転職後、後悔しないために!内定後面談を有効活用するポイントと質問事項

2018年1月31日

転職活動の結果、「内定」の連絡をもらったら、「内定承諾」の返答をする前に、雇用条件や待遇について確認することが重要です。多くの企業では、内定後面談の機会を設けています。この機会を上手に活用して、納得のいくカタチで転職を成功させたいものです。「条件面談」「オファー面談」と呼ばれる内定後面談での、注意点と交渉の方法についてご紹介します。面談に臨む前に、ぜひチェックしてみてください。

まず、内定後面談の目的を理解する

転職における内定後面談とは、企業が内定者に改めて会い、労働条件などを説明する場です。一般的には、人事担当者から改めて労働条件や会社の制度について説明を受けることになります。また、入社後に配属される予定の部署の人や、直属の上司になる人から具体的な仕事内容の説明を受ける場合もあります。

企業は「ぜひ、わが社に入社して欲しい」という姿勢を示すとともに、双方の認識にくい違いが生じていないかを確認します。入社後に「こんなはずではなかった」と早期離職してしまうことは、転職者にとっても企業にとっても不幸なことです。納得できる雇用条件を結ぶために、採用面接の中では聞けなかった疑問点や条件面について、この場で確認するようにしましょう。

内定後面談は、すべての会社で行っているわけではなく、要望があった場合だけ行うケースもあります。もし、「内定承諾」をするにあたって不安要素がある場合は、「今の段階で話を詳しく伺っておきたい」と伝えた上で、面談の機会を設けてもらうようにお願いしてみることをおすすめします。対応次第で、企業の採用することに対しての真剣度がわかります。

内定後面談の活用ポイント

内定前の面接では、転職者は企業側に選別される立場にあります。この段階で年収などの条件をいきなり交渉してくる相手に対して、企業はあまりよい印象を持たないでしょう。内定前には踏み込んで質問できなかったことは、内定後面談で聞くようにします。内定後面談で得られた条件や回答は、転職者が「内定承諾」を決定するための大きな判断材料になります。ただし、転職先の雇用条件のすべてが転職前の条件に優っているとは限りません。

何を重視するか、あらかじめ自分なりの優先順位をつけておき、確認したい項目は事前に準備して面談に臨みましょう。転職の場合は、企業からは即戦力となることを求められているケースがほとんどです。入社後の自分の働くイメージがつかめるよう、一方的に説明を聞くだけでなく、積極的に質問を投げかけてみることをおすすめします。

また、面談当日の質問や相談の内容によっては、企業側もすぐに判断や準備ができないことがあります。例えば、配属先を見学したり、同僚や上司の話を聞きたいと思っている場合は、その希望を事前に伝えておくようにしましょう。内容によってはセッティングに時間を要することもあるので、早めに希望を出しておくとよいでしょう。

内定後面談での確認&質問事項

基本的なことは企業側から提示されるはずですから、自分が重要だと思うことをあらかじめ洗い出しておき、優先順位をつけ、効率よく質問するようにしましょう。転職の場合、内定後面談でまず確認したいことは、入社後の仕事内容や立場についてです。今までのキャリアを生かせる仕事か、やりがいがもてるかなどを踏まえ、「どんな仕事を、どんな立場でやるのか」ということをしっかり確認しましょう。より具体的に、配属先の部署の雰囲気や社員の人数、年齢層なども聞いておくとよいでしょう。

給与については、募集時に「前給考慮」「経験能力に応じて優遇」などとなっていて、実際にいくら支払われるのかわからない場合は、金額を具体的に提示してもらい、同意できるか判断をします。手当についても、自分にどんな手当が、いくらほどつくのか確認します。賞与については業績で変動する場合があるので、まず「賞与の有無」を、そして「昨年の支給実績」などで判断。支払日や支払い方法も聞いておきましょう。休日の日数や曜日、有給休暇、長期休暇の有無、時間外労働、福利厚生に関することは、自分のライフスタイルに合った職場かどうかの判断材料になります。

残業時間は、月にだいたいどの程度あるのか、時期によって異なるのかなども聞いておきましょう。残業を多くして収入を増やしたい人と、プライベートを優先したいので残業をしたくない人では、残業に対する考え方が大きく異なるので事前に確認しておくことが大切です。昇進や昇給の平均的モデルについても知っておきたいところです。自分は何を望まれているのか、どんな可能性があるのかなど、企業側にキャリアパスを聞いてみるのもおすすめです。2〜3年後の自分の姿がイメージできると、仕事へのモチベーションも高まります。入社日に関しては、現職の処理や引き継ぎなどがおろそかにならないよう、スケジュールを考慮した上で確認します。入社前の研修の有無や入社直後のスケジュールも把握できればベターです。

内定後面談で注意するポイント

多くの企業では、内定後面談の案内で、服装や持ち物を指定しているので、確認しておきましょう。服装の指定が特にない場合は、ビジネススーツで出かけるのが一般的です。内定前の面接と比べると、和やかな空気で行われますが、社会人としてのマナーを持ち、失礼のない態度でのぞみます。内定後面談では、自分が納得できる入社条件になるよう交渉することは大切ですが、待遇面ばかりにこだわっていると、いい印象を持ってもらうことができません。仕事内容に関することや、意欲をアピールする質問も用意しておくことをおすすめします。

また、複数の転職選考が同時進行していて、すぐに「内定承諾」の返事ができない場合は、内定保留のお願いをします。企業の人事担当者には正直に事情を伝えましょう。転職者が複数の企業に応募することは普通のことですので、ある一定の理解は得られるはずです。ただし、あくまでも“お願いする”という意識を持ち、いつまでに返事をするか、見通しをきちんと伝えましょう。また、内定辞退を決めたら、速やかに相手企業に伝えなければなりません。企業は人材採用に多大なコストと手間をかけています。迷惑をかけないために、内定保留も辞退も速やかに連絡しましょう。

内定後面談は転職を成功させるキーポイント

雇用の指標とされる有効求人倍率(全国のハローワークでの求職者数に対する求人数の割合)が1.56倍(平成29年11月)となり(※1)、転職者にとっても現在は空前の売り手市場となっています。とはいえ、転職には大きな不安が伴うもの。

現職の勤務をしながら同時進行で転職活動を行うのは大変なことです。そんな状況で「内定」の連絡を受けると、すぐに「内定承諾」したくなりますが、一旦冷静になり、雇用条件や待遇などをしっかり確認することが大切です。そのためにも内定後面談の機会を上手に活かしたいもの。内定後面談を制して、納得のいく、よりよい転職を成功させましょう。

▼参考URL
※1.【厚生労働省Press Release 一般職業紹介状況(平成29年11月分)

ライタープロフィール
ヘッケル
【ヘッケル】
ライター歴30年。旅やグルメなど暮らしの楽しみ分野をメインに、リノベーションやインテリア、求人や働き方などのビジネス系など、幅広い分野で執筆。雑誌・WEB媒体の両方で活動している。
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