臭い対策を徹底解説!体臭・加齢臭でお悩みの方に

2018年1月31日

体臭は自分では気がつきにくいものですが、エチケットとしてできるだけ抑えておきたいものです。中高年になってから出はじめる加齢臭も、早くから対策を取るに越したことはありません。香水や消臭スプレーで対症療法的にごまかしているという方も、実は臭いの原因をきちんと知ることで、適切な対策ができるのです。そこで今回は、臭いの原因とその対策を解説します。

臭いの原因を知ろう!体臭と加齢臭はどう違う?

体から出てくる臭いと一口にいっても、その原因はさまざまです。一般的に、汗が原因となって体から臭うものを、体臭と呼びます。汗臭いともいわれますが、実は汗自体が臭うわけではありません。汗は、エクリン腺とアポクリン腺という2種類の汗腺から出てくる分泌物です。エクリン腺は、全身の皮膚にあり、ほぼ水分からなるサラサラとした汗を出し、アポクリン腺は、主に脇にあり、水分の他にタンパク質や脂質などを含んだベタベタとした汗を出します。このアポクリン腺から出てくる汗に含まれる分泌物が、皮膚の表面にいる皮膚常在菌によって分解されるときに、臭いが発生するのです。

皮膚常在菌は、人間の皮膚に生息しており、高温多湿な環境でよく繁殖し、脇、股、足などに多くみられます。いわゆるワキガが強い臭いを発するのは、脇にたくさんの汗をかくということに加え、多くの皮膚常在菌が生息しているということによるのです。汗の発生量には個人差があり、生まれつき汗をかきやすいという人は、体臭で困っていることも多いでしょう。加齢臭も広い意味では体臭の一つですが、特定の原因によって発生する臭いのことをいいます。

加齢臭は、中高年になるにしたがって体から発せられる独特の臭いで、ろうそく、ブルーチーズ、古本など、さまざまな臭いに例えられ、臭いに個人差が大きいのが特徴です。加齢臭というと、男性のイメージがありますが、女性にもあります。加齢臭の原因は、皮脂腺から分泌される皮脂に含まれる9-ヘキサデセン酸が、過酸化脂質によって分解されるときに生じる、ノネナールという物質です。(※1)

9-ヘキサデセン酸は、中高年に近づくにしたがって皮脂の中に増えていくため、加齢臭も強くなっていきます。また、過酸化脂質も、年齢にしたがって体内に増えていく活性酸素と、脂肪やコレステロールが結合してできる物質であり、年齢とともに加齢臭が強まる原因のひとつとなっています。このように加齢臭は、中高年になるにしたがい少しずつ臭いが強まるため、自分ではなかなか気づくことができないのが厄介なところです。

他にも、30〜40代になって強まる臭いとして、ミドル脂臭が知られています。ミドル脂臭とは、汗に含まれる乳酸が、皮膚常在菌によって分解されるときに発生される、ジアセチルが原因で生じる臭いのことです。(※1)年齢とともに汗腺の機能が衰え、汗に乳酸が含まれやすくなることによって、臭いが強まっていきます。頭頂部や後頭部に臭いが強いのが特徴で、枕に臭いがつくことで気がつく、という方も多いようです。

一緒にしてはダメ!体臭と加齢臭で対策は違う

一緒にして扱われてしまうことがある体臭と加齢臭ですが、臭いの原因が違いますから、それぞれの原因に合った対策をしましょう。体臭は汗が原因で発生する臭いですので、汗を取りのぞき、体を清潔に保つことが、臭い対策になります。スポーツなどで大量に汗をかいた後は、放置しておくと臭いが強くなるため、シャワーを浴びたり、タオルで拭きとったりして、汗が残らないようにしましょう。

皮膚常在菌が汗に含まれる分泌物を分解し、臭いを放つようになるまでの時間は約1〜2時間といわれているので、早めに対策をとることが肝心です。汗をかきやすい人は、普段からこまめにハンカチやタオルで汗を拭きとりましょう。加齢臭は、ノネナールというニオイ物質が原因ですが、ノネナールは水に溶けにくく、肌にこびりつきやすい、という特徴があります。

シャワーで軽く流しただけでは落ちないため、石けんやボディシャンプーを使って、ゆっくりと丁寧に洗いながしましょう。毛穴の汚れを拭いとるようにするのがコツです。皮脂の中に含まれる9-ヘキサデセン酸も臭いの元ですから、皮脂が多い頭皮、首や耳の後ろ、肩や背中を、特にしっかりと洗うようにしてください。

寝ている間にも皮脂は分泌されますので、夜に一日の皮脂をしっかりと落とし、朝にもシャワーで洗いながすと効果的です。ミドル脂臭は汗が原因ですから、夜に頭頂部や後頭部をしっかり洗って、汗を洗いながしましょう。

生活習慣を見直して臭いを元から断つ!

