調停離婚はどんな方法?

2018年1月17日

現在、離婚する夫婦は1年間に約25万組にものぼります。離婚を考える事が少ないと思われていた、50代以上の熟年離婚も年々増加しています。離婚が身近に起こり得る状況であるがゆえ、誰しもが離婚の方法を良く認識する必要があります。離婚の方法の中でも、調停離婚にスポットを当てたいと思います。

離婚の種類

離婚の種類には、「協議離婚」・「調停離婚」・「裁判離婚」の3種類があります。協議離婚とは、夫婦の話し合いで離婚に両者が合意することです。調停離婚とは、協議離婚が成立しない場合に、家庭裁判所に離婚の調停を申し入れることです。裁判離婚とは、家庭裁判所の調停でもまとまらず一方が裁判を起こし離婚をすることです。

裁判離婚の場合、裁判を起こした方が原告、相手方が被告になります。裁判離婚は調停離婚と比較し、非常に複雑な処理が必要になります。裁判の進行状況によっては、裁判所の判決ではなく、話し合いによる和解勧告を勧められることもあります。裁判離婚の実績がある信頼のおける弁護士への相談を、早い段階でしておくことが望ましいです。

調停離婚の内容

調停離婚の内容は、一方が離婚に応じない場合、もしくは、話し合い自体行えない場合に、家庭裁判所へ調停の申し立てを行います。調停では、財産分与、年金分割、慰謝料、子の親権、面談交渉権、養育費なども同時に行われます。協議離婚と比較し、財産や子供への面会ルールなど細かい点まで取り決めが行われます。

財産分与は、よく耳にします。年金分割は、あまり耳にしたことがない人が多いと思います。被用者が離婚等をした場合において、当事者間の合意や按分割合を定めた時に、当事者の一方の請求により、婚姻期間等の保険料納付記録を当事者間で分割できる制度があります。一般的に「離婚時の厚生年金の分割制度」、「合意分割」などと呼ばれています。財産分与だけではなく今後支払われる厚生年金も分割されます。

調停離婚申し立てをする方法

調停離婚は、一方の調停申し立てにより家庭裁判所で行います。基本的には相手方の住所、もしくは、当時者の合意に基づいた家庭裁判所に対して調停の申し立てを行います。調停の申し立てに必要な書類として「夫婦関係調停申立書」があります。これは家庭裁判所で受け取る事が出来ます。夫婦関係調停申立書記載事項を記入し、戸籍謄本の添付が1通提出には必要になります。

調停の申し立てにかかる費用は、1,200円の収入印紙と相手方に通知する為の800円の切手代です。これはあくまでも一般的な費用の記載になります。家庭裁判所により費用が違う場合がありますので、申し立てを行う家庭裁判所に直接確認をしてください。これらが、調停離婚申し立て方法です。

調停の流れ

調停は、非公開の調停室で行われます。これはプライバシーを守る為です。調停室での家庭裁判所での対応人員は、裁判官である審判官と調停委員である2人による調停委員会の計3名の対応になります。

調停の進行は両者が顔をあわせる事はありません。待合室は申立人と相手方用とで分かれています。また、両者1名ずつ交互に調停委員と、結婚の経緯・夫婦生活・離婚をしようとする事になった原因・子の親権・収入財産状況・今後についてを話し合います。これらにより、両者が顔をあわせず感情的になる事はありません。

調整は、離婚をする事を前提としておらず、話し合いの結果を両者に伝え、歩み寄り・和解が出来ないかなど円満な解決方法を模索します。調停委員という第三者を通す事で、調停を取り下げ夫婦として再出発するケースも多々あります。

調停の期間と出席

調停の頻度は、1カ月に1回程度です。おおよそのケースは約6カ月で調停終了します。しかし中には、1年以上かかる場合もあります。調停期間は、両者の納得できる合意が出来る事が大きく影響します。調停は原則本人出席です。特別な理由がなく出席しない場合は、5万円以下の科料に処されることになります。しかし、実際にはほとんど科料に処されるケースはないのが現状です。

調停で離婚合意できない一番大きな要因として、相手方が離婚に合意しない事を明確にしていることです。離婚は絶対にしない、この一点張りであれば、調停離婚は難しく裁判離婚になる可能性が高いです。このケースの場合、調停期間は長引くと考えられます。調停委員との話し合いの内容で、調停期間のおおよその目安をはかる材料にしてください。

まとめ

離婚は、協議離婚・調停離婚・裁判離婚と段階が上がるにつれ、弁護士との相談の必要性が高くなります。財産分与・親権以外にも、法的判断が必要なケースが多くあります。法律のスペシャリストである弁護士との早めの相談が、これらの解決に大きく貢献します。

▼参考サイト
※1.【オリーブ法律事務所】離婚の心構え

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