起業したばかりの頃に行うと効果的な節税対策

2017年7月27日
起業したばかりの頃に行うと効果的な節税対策

起業したばかりの頃は手続きなどに追われとても忙しいことが多いですが、節税対策を怠ってはいけません。節税対策を怠ってしまうと税金を多く支払うことになり余計な出費がかかってしまうので、自分の会社に合った節税対策をするのが大切です。

資本金で節税対策

起業したばかりの頃に行える節税対策に資本金の金額を調整して資本金で節税する方法があります。
資本金で節税対策をする場合、1000万円、3000万円、1億円に区切って考えるのがいいでしょう。

まず、資本金を1000万円未満にすると、新設法人の消費税2事業年度免税と法人住民税の均等割の制度を利用することができます。新設法人の消費税2事業年度免税を利用すれば基本的に設立以後2事業年度は消費税が免税になります。また法人住民税の均等割は1000万円を超えると金額が高くなるので、資本金を1000万円前後で起業しようと思っているなら1000万円未満にするのが得策です。

資本金が3000万円以下の場合は、「特定中小企業者等」に該当し「中小企業者等が機械等を購入した場合の特別控除」の特例を受けることができます。この特例は中小企業者等が機械を取得した時にその取得価格の7%を法人税から直接控除することができ大きな節税となります。ただし控除額は法人税額の20%までとなっています。

資本金を1億円前後に考えているのであれば、中小企業者として税務上さまざまな特例を受けることができる1億円以下にするのがいいでしょう。資本金を1億円以下に設定すれば法人税の計算上、所得金額800万円まで軽減税率が適用できたり、800万円以下の交際費が全額損金算入できたりします。他にも30万円未満の減価償却資産が全額損金算入でき、特定同族会社の留保金課税の対象除外になるなどさまざまなメリットがあります。

このように資本金の額の設定を節税を考慮して行うと、大きな節税効果が期待できるので資本金は慎重に決めることが大切です。

減価償却資産の取得原価で節税対策

起業したばかりの頃は、パソコンなどさまざまな備品を購入することが多いですが、これらも処理の仕方によって節税につながります。パソコンなどの備品を購入した場合、その取得価格が10万円以上であれば資産に計上しなければなりません。資産に計上してしまうと購入した年に全額経費に計上できなくなってしまい、定められた計算方法によって減価償却費として何年かに分けて経費に計上していくことになります。法人税の金額は、利益と経費の差額によって決定されるのでなるべく経費が多い方が節税につながります。したがって購入した備品などの取得価格をどのように計算するかが重要になります。

まず購入した減価償却資産は、その資産の購入代価とその資産を事業の用に供するために直接要した費用の額の合計金額によって計算されます。減価償却資産の取得価格に含めないことができる費用には、不動産取得税や自動車取得税等の租税公課や減価償却資産を取得するための借入金の利子などです。
また、青色申告を利用する中小企業者等は取得価格が30万円未満であれば年間300万円を限度に費用として計上することが可能です。

自社だけで完結できる節税方法

税理士などを利用しないで自社だけで完結できる節税方法に青色申告で法人税を納付する方法があります。青色申告は個人事業主が利用できるというイメージが強いですが、法人の場合でも青色申告を利用することが可能です。事業が軌道に乗るまでは節税効果の高い青色申告を利用するのがいいでしょう。

具体的に青色申告にはどのようなメリットがあるかというと、欠損金が出た場合に青色申告では7年間繰り越し申請することが可能です。欠損金を次年度に繰り越すことができることによって、税金の支払いが0円になることもあります。起業したばかりの頃は赤字が出やすくなるべく経費を抑えたい時期なので、青色申告を利用するのはかなりのメリットになります。さらに青色申告では、前年度が黒字であっても次年度が赤字になった場合に前年度に繰り戻して支払った法人税を払い戻すこともできます。

このような優遇制度を知っているのと知らないのとでは、税金面でかなりの差が生じてしまいます。青色申告などさまざまな制度を利用して申告することが賢い節税方法だと言えます。

どのような準備をして税理士事務所に相談すればよいか

節税対策の相談を税理士事務所に相談する場合、起業する会社はどんな業種であるか、売り上げ規模はどれくらいか、予算はどれくらいにしたいのかの3つのことをまとめておく必要があります。さらに税理士に頼みたいことをまとめておくことも大切です。

資本金のことについて相談したい場合は、事業計画書や登記簿謄本、定款などを準備しておくのがいいでしょう。減価償却資産の取得原価で相談したい場合は、購入した機械などの内訳がわかる明細やそれらに支払った税金の内訳などがわかる明細を用意しておきます。

節税対策のまとめ

このように起業したばかりの頃の節税対策は、資本金の金額をどのように設定するかや原価償却資産の取得原価の計算をしっかり行うことが大切です。資本金は1000万円、3000万円、1億円に区切って考えると効果的な節税をすることができます。減価償却資産の取得原価は含めなくてよい費用を知ることが重要です。

また自社だけで完結できる節税方法に青色申告を利用する方法があります。青色申告は起業したばかりの頃にさまざまなメリットがあるので、利用を検討してみましょう。税理士に相談する場合は、それぞれのケースに合わせて準備を行ってから相談するのが最適です。

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