あなたの悩みを解決します!相続時に発生する相続税・贈与税など必要手続きの基礎知識

2017年7月26日
あなたの悩みを解決します!相続時に発生する相続税・贈与税など必要手続きの基礎知識

被相続人が亡くなった場合は財産の相続が発生しますが、数多くの必要手続きがあることを知っていますか?相続税・贈与税・固定資産税など、知識が必要な手続きが非常に多いです。事前に知識を蓄えておけばトラブルなく、スムーズに財産を相続できます。今回は相続時に発生する手続きについて、分かりやすく説明します。

相続時に発生する手続きについて

相続開始から3ヶ月以内に決めなければならないのは、遺産を相続するかということです。遺産相続はプラスとマイナス、両方の財産を相続することを指します。多額の借金があってプラスの財産の方が少ない場合は『相続放棄』を検討した方が良いでしょう。3ヶ月を過ぎてしまうと相続放棄できないので注意してください。

相続放棄しなかった場合は『遺産分割協議』によって誰がどの財産を相続するか話し合い、遺産分割協議書に財産の行方を記載します。財産が現金であればそのまま受け取るだけですが、預金口座や不動産の場合は『相続財産の名義変更』が必要です。その際、遺産分割協議書の提出が求められます。

相続財産が発生しているにも関わらず、遺言書などによって財産を受け取れなかった時は『遺留分減殺請求』を行うことが可能です。相続したことを知ってから1年、または相続開始から10年が消滅時効となります。

相続に関する税のお話その1!相続税の基礎知識

『相続税』の申告は相続開始から10ヶ月以内に行わなければなりません。相続税は『基本控除』が設けられているのでほとんどの人が支払わずに済みます。基本控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」によって計算できます。『正味の遺産』が基本控除額以下であれば、相続税はかかりません。正味の遺産はプラスの財産からマイナスの財産を引いた金額です。相続人が1人で財産は4000万円、債務は500万円だったとしましょう。基本控除額は3600万円、正味の遺産は3500万円なので相続税はかからないという結果になります。

正味の遺産が基本控除額を超える場合は「課税遺産総額-基本控除×税率(-控除額)」で相続税を計算できます。『課税遺産総額』は正味の遺産から基本控除額を引いた金額です。

今回は仮に課税遺産総額が1億円、相続人が妻・長女・長男の3人を想定して相続税を計算してみましょう。相続人の立場によって相続分が決まり、妻と子供は1/2ずつ配分されます。子供が複数いる場合はさらに1/2されるため「妻:1億円×1/2=5000万円、長女・長男:1億円×1/2×1/2=2500万円」となります。課税価格が5000万円は税率20%で控除額200万円、2500万円は税率15%で控除額50万円です。相続税額を計算する公式に数字を当てはめると「妻:5000万円×20%-200万円=800万円、長女・長男:2500万円×15%-50万円=325万円」と計算できます。

この例では「800万円+325万円+325万円=1450万円」で相続税の総額は1450万円になります。今回は説明しませんが、この後さらに相続人ごとの税額を計算するので目安の金額と考えてください。

相続に関する税のお話その2!贈与税・固定資産財の基礎知識

被相続人が死亡したことで課せられる税金を相続税、個人から財産を贈与された場合に支払う税金を『贈与税』と言います。贈与税は相続時以外にも適用される税金です。1月1日~12月31日の1年間で贈与された総額によって贈与税を支払います。

「贈与された財産の合計-基本控除額110万円」で課税価格を計算してから贈与税を求めます。例えば贈与された財産が610万円だとします。課税価格は610万円から110万円を引いた500万円です。課税価格500万円に対しての一般税率は30%なので「500万円×30%=150万円」が贈与税となります。

特殊税率を使う計算方法もあるため、あくまでも簡易的な計算と考えてください。
『固定資産税』は通常時なら登記名義人が負担しますが、被相続人が亡くなった場合は相続人が支払わなければなりません。遺産分割協議中に支払いを求められるケースもあり、遺産の中から経費として支出するのが一般的です。

相続税や贈与税を抑える節税対策とは?

『相続時精算課税』は生前に贈与された財産に対してその都度贈与税を計算せず、相続時にまとめて課税される制度です。2500万円までは贈与税が課税されずに贈与できるのが大きなメリットとして挙げられます。収益物件や値上がりしそうな財産を贈与しておけば、相続税対策にも成り得ます。

相続税の節税対策として有名なのは、建物を購入する方法です。財産を現金で所持しているよりも建物を購入した方が評価が約3割下がるため、結果的に手元へ残る財産が多くなります。
贈与税は110万円の基本控除を考えて贈与することが大切です。1人あたり110万円を超える贈与を受け取らなければ贈与税を支払わずに済みます。

例えば祖母から子供3人へ1年間で1人110万円ずつ贈与したとしましょう。これを3年繰り返していけば祖母の出費は990万円、子供達1人あたりの受け取った金額は330万円になります。しかし、1年間で贈与された金額は基本控除を超えていないので990万円もの財産を無課税で贈与できます。

どちらに相談すべき?税理士事務所と法律事務所

相続税の計算は非常に難しい知識が必要なので、税理士事務所や法律事務所へ相談した方が良いかもしれません。仮に個人で手続きを行った場合、ミスがあれば余計な出費が増える可能性があるのでプロに任せた方が安心です。

税理士事務所は税に特化した知識を持っているので、信頼性が非常に高いと言えるでしょう。今回紹介した計算方法に加えて配偶者の税額軽減など、細かい制度まで適用させて計算してくれます。税理士は税のプロなので相続税を相談をするなら、まずは税理士事務所を考えてください。

ただし、相続人が複数人いて遺産分割協議で揉めている場合は法律事務所に依頼した方が良いケースもあります。弁護士は法律に関する、あらゆるジャンルの業務を行っています。仲裁や訴訟も得意としているので、親族間で揉めそうな時に便利です。税や相続を得意としている事務所を選ぶことがポイントとなります。

期限のある相続時の手続きは専門家に頼むのが1番!

相続時に必要な手続きは期限があり、税が関わってくるので難しい計算になります。個人で行うのは難しく、税理士事務所や法律事務所に相談するのが得策です。節税対策を相談することもできるため、メリットが豊富に存在します。

税理士事務所と法律事務所は得意としている分野や対応できる業務が異なり、自分の都合に合わせて利用する事務所を検討してください。事務所によって相談を無料で行っている所もあるので、適宜活用すると良いでしょう。

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