お祭りの金魚は育てられる?初心者でもできる金魚の飼い方を解説!

2019年12月20日

お祭りで掬った金魚を家に持って帰ってもよいか、迷う人も多いでしょう。持って帰ったものの、間違えた方法で世話をすると金魚を死なせてしまうことも。金魚を飼うには、正しい知識をもとに水槽を立ち上げ、世話をする必要があります。ここでは、お祭りの金魚を自宅で飼うための、方法や注意点を紹介します。

お祭りの金魚は弱っている!育てるには素早い対応が肝心

お祭りの金魚は弱っています。 家で飼育するには、できるだけ早めに処置をしてください。 お祭りの金魚は慣れない屋台の環境に移された直後に、大勢の仲間とともに追い回されています。弱っているのはストレスだけが原因ではありません。ポイや網でつつかれるたびに、金魚の体にもダメージが溜まっていくことでしょう。不意に掬われ外の空気にさらされている瞬間は、エラ呼吸もできません。

小さな袋に入れられてからも、過酷な環境は続きます。小さなビニール袋には歩くたびに振動が伝わり、日光が当たれば水温が上昇していくでしょう。このように、お祭りの金魚は弱っている状態といえます。

金魚を大きな容器に緊急避難!

お祭りの金魚を家に持ち帰ったら、まずは大きな容器に移し替えてください。金魚を飼うためにはさまざまな設備が必要となりますが、すぐにそれらを用意できる人は少ないでしょう。それでも、小さなビニール袋にいれっぱなしの状態は危険です。水量が少ないので酸欠になりやすく、すぐに金魚は死んでしまうでしょう。応急処置用の容器には、バケツやタライなど、大きな容器がおすすめです。できる限りたっぷりの水が入り、開口部が広い容器を選ぶようにしてください。容器にカルキを抜いた水を用意し、水温を合わせてから、元々入っていた水ごと移し替えましょう。

カルキとは水道水に含まれる塩素のことで、金魚を泳がせるには取り除かねばならないものです。カルキは汲み置きの水道水を日にあてたり、沸騰させたりしても取り除けますが、こういった方法ではとにかく時間がかかります。おすすめなのは、100均などでも手に入る「カルキ抜きの薬剤」を使うことです。薬剤を指定された分量入れ、30分程度放置すればカルキを抜くことができるでしょう。なお、ビニール袋を容器に浮かべておけば、カルキ抜きと水温合わせを並行して行えるので、一石二鳥といえます。

カルキ抜きの薬剤がほしくても、時間によってはお店が閉まっていることもあるでしょう。そのような場合は、水道水に空気を勢いよく混ぜることでカルキをある程度抜くことができます。ペットボトルに水道水を入れ勢いよく降りまぜたり、シャワーで勢いよく水流をつくったりしてカルキを抜きます。ただし、あくまでも応急処置なので、水槽を作る準備をする際に、忘れずにカルキ抜きの薬剤を購入するようにしてください。

金魚水槽を作ろう!

いつまでもバケツやタライに金魚を入れておくわけにはいかないので、きちんとした水槽を用意しましょう。最も簡単なのは、ペットショップやホームセンターなどで「金魚飼育セット」を買うことです。水槽にエアレーション、砂利、お試しサイズのエサ・カルキ抜き薬剤・バクテリアなどがセットになっており、手軽に金魚を飼い始められるでしょう。特に、エアレーションは、金魚をはじめ室内で魚を飼うには欠かせない設備です。エアレーションがなければ、酸素が不足して金魚が死ぬリスクが高まります。まれにどんぶり茶碗を容器に選んだり、密閉したボトルアクアリウムに挑戦したりする人もいますが、このような飼育環境は熟練のアクアリストでないと維持できません。初めて魚を飼育するときには、できるだけ基本的な飼育環境から始めましょう。

金魚を飼う際の注意点は?

金魚を長く健康に飼う際には、いくつか注意点があります。ポイントを抑えれば初心者でも金魚を育てることができます。

注意点1.エサ

水槽に移し替えた日は、エサをあげないほうがよいです。お祭りの金魚はストレスが多いので、エサを消化できずに苦しむことも。2~3日はエサを控えましょう。また、エサの量が多いと金魚はすぐに大きくなります。ときには手のひらに収まらないほどに成長し、用意した水槽が小さくなることもあるでしょう。エサはすぐに食べきれる量を1日に1~2回食べさせ、必要以上に大きく育つのを抑えます。過剰にエサをやらないことで、水質悪化も防げるでしょう。

注意点2.水換え

水換えは、水槽をたちあげて1カ月程度は、2~3日に1回程度の頻度で行いましょう。水槽の水を底のほうから半分程度ぬき、新しいカルキを抜いた水をいれるイメージです。必ず、室内の温度に合わせてから水を足すようにしてください。最初のうちは、汚れを分解するバクテリアが少ないので、どうしてもこまめな水換えが必要となります。1カ月もたつと自然にバクテリアが繁殖し、水換えの頻度も1~2週間に1度くらいでよくなります。

注意点3.温度管理

金魚に適した水温は15~28℃です。適温より下回ると金魚が冬眠モードとなり、エサを食べ残したり、消化不良を起こしたりする可能性があります。また、水温が高い場合は水中の酸素が少なくなる以外に、体調にも負荷がかかるでしょう。たとえば、夏場に1週間程度旅行し、帰ったら金魚が死んでいたという例があります。部屋をあける際は、エアコンをつけっぱなしにしたり、水槽用のファンを付けたりして温度対策をしましょう。一方、エサについてはそれほど心配いりません。金魚はエサを1~2週間程度食べなくても大丈夫です。むしろ、エサのやりすぎによる水質悪化が懸念されるので、部屋をあける前にはいつも通りにエサをあげておけば問題ありません。

金魚を持ち帰らないという選択肢も検討しよう!

人によってはどうしても金魚を家に持ち帰りたくない、世話をする自信がないという人もいるでしょう。そういったときは、金魚すくいのお店に金魚を返しても問題ありません。また、金魚を欲しがっている人がいれば、譲ってもよいでしょう。注意したいのは、すでに金魚などを買っている人に、世話を押し付けてはいけないということです。お祭りの金魚は、弱っているばかりでなく病気を患っている可能性もあります。大切に世話している水槽にお祭りの金魚をいきなり入れると、水槽中に病気が蔓延し、最悪全滅するかもしれません。先方から飼ってもよいと言われた場合を除いて、安易に金魚を押し付けるのはやめましょう。

また、トイレに金魚を流したり、田んぼや川に放流したりするのもやめてください。金魚がかわいそうというばかりではなく、自然の生態系を壊す可能性があるためです。家に持ち帰った金魚には責任をもち、大切に育てましょう。

お祭りの金魚でもポイントを抑えれば長く飼える!

お祭りの金魚でも、適切なお世話をすれば長く育てられます。なるべく早くカルキを抜いた大量の水の中に放ち、水温やエサの量に注意して育てましょう。金魚をきっかけに、アクアリウムに目覚めた人もいます。まずは金魚で飼育の基本を学び、慣れてきたらほかの熱帯魚などにも挑戦してはいかがでしょうか。

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