落ちこぼれを作らない!人材育成の秘訣

2017年12月21日
落ちこぼれを作らない!人材育成の秘訣

物が溢れ、成熟してきた日本社会の中で、ビジネスの競争はますます厳しくなっています。マニュアルをこなすだけの人材を集めても生き残るのは困難です。自分の頭で考え、常に新しいアイデアを出し、積極的な行動をとれる人材を育てる必要があります。

多面的な見方で長所を伸ばす

一般的にどの会社にも社員教育のマニュアルが用意されているはずです。社員全員が覚えるべき業務内容というのは、そのマニュアルに沿って教えることができます。しかし、理解の早さや、仕事を覚えて業務ができるようになるまでの時間というのは人それぞれです。誰もが長所と短所を持ち、得意なことや不得意なことがある中で、仕事ができるようになろうと頑張っています。人材育成を行う上で大切なことは、会社は人間を育てるのであって、ロボットを作っているわけではないという認識です。一般的に仕事を覚えるのが早い人は、最初のうちは期待されることでしょう。

しかし、スピードだけが仕事の良し悪しを決めるわけではありません。多少覚えが遅くても、できるようになった業務を一切ミスなく、慎重にこなせるようになっていれば、結果的に会社にとって有益な場合もあるわけです。一方的な見方で、優劣つけてしまい、無意識のうちに贔屓目で見てしまうと、社員の成長意欲を損なうことになってしまいます。それぞれ個性を持った人間を育てているという自覚が、人材育成には必要です。

全員で仕事をしているという自覚

人材育成に長けた会社というのは、会社満足度も高い傾向にあります。会社満足度が主にどういった面で評価されるかというと、職場の人間関係と働きやすさ、そして給与などの待遇面です。給与や待遇に関してはほとんどの社員が入社する前に提示された額を了承して就職しているはずです。よって会社に属した後の満足度というのは、職場の人間関係と働きやすさが大きく関与していると考えられます。

人間関係が良い職場というのは、どういう環境のことを言うのでしょうか。それはずばり、落ちこぼれのいない会社です。

全社員が優秀であれば何も問題ありませんが、現実はそう簡単にはいきません。ミスの多い社員もいるでしょうし、仕事がなかなか覚えられない社員もいるはずです。しかし、そういった社員を落ちこぼれとして置いてけぼりにしてしまうと、そこから人間関係に亀裂が入ります。取り残された社員は、会社の愚痴を言うようになるでしょう。その社員が同じような不満を抱えている同僚を集め、社内に不穏な空気が漂いはじめます。

どんな仕事も自分一人でできるものではありません。社員ひとりひとりの力があって給料もらえているという自覚を持ちながら、全員で仕事をしているという認識を待たせることが管理職やリーダーには必要です。

上に立つ人間がやってはいけないこと

作業効率と生産性の上がる一体感を持った組織を作り上げるために必要なのは、上に立つ人間の公平な目線です。人材育成のためには、教える側が尊敬される人間性を持ち合わせていなければなりません。社内で最もやってはいけないことが、人によってあからさまに態度を変えるということです。しかし、頭ではわかっていても人間なのでどうしても好みが感情に出てしまうことがあります。個人的な好き嫌いを悟られた途端に、社員はついてきてくれなくなります。

同じ給料をもらっているにもかかわらず、上司に嫌われていると自覚される職場で働くのは大変苦痛です。それが原因で辞めていく社員も少なくありません。厳しい態度をとる場合でも、それが私的な感情ではないということを明確にしておかなければなりません。そこで大切なのが挨拶です。仕事の内容などによって、ケースバイケースで厳しい態度をとる必要性に迫られることはあるでしょう。しかし、毎朝の挨拶や終業後の何気ない会話などでは、明るく気持ちの良い態度で、誰にでも同じように接することが大切です。

プロに任せるという方法も

人材育成というのは、それぞれの会社がおこなっている仕事内容と切り離して考えることもできます。むしろ仕事の内容を覚える前に、モチベーションの保ち方や、社会人としてのマナー、チームワークというのをどのように維持していくかという、社会人としての基本的なことを学んでおいた方が、実際に働き始めた時に有効的な場合があります。社員教育を全て自社で行うこともできますが、その前の段階での人材育成を、専門の企業に任せるという手段もあります。

人材育成支援を専門としている企業は、様々なノウハウを持っています。多くの企業から相談を受けていますので、あらゆるケースに合わせた解決策や、トラブル回避の方法を知っています。研修を行ってもらったり、その都度相談ができるような体制をとっておくと、育てる側も育てられる側にもメリットがあります。社員が悩みを抱えたときも、直属の上司に相談するとそれが評価に影響するのではないかと考えてしまいますが、外部に話ができる機関があれば安心です。

悪循環を生まないために

新人社員も会社を辞めない限り、いつかは教育する側に立つようになります。人材育成はこうして循環していきますので、どこかに欠点が生じてしまうと、その悪影響が延々とつづくことになります。人材育成のプロの意見を取り入れながら、社員の成長促進と会社満足度の向上をめざしましょう。

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