テクノやハウス!クラブミュージックのジャンルの違いと関連性

2016年8月4日

世の中にはさまざまなジャンルの音楽があり、私たちの生活に潤いを与えてくれますが、中には違いがよく分からないジャンルがあります。例えば、テクノとハウスです。それに、エレクトロやユーロビートやEDMなどのクラブミュージックのジャンルはどれも似ていて混乱している方も多いのではないでしょうか?そこで、テクノとハウス及びその他のクラブミュージックについて、それぞれの違いがどこにあるかをまとめてみました。

音楽的な区分が難しいテクノとハウス

クラブミュージックに興味を持ち始めると大半の人が抱くのが「テクノとハウスミュージックの違いって何?」という疑問です。しかし、これに明確に答えるのは困難です。なぜなら、多岐にわたるクラブミュージックのジャンルは互いに影響を受け合い、その境界線は非常に曖昧だからです。それでも、強いて説明をするならば、テクノは基本的にボーカルがなく、シンセサイザーを中心としたリズム的制約が少ないダンスミュージックであり、一方、ハウスはボーカル付きの場合が多く、四分音符で四つ打ちのリズムが基本のダンスミュージックという具合になります。しかし、これはあくまでも傾向に過ぎず、例外は多々あります。

テクノとハウスが成立した歴史的背景

結局、クラブミュージックのジャンルの違いを明確にするには、その歴史や由来を説明するしかありません。ハウスは1979年のシカゴで誕生した黒人音楽で、ソウルミュージックやR&Bから派生したものです。それが80年代後半になるとヨーロッパに輸出され、90年代には4つ打ち中心のスタイルが確立し、現代に至っています。一方、テクノは1980年代の前半にシカゴのハウスがデトロイトに持ち込まれ、エレクトロの影響を受けながら独自の発展を遂げたものです。享楽的なハウスに対してシリアス志向が強いのが特徴で、80年代の終わりにイギリスへと流れ、90年代初頭にはヨーロッパ全土に広がっていきました。このように見てみるとハウスとテクノは密接な関係があり、両者を音楽性の観点から明確に区分できないのがなぜかも分かります。

その他のクラブミュージック

それでは、他のクラブミュージックのジャンルについても見ていきましょう。まず、エレクトロはドイツの電子音楽集団であるクラフトワークの曲をニューヨークのDJ、アフリカバンバータがサンプリングして作ったレコードが起源だとされています。ハウスとヒップホップに影響を与えたミュージック史上重要な意味を持つジャンルで、初期にはエレクトロファンクと呼ばれていました。ただ、音楽としての幅が狭かったために、エレクトロ自身は大きなムーブメントには至らずに今に至っています。一方、ユーロビートも電子楽器を使用したダンスミュージックですが、その起源はイギリスで、1980年代初頭にナイトクラブ人気で高かったハイエナジーというダンスミュージックが元になっています。テンポの速い曲が魅力ですが、ステレオタイプの楽曲が飽きられてブームは短期間で収束していきました。しかし、日本では高い人気を維持し続け、独自の発展を遂げています。最後に、EDMですが、これはハウスやテクノのような歴史を持たない商業色の強いポップなエレクトロミュージックを指しており、2000年代になってその名が広がっていきました。

成立した背景を知るのがジャンルを理解する早道

いずれにせよ、クラブミュージックのジャンルは音楽性の違いだけで判断するのは困難なので、それぞれ成立した背景を把握することが重要です。その上で聞き比べてみれば理解もより早くなるでしょう。

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