マンションの売却に必要な費用。その種類と内容とは

2018年1月24日

マンションを売却することを考えたとき、気になってくるのが各種の手数料など、費用の問題です。実際に手元に残るのは費用を差し引いた残りの金額となります。マンションを売却した際にかかる費用の主なものは、税金、不動産業者に支払う手数料、ローン残額の3つになります。これらを差し引いた残りの金額が手元に残るわけです。それぞれの内容や、いくらくらいかかるかについて、基本的な部分を押さえておきましょう。

売却で発生する税金にはどんなものがあり、どれくらいかかるか

マンション売却時にかかる可能性のある税金には、所得税(遺産として物件を受け継いだ場合などは譲渡税)、住民税、印紙税があります。しかし、実は大体の場合、税金については気にする必要はありません。まず、所得税と住民税が発生するのは、売却した際に利益が出た場合のみとなります。購入時の価格と売却時の価格を比べ、売却時の価格が上回らない限り、利益は発生しないのです。

また利益が出た場合でも、条件によって特別控除制度が受けられます。これは「居住用住宅の特別控除」と言い、その住宅に実際に居住していた場合に限り、3000万円の控除を受けられるというものです。つまり、実際に居住していたマンションを売却する場合、売却価格そのものではなく、利益が3000万円を超えた場合にのみ、税金が発生するわけです。この条件に当てはまっていれば、所得税(譲渡税)と住民税の心配はありません。

このほか、売却時の利益で新たに住宅を購入するときには「買い替え特例」を利用することもできます。この特例の利用にはいくつか条件がありますが、それを満たすことで、次に住宅を売却するまで課税の繰り延べが可能となるものです。ただし、この二つの控除制度はどちらか一つしか利用できないため、事前の検討を良く行ってください。

次に印紙税ですが、これは売買契約書に添付する印紙代のことです。金額は売却価格に応じて異なりますが、これも数万円以下であるため、気にするようなものではありません。例えば仮に1億円以下の売却価格であっても印紙代は3万円です。さらに売買契約書については、原本でなくコピーを手元に置くこともできます。この場合は印紙を貼る必要はないので、印紙代は不要です。

不動産業者に支払う手数料には、上限が設けられています

マンションを売却する際には、通常、不動産会社に仲介を依頼することになります。売却が成立した場合、不動産会社はその手数料を得て利益とするのです。これは仲介手数料、もしくは媒介手数料と呼ばれています。この手数料については、売却価格に応じた上限が法律で定められています。手数料が妥当な物かどうかを確かめるためにも、上限を知っておく必要がありますが、その算出には、少々複雑な計算式を用いなくてはなりません。

まず、売却価格を200万円以下の部分、200万円を超え400万円の部分、400万円を超える部分に分けます。これは売却価格が3000万円だったとすると、200万円、200万円を超えて400万円となるもう200万円、そして残りの2600万円に分けるということです。そして、それぞれの部分につき、5.25%、4.20%、3.15%の割合で計算します。この結果はそれぞれ10.5万円、8.4万円、18.9万円です。これを合計した金額、37.8万円が、マンションを1000万円で売却した場合の上限手数料となります。

しかしこの計算方法は複雑で面倒です。そこで一般的には、速算法と呼ばれている、売却価格×3.15%に6.3万円を加える計算式が用いられています。これはまずの3.15%を一度計算し、そのうえで200万円までの5.25%、200万円を超え400万円までの4.20%、この二つの部分との差額を補うものです。同じ売却価格1000万円で計算すると、1000万円×3.15%で31.5万円、それに6.3万円を加えて37.8万円となります。このように、速算法を用いれば簡単に正しい上限手数料が割り出せるので、手数料が正当な額かの確認に役立ててください。

また、これはあくまで上限であり、この範囲内で手数料を決めてよい、という指標にすぎません。そのため、この額を絶対であるように主張する不動産業者は注意が必要です。

住宅ローンは清算だけでは終わらない。抹消手続きをしっかりと

多くの人が、マンションの購入には住宅ローンを利用しています。この場合融資を行った金融機関が抵当権を所有していますが、残額を一括返済することで解除が可能です。しかし、マンションの売却価格がローンの残額に達しないとなれば、抵当権を持つ金融機関が売却そのものを認めないこともあります。その場合、不足分を別に用立てて精算しなければなりません。

住宅ローンを一括返済する際には、基本的に手数料が必要です。金額は各金融機関により異なります。また、抵当権の解除後は、抹消が必要になります。抹消手続きは自分で行うこともできますが、素人では何かとミスが起こりがちです。手続きをスムーズに進めるために、司法書士などに依頼しましょう。抹消手続きにかかる費用は、不動産の数×1000円と、司法書士への報酬です。報酬は1万円前後が相場となります。

まとめ

マンションの売却にはさまざまな費用が掛かり、それらについての清算が済んだ後にも、細々とした出費が必要になります。引っ越し費用や、それに伴って家具や家電を新調するお金などです。その一方で、住宅ローンの保証金や火災保険、固定資産税など、戻ってくるお金も案外多いものです。それぞれの計算や手続きは一仕事になりますが、大切なお金のことです。無駄にしないよう、しっかりと確認のうえ、手続きを行ってください。

▼参考サイト
※1.【スマイティ】見落としがちな仲介手数料とは
※2.【マンション売却の達人】マンションを売る際にかかる費用や税金、手数料まとめ
※3.【家高く売るなら【売却のコツ・方法】】家の売却における抵当権抹消手続きの流れや費用

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