今日から始めるブランデー入門

2016年11月24日

ブランデーに似合うシーンとはどのようなものでしょうか。老境に近い紳士が自宅で密かにたしなむ飲み物といったような、何となく大人のお酒のイメージが強いかもしれません。このイメージは映画『ゴッドファーザー』(アメリカ映画、1972年)から来ているようです。マーロン・ブランド扮するイタリアン・マフィアの首領ドン・コルレオーネ。彼が眉間に皺を寄せながらブランデーを飲むシーンが非常に印象深く、それが決定的だったように思われます。しかしながら、そのようなブランデーにも様々な種類があります。原料や飲み方にも個性豊かな広がりがあるのです。

ブランデーとワインの違い

ブランデーは主原料の違いで、大まかに二つに分かれます。ワインと同じようにぶどうから出来るグレープブランデーと、その他の果実から作られるフルーツブランデーです。ぶどう系は主に白ぶどうを原料とするものと、ワインの製造過程で得られるぶどうの搾りかすから作られるブランデー(滓取りブランデー)があります。ワインとぶどう系ブランデーの製造工程上の大きな違いは「蒸留」です。ブランデーの蒸留過程では糖分より酸味の強さが重視されるため、糖分を重視するワインとは異なる種類のぶどうを使います。

ブランデーの飲み方あれこれ

ちょっと大きめのブランデー・グラスを静かに回しつつ、その香りを楽しみながらゆっくり味わう飲み方。これは「コルレオーネ風」のブランデーの楽しみ方と言えますが、その他にも様々な飲み方が出来るのがブランデーの奥深いところです。香りや味わいを楽しむのなら、確かにストレート系はおすすめです。とは言え、ブランデーをベースにして様々なアレンジを加えた飲み方も多数あります。
「ニコラシカ」は、リキュールグラスに注いだブランデーと砂糖をまぶしたレモンの輪切りを同時に楽しむ飲み方。ストレートな香りと味わいに柑橘系の酸味と砂糖の甘みを加えた、口直しに供される一杯です。もし、炭酸割りがお好みなら「ブランデー&ソーダ」ですっきりした味わいを。19世紀ころのイギリス、特にロンドンの上流社会で楽しまれいた由緒ある飲み方です。「ブランデー・スプリッツァー」も炭酸割りの代表格ですが、これはワインではよく知られたスプリッツァーのブランデー版。最近では柑橘系フルーツ入りのものもあり、炭酸と相まってすっきりした味わいを楽しめます。
ちょっと気分を変えたいときには、燃えあがる炎とともに楽しむ「カフェ・ロワイヤル」もあります。スプーン(先端がカップに引っかかるようになった「ロワイヤル・スプーン」を使うと本格的)に載せた角砂糖にブランデーを染み込ませ、火を付け、溶けたところで、コーヒーに落として楽しみます。ナポレオンが好んだ飲み方でもあり、炎の青さが際立つように、照明を落とし気味にするのがポイントです。
その他にも、オン・ザ・ロックスや水割りはもちろん、ホット・ブランデー(要するに、お湯割り)などでも、様々な香りと味わいのバリエーションが楽しめます。ブランデーなどの蒸留酒は、ビールなどと比べてアルコール分が高めです。水・ソーダ・お湯などで割って飲むことが多いのですが、これは二日酔い対策になる賢い飲み方と言われています。

まとめ

以上、ブランデーの世界の一端を覗いてみました。ビールやワインに比べると、まだまだ敷居が高そうなイメージのブランデー。もちろん一本数十万円の有名な高級ブランデーもありますが、数千円台で購入可能な比較的安価なものも多く出回っています。百貨店や酒屋はもちろん、最近では量販店やネットショップでも購入出来ます。様々な選択肢から、まずはとにかく試してみる、というのがブランデー入門の第一歩かもしれません。

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