薬による思わぬ健康被害に遭わないために知っておきたい2つの作用

2016年11月24日

薬は病気の症状を治したり緩和したりする作用がありますが、その一方で副作用や相互作用が起こるリスクも秘めています。そこで、薬の飲み方によって起こり得る副作用と相互作用、これらの作用が発生するリスクを軽減させる対策をご紹介します。

薬のタイプによって現れる副作用

病院や調剤薬局で処方される薬のタイプは、食間・食前・食後・頓服薬に分けられます。食間に服用する薬は服用する時間が定められているもの、食後2時間空けてからの内服などと決められているものがありますが、その理由は副作用のリスクがあるからだとされています。食間に服用する薬に使われる主なものは漢方薬ですが、実は漢方薬にはアルカロイドと呼ばれる毒性の強い成分が含まれており、個人差はあるものの、手足のしびれや痛みを生じるなどの副作用の恐れがあります。次に食前と食後の薬です。食前の服用を指定されているものは胃の活動を活発にさせる作用や、食欲増進を促す薬がありますが、食後に飲んでしまうと効果が期待できないケースもあります。ほかに、血糖値を上げる薬も食前に処方されますが、これを食後に飲んでしまうと低血糖を引き起こすリスクがあります。食後の薬は消化機能を増進させる薬が挙げられますが、ほかのタイミングで飲んでしまうと胃に不快感を生じる副作用があります。そして頓服薬ですが、こちらは痛み止めの薬や発作を抑える薬、解熱剤などが当てはまります。種類は非常に多くあり、症状が短い間隔で現れるといっても飲み過ぎは副作用のリスクが高く、たとえば皮膚アレルギーや腎臓障害などの恐れがあります。

他の薬や食べ物との組み合わせで現れる相互作用

かかりつけ医の医療機関で処方された薬以外に、他の医療機関で処方された薬を服用している方は相互作用に注意しましょう。実は別々の医療機関で処方された薬を組み合わせる場合、身体に悪影響をもたらす可能性が考えられます。たとえば薬の効果が強まって副作用が出たり、逆に薬の効果が抑えられたりというケースがあるようです。一方、相互作用は薬同士だけでなく、食品と薬が合わさることで起こるケースもあります。代表的なものは総合感冒薬とコーラやコーヒーの組み合わせ。総合感冒薬の多くにカフェインが含まれていますが、このカフェインはコーラやコーヒーにも含まれているため、同時あるいは短い間隔で一度に摂り入れてしまうとカフェインの過剰摂取になり、眠れなかったり頭痛に襲われたりします。ほかには、抗生物質の服用と乳製品の同時摂取もNGです。すべての抗生物質というわけではありませんが、抗生物質と乳製品が結合することにより薬の成分を身体に吸収されにくく、薬の効き目を弱めてしまう可能性があります。

お薬手帳を肌身離さず持ち歩こう!

お薬手帳に正確な情報を記録しておくと、過去に服用した薬や現在服用を続けている薬を医師や薬剤師に直ぐに分かってもらえるため、より的確でスムーズに情報を伝えられます。アレルギーや副作用歴の記録をしておくことで医療機関で適切な処方薬を出してもらえるはずですし、飲み合わせによる相互作用のリスクも減らせます。副作用や相互作用は必ずしも現れるわけではありませんが、万が一のことを考えてお薬手帳は手元に用意しておきましょう。また、2016年4月の制度改定に伴い、お薬手帳を持参した場合は380円、手帳がない場合は500円になりました。お薬手帳があれば服用する必要のない薬を減らすことができますし、医療費を節約することもできます。結果的にメリットだらけになることを思えば、お薬手帳を常に持っておくのが理想的ですね。

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