手続きは?費用は?離婚調停で離婚する方法

2018年1月31日
手続きは?費用は?離婚調停で離婚する方法

離婚調停は夫婦間で離婚の合意が得られない場合、裁判所を交えて話し合う手続きをいいます。離婚の意志はあるものの、互いの意見や要望が一致せず状況が進展しないのであれば、離婚調停により早期の解決が期待できます。

離婚調停だけじゃない!離婚方法の種類

離婚の方法には大きく分けて、協議離婚と調停離婚、審判離婚、裁判離婚の4種類があります。協議離婚は夫婦の話し合いにより双方が離婚に合意したうえで、離婚届を役所に届け出ることで成立します。離婚届の受理に厳格な審査はなく、記載内容の不備がなければ離婚が成立します。

家庭裁判所が関与することもありません。調停離婚、審判離婚、裁判離婚の場合は、家庭裁判所の手続きを経由する必要があります。調停離婚は当事者だけでなく、家庭裁判所の調停委員を交えて離婚についての話し合いを行います。夫婦のどちらかが離婚に同意しない場合や協議ができないような状況にある場合、離婚調停を申し立てることで協議の場を家庭裁判所へ移すことが可能です。

ただし、離婚調停を起こしたとしても、必ず離婚できるというわけではありません。離婚調停が不成立になった場合、家庭裁判所の判断により調停に代わる審判が行われることもあります。審判において夫婦双方が異議を申し立てることなく離婚が確定すると、審判離婚が成立します。しかし、審判でも離婚できなかった場合は、裁判を起こすしかありません。裁判離婚には和解離婚、認諾離婚、判決離婚の3種類があり、裁判所が判決を確定する前に離婚が成立することもあります。(※1)

調停が始まってから終わるまでの流れ

離婚調停は、申し立てをすれば即座に行われるわけではありません。実際に調停が始まるのは、申し立てから約1~2カ月後です。家庭裁判所から第1回調停期日が指定され、申立人と相手方の双方が呼び出されます。1回の調停は2時間ほどで終了しますが、話し合いの内容によっては長引くこともあります。

さらに、調停は1回で成立するとは限りません。双方の合意が得られるまで、1カ月に1回程度のペースで調停を繰り返します。最終的に調停成立か調停不成立、調停取り下げのいずれかの形で終了です。ただし、調停不成立に終わったとしても、裁判所の判断により調停に代わる審判が行われる場合があります。双方が離婚に合意すれば、当事者と裁判所書記官立ち合いのもと調停調書を作成します。

調停調書は裁判所が独断で作成するのではなく、当事者双方に確認をとりながら、離婚に合意した条件や内容を記載します。なお、調停で得た合意は、裁判所の判決と同等の効力があります。調停時に金銭の支払いに合意したにも関わらず支払いがないという場合は、差し押さえも可能です。(※2)

離婚調停には何が必要?準備しておくべきこと

離婚調停を申し立てるには、申立書を提出する必要があります。申立書を作成するにあたり、必要な情報を集めましょう。まず、管轄する家庭裁判所を確認してください。離婚調停を行うのは、相手方の住所地を管轄する裁判所か、申立人と相手方の双方が合意して定める裁判所のどちらかです。

申立書の書式は全国共通ですが、申立書以外に付属しなくてはならない書類は、裁判所により異なります。管轄裁判所の場所は、依頼する弁護士を選ぶ際の基準にもなります。管轄裁判所と弁護士事務所の距離があまりに遠いと、依頼を受けてもらえなかったり弁護士費用が高くなってしまったりする場合があります。

できれば管轄裁判所から近い場所に事務所を構えている弁護士に依頼するのが望ましいです。申立書は自分で作成しても問題ありませんが、弁護士に作成を代行してもらうことも可能です。弁護士に相談すれば、年金分割や婚姻費用の請求についてもアドバイスを受けられます。戸籍謄本などの書類の取り寄せや、申立書の提出も弁護士が代わりに行ってくれるので、とてもスムーズに準備を進めることができます。(※2)

離婚調停にはどれくらいの費用がかかるの?

離婚調停を申し立てるには手数料が必要です。申立書に1,200円分の収入印紙を貼り、納付します。手数料が追加されることはありませんが、離婚調停のほかに婚姻費用分担請求調停の申立をする場合は、さらに1,200円の手数料がかかります。さらに、相手方へ郵便物を送付するために、800円程度の切手を裁判所へ預けておく必要があります。

切手の金額は裁判所によって異なるため、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。また、申立書に添付する戸籍謄本や住民票、所得証明書を発行するための費用や、裁判所までの交通費もかかります。弁護士へ依頼する場合、弁護士費用は自己負担です。金額は依頼する弁護士事務所や事案の内容により異なりますが、調停が成立した場合、着手金のほかに成功報酬がかかる場合が多いです。弁護士費用はホームページなどで公開している事務所もありますが、弁護士の移動距離や調停にかかる時間により追加料金が発生する場合もあります。(※2)

調停だけでは終わらない!調停後の手続き

離婚調停が成立した時点で夫婦関係は解消されます。しかし、調停成立後は10日以内に離婚届を提出しなければいけません。協議離婚の場合、夫婦が合意したうえで離婚届を提出する必要があります。しかし、調停離婚なら申立人だけで離婚届の提出が可能です。

提出する際は離婚届の他に、調停調書謄本と戸籍謄本、運転免許証やパスポートなど本人が確認できる書類、印鑑を持参してください。(※3)なお、調停成立から10日以内に離婚届を提出しなかった場合、5万円以下の過料に処されると戸籍法第135条および第138条により規定されています。過料制裁にいたらなかったとしても、戸籍届出期間経過通知書に提出が遅れた理由を記載し、簡易裁判所へ送付する必要があります。不要な手続きを避けるためにも、調停成立後は早めに離婚届を提出しましょう。(※1)

※1.【初めての調停】離婚方法の6種類と離婚するまでの流れ
※2.【多治見ききょう法律事務所】離婚調停とは?-離婚調停の費用・場所・開催時間・準備手順
※3.【初めての調停】離婚調停成立後は離婚届の提出が必要

ライタープロフィール
高木昭良
【高木昭良】
イギリスにて一年間の留学を経たのち、警備員、探偵調査員、納棺師等様々な職業を経験し、現在はフリーライター兼占い師として活動中。
得意分野は文学や芸術に関する記事のほか、コスメやダイエットなど美容に関する案件など。
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