞では無く、空気音は伝わりにくいと考えられます。

一方、子供が走り回る音や物を落とした時に発生する音は、床面と壁面を伝わるので防ぎにくい固体音とされています。固体音については、建物全体に対して広がりやすいので、音の発生源を特定することが難しく誤った部屋の住人に対して騒音の苦情を出してしまいがちです。空気音ならば騒音の原因がどの部屋か特定出来ますが、固体音は騒音発生源と聞こえる音の向きが一致しない傾向があるので、慎重な対応をしなければなりません。

建物の構造に着目すれば防音性を予測できる

建物の構造には、大きく分けて木造・鉄骨・コンクリートの3種類の材質で建築されています。木造が最も建築費が安く済む代わりに、防音性が少ない建物です。鉄骨造りには、軽量鉄骨と重量鉄骨の2種類がありますが、軽量鉄骨の中には壁が薄く作られている建物があるので、可能な限り重量鉄骨の賃貸物件を選ぶと良いでしょう。RC造りとも呼ばれるコンクリート造りの建物は、最も防音性が高いとされていますが、絶対に騒音が発生しないわけではありません。

コンクリートの厚みだけでなく、建築時の構造的な問題により低周波音ほど騒音を防ぎにくいので、エアコンの室外機といった低周波音を多く出す機器に対して注意が必要です。また、玄関ドアの開け閉めをする音が大きくなりがちですから、内見時に実際に玄関ドアを開け閉めして騒音と感じるか確認してみると良いでしょう。

内見時に壁と配管をチェックしてみよう

賃貸物件の内見時に確認する項目は、限られた時間内で多くなりがちですが、防音性を気にするならば建物構造だけでなく壁と配管からの騒音にも注意する必要があります。上下階の壁の厚みは、ベランダを外から確認すると分かるケースが少なくありせん。左右の壁は実際に内側から壁をコツコツ叩いてみて高い音がすれば中身は空洞となっていることが分かるでしょう。

コンクリートの高い音はさほど気にする必要は無いものの、木造や軽量鉄骨で高い音がした際には、隣の部屋との間に防音性を高める素材が使われていない可能性があります。内壁に貼られた石膏ボードが1枚のケースと2重に貼られたケースでは防音性に大きな違いが出るだけでなく、中に防音性素材が充填されていれば壁を叩いた時に低い音がするので、失礼を承知で防音性確認のために壁をコツコツ叩いて回ることも時には重要です。一度入居してしまうと、再度転居するまでの間はずっと騒音に悩まされることになるので、内見時に一手間かけることがいかに重要なことか分かるでしょう。

防音性が高いとなぜ快適に生活できるのか

防音性が高い賃貸物件を借りることが出来れば、騒音被害から解放されるだけでなく、副次的なメリットを同時に獲得出来ます。防音性が高い部屋は、同時に高気密高断熱住宅と考えられるので、夏場・冬場の冷暖房効率に大きな違いが生まれるでしょう。一度適温に調整した後は、外気の影響を受けにくくなるので、快適な生活を最小限のエネルギーコストで送ることが出来ます。防音性が高い部屋は、壁の密度が高くて窓の構造もしっかりしているので、総合的に優れた住宅でもあります。

分譲賃貸マンションは、防音性が高く1度住んだら他の賃貸物件には住めないともいわれる理由として、長く住むことを考えて騒音対策をしっかり行い高い防音性を兼ね備えているからです。防音性が高い賃貸物件ならば、生活音を外に漏らす量を抑えることが出来るので、ペットを飼育してもトラブルになる可能性を減らせます。窓を開ければ外の騒音は室内に入りますが、閉めている状態ならば外部の騒音を防ぐと同時に自分が出す騒音も他の住人に対して出す量を減らしてくれるわけです。隣接する世帯とのトラブルを減らせれば、気楽に生活出来るので防音性が高い賃貸物件を選ぶことは、暮らしやすさをアップさせる秘訣でもあります。

まとめ

賃貸物件で暮らす上で避けられない生活音は、防音性が高い部屋に住むことである程度軽減出来ます。防音性の高さは、外からの騒音を入れないだけでなく、自らが出す騒音を他の部屋に伝えない両方の効果があるわけです。建物の構造と材質だけでなく、配管から伝わる音に注意して、内見時に確認すると良いでしょう。

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