思わずグッと引き込まれる!音楽に関わるおすすめドキュメンタリー3選

2016年7月11日

現実は小説より奇なりと言いますが、どんなに上手に作られた物語よりも実際にあった出来事はそれだけで胸を強く打たれたり、刺激を受けたりするものです。そこで、今回は思わず引き込まれる音楽に関わる真実を追ったドキュメンタリーを3つご紹介します。

音楽にも悲しい歴史あり!ナチス政権獲得後のベルリン・フィルハーモニーの実態に迫った「Reichsorchester(帝国オーケストラ)」

ドイツの首都ベルリンに本拠地をおくベルリン・フィルハーモニーは、1882年に創設され現在でも世界中で広く活躍している歴史あるオーケストラです。世界最高峰オーケストラとも言われているベルリン・フィルハーモニーですが、その長い歴史の中ではドイツの歴史を語る上で忘れることができないナチス政権の時代を通ってきたという事実があります。いまだに多くの方の心に焼き付いている重い歴史の中を生き、深く関わりをもったベルリン・フィルの姿を当時の団員たちの証言や当時の映像とともに映し出したドキュメンタリーがエンリケ・サンチェス=ランチ監督の「Reichsorchester(帝国オーケストラ)」です。財政的に厳しかったオーケストラの運営を救ったナチスの下で、団員たちはナチスの支援者や宣伝役として活動していたという事実とともに、音楽という美しく自由であるべき表現が政治的弾圧と思想に利用されていた実態が明かされています。特に音楽好きには非常に衝撃的なドキュメンタリーとなっていますが、これも歴史的事実であると思って一度ぜひ見てみてはいかがでしょうか。

音楽界の縁の下の力持ち!さまざまなピアニストたちを支えるピアノ調律師の姿を追った「Pianomania(ピアノマニア)」

2009年にオーストリアとドイツの合作ドキュメンタリー映画として公開され、さまざまな賞を受けた作品が、コンサートなどで使用されるピアノの調律を専門とする一人のピアノ調律師の仕事を追った「Pianomania(ピアノマニア)」です。普段、裏方として表舞台に出る機会がないものの、ピアノを演奏するシーンでは欠かすことができない大切な存在であるピアノ調律師が高い音楽を作り出したいという想いからさまざまな要望を突きつけるピアニストたちの期待に応えるべく細やかな調整と、時に解体まで行い対応する姿はまさにプロフェッショナルそのものと言えるでしょう。このドキュメンタリーの主役となるピアノ調律師シュテファン・クニュプファーはピアノのトップブランド、スタインウェイのトップ調律師です。そんなプロの中のプロの仕事ぶりやこだわりをじっくりと見て知ることができるこのドキュメンタリーは音楽好き、特にピアノに関心の高い方には必見の映画と言えるでしょう。

音楽は人の心をも動かす!イギリスBBCの人気シリーズ「The Choir(ザクワイア)」

イギリスBBCで製作され、日本でも放送され人気を集めたドキュメンタリーシリーズ「The Choir(ザクワイア)」は、ロンドンの交響楽団に勤めていたイギリス人のGareth Malone(ギャレス・マローン)先生が、さまざまな理由により心を痛めている人たちを音楽を通して明るく前向きに変えていく姿を追ったドキュメンタリーシリーズです。
危険と隣り合わせとなるアフガニスタンへの任務のために夫を送り出す妻たちが、その不安な日々により自らの自信をも失っている現状に変化を与えさせるべく妻たちだけで結成した合唱団を立ち上げたり、病気や家庭環境、反抗期などにより心に悩みを抱える男子校の子供たちに合唱の素晴らしさと達成感を通して自信を持たせようと挑戦し続けたりと、奮闘を重ねる先生の姿には見ているだけで魅了されてしまうことでしょう。音楽により変わっていく人々の姿やそれぞれの大舞台で歌う感動的なラストには思わず涙が溢れてしまうかもしれませんよ。

音楽好きならすべてを知っておきたい!魅力ある音楽のさまざまな面を知れるドキュメンタリー

物ごとは、その背景や影響力を知っていることでさらに奥深く魅力を感じることができるようになります。音楽の歴史やそれを支える人々、音楽の影響力を知ることで今目の前にある音楽の良さだけではなく、より一層音楽の魅力を知ることができて、さらに深みをもった音楽を楽しめるようになることでしょう。音楽を聴く前、ちょっと時間ができた合間に音楽を深く知ることができるドキュメンタリーも楽しんでみてはいかがでしょうか。

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