臭いの原因となる物質は体内で作られるものであり、食生活や運動習慣などの生活習慣を見なおすことで、ニオイ物質の生成を抑え、臭いを軽減することができます。体臭は、アポクリン腺から分泌されるタンパク質や脂質が原因で生じる臭いですので、それらを含む食材の摂取をできるだけ控えてください。洋食には肉や乳製品など、動物性タンパク質や脂質を多く含む食材が使われているため、和食の方がおすすめです。

また、食物繊維を多く含む野菜を積極的に料理に取りいれ、脂質の吸収を抑えましょう。タンパク質の消化にはエネルギーを多く使い、体温が上がって汗をかきやすくなりますので、その点でもタンパク質の摂取を控えることは効果的です。辛い食べ物も、食べると体温が上がり、汗をかきやすくなりますから、好きな方も量を減らしてください。加齢臭は、ノネナールというニオイ物質が臭いの原因であり、その元となる皮脂と過酸化脂質を減らすことが重要です。

動物性タンパク質や脂質を摂取すると皮脂の分泌が増えるため、体臭の対策と同様に、肉や乳製品を使う洋食から、魚中心の和食に切りかえ、野菜を多く摂るようにしましょう。脂肪を摂ると血液中の中性脂肪が増え、9-ヘキサデセン酸の原料になるため、脂肪の多い肉は控えてください。

また、サラダ油や植物油には、リノール酸が含まれており、コレステロールや中性脂肪を増やし、過酸化脂質が発生しますから、油を使った揚げ物などの料理は臭いを強めます。過酸化脂質は活性酸素によって作られますので、生活習慣を改善して活性酸素を減らすことも、臭い対策になります。30分以上の継続した有酸素運動は、体の抗酸化力を高めてくれるので効果的です。

また、喫煙や飲酒は体内の活性酸素を増やすため、臭いが気になる方は控えてください。アルコールが肝臓で分解されるとアセトアルデヒドになり、分解するときに活性酸素がノネナールの生成を促進しますので、飲酒は加齢臭の大敵といえます。ミドル脂臭は汗に含まれる乳酸が原因ですので、酢や梅干し、海藻類などを食べて、乳酸の発生を抑えるとよいでしょう。

サプリメントをうまく活用しよう!

臭い対策のためには、食生活を見なおすことが重要ですが、食事だけで完璧な対策をするのはなかなか難しいものです。そこで、サプリメントをうまく活用するとよいでしょう。体臭を抑えるために食生活を変えてしまうと、アミノ酸やビタミンなどの栄養素が足りなくなってしまうのではないかと不安な方は、薬局で薬剤師に相談してみましょう。サプリメントであれば、動物性タンパク質や脂質を摂取することなく、必要な栄養素を摂りいれることができます。

また、サプリメントを使えば、臭いの原因別に、ピンポイントで対策ができます。加齢臭の発生を抑えるためには、体内の抗酸化作用を高める働きをするサプリメントが有効です。緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンやビタミン、お茶に含まれるカテキンやポリフェノール、トマトなど赤い野菜に含まれるリコピンなど、食生活に合わせてサプリメントを選びましょう。ビタミンEなどの栄養素は摂りすぎるとよくないこともありますので、薬剤師に相談すると安心です。抗酸化作用のあるサプリメントとして、アスタキサンチン、コエンザイムQ10、白金ナノコロイドなども知られていますので、活用するとよいでしょう。(※2)

また、大腸まで届いたタンパク質が、悪玉菌などによって分解され、アンモニアや硫化水素となることも、臭いの原因になります。ビタミンB6はタンパク質の代謝を助けてくれますので、食事でじゅうぶんに摂取できない方はサプリメントで補いましょう。また、オリゴ糖や乳酸菌は悪玉菌を減らし、腸内環境を整える作用があり、臭い対策に効果的です。

臭いにサヨナラ!臭い対策は体の内側・外側のダブルで攻める

体臭と加齢臭では原因が異なり、それぞれに合った対策が必要です。体臭の原因となる汗や、加齢臭の原因となる皮脂などを、体の表面から取りのぞくことで、体の外側から臭い対策ができます。一方、食生活や運動習慣を見直し、体質改善をすることで、体の内側から、臭いの原因を抑えることも可能です。さらに、臭いの原因別にサプリメントを活用すれば、ピンポイントに臭い対策ができます。ぜひ自分に合った対策をして、体の臭いを改善し、臭いに悩まされることのない生活を送りましょう。

▼参考URL
※1.【加齢臭スッキリ本舗】加齢臭と体臭
※2.【加齢臭スッキリ本舗】加齢臭対策の抗酸化物質の摂り方のポイント

ライタープロフィール
ガリレオ
【ガリレオ】
大学院で博士号(理学)を取得し、研究員をしています。得意分野は理工系の話題で、多少専門的な内容であっても執筆できます。常に分かりやすい説明を心がけるのが、自分の中のルールです。
興味・関心は幅広く、健康からビジネス、スポーツや生活の雑学にいたるまで、最低限の知識があります。未知の分野であっても、学びながら記事を書くのが楽しいので、どんどん新しい分野の記事を執筆していきたいです。
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