日本と海外における寿司文化の発展

2016年11月24日

お寿司は、日本を代表する食文化です。酢飯の上に様々な具材を乗せるスタイルは、外国人からの評判もよく、世界各国で愛されています。ここでは日本の伝統的なお寿司文化と海外で進化し続けるお寿司について紹介していきます。

日本社会におけるお寿司の歴史

現在のスタンダードなお寿司である握り寿司は、江戸時代に誕生しました。それまでは川魚中心の箱寿司が主流でしたが、その場で握って食べられる握り寿司の手軽さが庶民に受けて、人気に火が付きました。
また屋台で手ごろな値段で提供されていたことも、庶民に親しまれた理由の一つです。その後、第二次世界大戦期の食糧難によって、お寿司は高級食材として位置づけられるようになりました。高度成長期には、回転寿司やテイクアウトなど、様々なスタイルのお店が登場します。そして現在、ファミリー向けのリーズナブルなお店から、カウンタータイプの高級寿司店まで、そのあり方は多様化しているのです。

海外で独自に発展したお寿司たち

日本の伝統的な食であるお寿司は、海を渡り、海外で独自の発展をしてきました。中でも、アメリカで考案されたカリフォルニアロールは有名です。カリフォルニアロールは、カニ風味のかまぼこ、アボカド、きゅうりなどの具材を巻いたお寿司となっています。
海外のお寿司の特徴としては、海苔が目立たないように調理されている点が挙げられます。黒々とした海苔は、海外ではなじみの少ない食材で、苦手意識を持つ人も少なくありません。そこで海苔を内側に巻き込み、その国々で食べなれた食材を使ったお寿司が、作られています。

逆輸入と新しい寿司文化の誕生

最近では、海外で考案されたお寿司が日本に逆輸入されるケースも生まれています。特にお寿司をケーキの形にデコレーションした「ケーキ寿司」は、その華やかな見た目が人気となり、ホームパーティーでも定番の一品です。このように、海外から影響を受けた新しい寿司文化が、育まれつつあります。
それと同時に、日本の伝統的なお寿司を広める活動も積極的に行われています。海外の寿司店の中には、おにぎりをお寿司として提供しているようなお店も少なくありません。そういったお店も、お寿司という言葉を知るきっかけとしては大切ですが、間違った認識が広がる危機感もあります。
海外の創作寿司と伝統的な日本のお寿司が、バランスよく共存できる環境が求められているのかもしれません。

日本の伝統的な食であるお寿司は、日々進化しています。グローバル化が進む現代社会においては、寿司文化も日本で作られるものだけでなく、海外のお寿司から学び吸収していくことが大切といえるでしょう。
今後も日本の伝統を発信することで、今後も新しい寿司文化が形成されていくことでしょう。

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