歯茎が痛い症状…親知らずの対処方法

2018年1月29日
歯茎が痛い症状…親知らずの対処方法

歯が痛い、歯茎が痛いといった症状を感じた場合、多くの人々が虫歯の症状を疑います。虫歯ではないかもしれないと思ったならば、次いで歯周病を疑うでしょう。しかし、その症状はもしかしたら親知らずかもしれません。親知らずとは、虫歯とも歯周病とも異なり、適切な処置をしなければ虫歯や歯周病も併せて発症することもあるので、しっかりとした処置をする必要があります。

そもそも親知らずとはなにか

歯について、あまり良く知っている人は少ないですが、乳歯と永久歯があるということを知っている人は多くいます。幼いころに生えてくるものが乳歯であり、その乳歯が抜けて永久歯が生え、以降生え変わることはありません。親知らずとは、大人の歯である永久歯の奥歯の中で最も奥に位置している歯のことです。

正式な名称では大臼歯と呼び、智歯とも呼ばれることがあります。もっとも前に位置している前歯から数えて8番目の位置にあり、永久歯の中で最後に発育する歯です。永久歯は、おおよそ15歳までに生えそろいますが、親知らずは生える時期がそれよりも遅いことが多く、おおむね10代後半からはじまり20代前半の間に生えてくることになります。親に知られることなく生えて来るということから親知らずと呼ばれるようになっています。

どうして親知らずは痛むのか

親知らずは、最後に生えてくる永久歯ではありますが、そのほかの永久歯が生えてくるときは、歯茎に痛みを感じることはありません。生えてくるときに違和感にとどまらず痛いと感じるのは親知らずが圧倒的に多いです。その理由は、親知らずの生え方にあります。

親知らずは覆いかぶさっている歯茎を突き破って生えてくる仕組みになっています。そのため、歯茎が親知らずに突き破られてくる際に痛みが生じます。また、親知らずが生えてくるときには周囲の歯や神経、組織などを圧迫しており、そのことも痛みの原因です。加えて、歯というものは上下で咬み合わせが合うように生えていますが、咬み合う側の親知らずが先に生えており、これから生えてくる親知らずの歯茎を噛んでしまう状況になれば、そのことによって痛みを感じることもあります。

このほか、親知らずが生えてくる物理的な痛み以外でも、痛いと感じることは多々あります。ひとつには親知らずが生えてくると歯と歯茎の間にわずかなスペースが生じることがあり、ここには汚れが溜まりやすいです。スペースに汚れが溜まり、細菌が繁殖し、歯茎そのものが腫れてしまい痛みの原因となります。また、親知らずが生えてくると、歯と歯茎の間である歯周ポケットに歯周病菌が溜まりやすくなります。歯周ポケットに汚れが溜まり、歯周病となればやはり痛みが生じるのです。

親知らずによって発生する隙間は、歯と歯茎の間ばかりではなく歯と歯の間にも生まれ、これは親知らずが斜めに生えた場合に多いです。歯と歯の間に隙間が生まれれば、汚れが溜まりやすく、やはり歯茎を圧迫して痛みが生まれます。さらに、生えてくる親知らず自体が虫歯になっている可能性もあります。親知らずは歯を磨きにくい部分に生えてくるために、汚れが落としきれずに虫歯になりやすいです。このようにさまざまな理由によって親知らずによる歯茎の痛みは生まれます。

親知らずの治療ができる場所

親知らずによって歯茎が痛いと感じたならば、市販の痛みどめで対処することもできますが、場合によってひどい症状になるので、専門家による処置を受けることが望ましいです。歯の治療・処置となると、一般的には歯医者を受診することを想像しますが、親知らずの処置をできる場所は数多くあり、症状に合わせて選ぶ必要があります。

もちろん、虫歯や歯周病の処置をおもに行う一般歯科で処置してもらうことも可能です。普段利用している歯医者でリラックスしながら処置を受けることができるメリットがありますが、場合により処置が難しいこともあります。もうひとつの方法として口腔外科を利用するという方法があります。口腔外科とは、口の中や顎にまで関わる領域の外科処置を中心として取り扱う科のことです。

最新設備を利用した高度な医療を受けることが可能であり、個人病院で口腔外科を取り扱うこともあれば大学病院で取り扱っていることもあります。個人病院の口腔外科ならば、処置も早くかつ希望が通りやすいという点でメリットと言えます。大学病院の口腔外科であれば、問診や診察に時間をかけ処置に時間がかかる傾向にあり、スピードは期待できませんが丁寧な処置が期待できます。

親知らずの処置方法

親知らずの処置の方法には一定の流れがあります。まず、周囲の歯茎が炎症を起こしている可能性が高いので、腫れや炎症を起こしている局所を洗浄することが第一です。次いで薬によって炎症を抑えたり、痛みを抑えたりします。親知らずの生え方などによってすぐに抜歯などの処置をできないために、治療方針が決まるまで薬で対処することが多いです。親知らずがまっすぐ生えているのならば、特に深刻化せず特別な治療をしないこともあります。

しかし、親知らずが斜めや横に生えている場合は、咬み合わせが悪くなるので、歯を削る処置が行われます。歯茎の痛みや腫れが引いても再びぶり返し、症状をくり返す人も多くいます。そのような人に対しては、最終的に親知らずを抜歯するという治療法をとることが多いです。

親知らずを治療する歯医者選びのポイント

歯医者と言ってもさまざまあり、いつも治療を受けている歯医者に取り敢えず行ってみるという方法もありますが、親知らずの処置が不向きだという歯医者もいるので選ぶ際のポイントを知りしっかりと処置を受けることが重要です。まず、口腔外科を専門的に学んだことのある歯医者を選ぶことが第一です。一般歯科の歯医者であっても歯学部や医学部において口腔外科を学んだ歯医者を選ぶことがおすすめとなります。

また、歯を抜くのか削るのかといった治療方針をしっかりと伝えてくれる医師であることも重要です。親知らずの治療に関わらず、治療の難易度などを丁寧に説明してくれる医師は安心して処置を受けることができます。さらに、親知らずは抜歯に終わらないので、アフターケアも充実している歯医者が好ましいです。

まとめ

親知らずは、永久歯が生えてからも悩まされることがあり、歯茎が腫れて痛いと感じられることもあります。一般の歯科医において治療を受けることもできますが、口腔外科で治療を受けることも可能です。選ぶ際には、治療方針や経過をしっかりと説明し、アフターケアもしっかりとした歯科医を選ぶことが勧められます。

▼参照URL
https://haisha-yoyaku-blog.jp/wisdom-tooth-choice-33271

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