カーメンテンスの必要性と主なチェックポイント

2016年11月24日

現代の自動車の進化には目を見張るものがあります。しかし、それに反比例するように、人々のカーメンテナンス対する関心は薄まり、それによるトラブルの増加が危惧されています。しかし、もっとカーメンテナンスが必要だと言われても、実際問題、どこをどうチェックしていいのか分からない人も多いでしょう。そこで、最低限チェックしておくべきポイントをご説明します。

エンジンの破損を防ぐためのエンジンオイルと冷却水

エンジンオイルは潤滑油としてエンジンをスムーズに動かすと同時に、サビの防止、汚れの洗浄、エンジンの冷却などさまざまな役割を果たしています。ただ、エンジンオイルも少しずつ劣化するため、定期的に新しいものと交換する必要があります。もし、そのままにしておくと、次第に燃費が悪くなり、焼き付けを起こし、最後にはエンジンが壊れてしまうでしょう。中には、「エンジンオイルなら2年の1度の車検の時に交換してもらっているから大丈夫」と思っている人がいるかもしれません。しかし、エンジンオイル交換の目安は、走行距離にして約3000キロ~5000キロです。そして、たとえ車を走らせていなくても半年に1度程度はオイル交換が必要なため、2年に1度ではエンジンの劣化は確実に早まってしまいます。わずかな手間や出費を惜しんで、修理に数十万円もかかってしまったとなっては本末転倒です。また、エンジンオイルと同じように、エンジンを冷却する役割のものとして冷却水があります。LLC(ラジエーター用冷却液)に水を混ぜたもので、適正濃度は20~60%です。濃度を間違えるとエンジンがオーバーヒートを起こしたり、冬場に配管が凍結して破裂したりする恐れがあります。その一方で、冷却水はエンジンオイルと違って劣化しないため、交換そのものは車検ごとで十分です。

存在が忘れられがちなオートマチックオイルとブレーキオイル

オートマチックオイルはエンジンオイル以上に交換を忘れがちです。それどころか、その存在さえ知らない人がいるほどです。このオイルはすべてのオートマチック車に使用されており、ギアチェンジをスムーズに行う役割を果たしています。そして、オイルの劣化は燃費の悪化や変速ショック、加速不足などを招きます。オートマチックオイルの交換の目安は走行距離4万キロ程度ですので、車検の時に交換すれば十分です。ただし、一度ですべての交換はできないので、数回に分ける必要があります。また、ブレーキオイルも存在を忘れられがちなもののひとつです。しかも、少しずつ劣化していっているため、長期間交換をしないでいると、突然ブレーキが効かなくなって事故を起こす可能性が高まってきます。おおよその目安として、車検2回につき、1度は交換しておきたいものです。

突然自動車が動かなくなるバッテリーの寿命

自動車のバッテリーは蓄電池の一種で、エンジンを始動させるために使われています。ただ、電気を放電し続けているだけでは電池はすぐに空になってしまいます。そこで、エンジンの回転の力でオルタネーターが発電を開始し、その余った電力でバッテリーを充電するというシステムを採用しているのです。この方式なら永続的に使っていけそうですが、バッテリーは充電と放電を繰り返すうちに弱ってきます。その寿命はおおよそ2年から5年ほどです。しかし、あまり自動車に乗らない場合や乗っても短距離だけだと充電が十分にできずにバッテリーへの負担が大きくなり、極端に寿命を縮めてしまう可能性があります。車のキーを回してもセルフ―モーターの回転音が鈍くなったり、パワーウィンドの動きが鈍かったり、あるいは、バッテリーが液漏れを起こしていたりした場合は交換時です。急に、自動車が動かなくなって困らないように2、3年を目安にテスターによる電圧点検を行いましょう。

トラブルを招くマイカーへの無関心

以上がカーメンテナンスの主なチェックポイントですが、他にも、タイヤのひび割れやブレーキパッキンの摩耗など、そのまま走っていると事故につながりかねない劣化現象は数多くあります。日本車の安全性がいくら高いといっても、それはちゃんとメンテンスを行っていての話です。自動車に対する無関心は事故や高額な修理代につながることをしっかり理解した上で、カーメンテンスについて見直しをしてみましょう。

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