NISAを活用して投資する場合の注意すべきポイントとは?

2016年8月15日

NISAとは少額投資非課税制度のことで、一定の金額以下の投資によって生じた利益に対する税金が非課税になるメリットがあります。この制度の導入をきっかけに新たに投資を始めた人も多いといわれています。しかし、この制度を活用する場合には、注意すべき点もあります。NIASを上手く活用するために必要な注意事項をご紹介します。

口座申し込みをする場合の注意点とは?

NISAの口座は1人1つとされています。その理由は、非課税限度枠が個人単位で設定されているからです。そのため、金融機関で口座開設手続きをした申請は、税務署において個人単位で重複して開設されていないことを確認した上で、税務署が承認する形がとられています。
口座開設をする場合には注意点があります。それは、複数の金融機関で開設できないため、複数の口座開設の申し込みを同時にした場合、税務署で最初に承認された口座しか使えないという点です。個別株式の投資をしたかったにも関わらず株式の扱いがない銀行で口座開設されてしまったなどの失敗例があるようですので、自分がやりたい投資商品を扱っている金融機関で口座開設するように注意する必要があります。

NISAで損失が生じた場合の注意点とは?

NISAで投資をする場合の注意点の2つ目は、NISAの口座内で損失が生じた場合の取扱いです。例えばNISA内で投資した株式の株価が下がり、もっと株価が下がると予想する場合は、損失の拡大を避けるため非課税期間内でも売却するケースがあります。NISA口座以外で発生した株式売却損は、他の株式売却益と相殺することができますが、NIAS口座内で生じた損失は相殺できないことになっています。
NISA口座内で生じた利益が非課税になることの裏返しで、NISA口座内で生じた損失は、税務署としては「発生していないもの」として扱うことになっています。つまり、NISA口座内で損を出した場合は、NISAの投資をせずに、NISA以外の口座で投資をした方が良かったという結果になってしまうのです。NISAで投資をする場合は、損失発生リスクをできる限り抑えるよう注意する必要があるでしょう。

非課税枠の使い方に関する注意点とは?

NISAの投資を行う場合の3つ目の注意点は、非課税枠の使い方です。NISA口座を開設すると、1年あたり120万円の非課税枠が5年間にわたって与えられます。この投資枠を有効に使うために注意すべき点は2つです。
1つは、投資するタイミングは非課税枠が与えられた年に限られることです。非課税枠が与えられた年の投資を見送ってしまった場合は、その投資枠は消滅する点に注意が必要です。もう1つは、非課税枠に投資をした後、非課税期間中に売却をした場合は、その枠は2度と使えない点です。通常の投資においても売却時期の見極めは難しいものですが、NISAの場合は、売ってしまった枠は再利用できませんので、売却時期を決めるときは、最適なタイミングかどうかについて注意することがより大切になります。

NISAは投資初心者が資産運用を始めるのに適した環境を提供してくれる制度ですが、口座開設時や投資時期、売却時期などについて注意すべき点もあります。制度を正しく理解した上で賢く使うことを目指しましょう。

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