車を安全に走らせるために!適切なタイヤ交換時期と要注意ポイントの見極め方

2018年2月1日

車によく乗っていながらタイヤの状態に対しては無関心という人がいます。下手をすると、他人から指摘されるまでタイヤの劣化に気付かないということもあるほどです。しかし、状態の悪いタイヤで走るのは非常に危険な行為であり、大事故につながる可能性があります。無用な事故を未然に防ぐためにも、適切なタイヤ交換の時期やそれを見極めるポイントなどについて解説していきます。

要チェック!タイヤの交換時期を示すサイン

タイヤ交換の時期を知る方法はいくつかありますが、最初に確認してほしいのはタイヤの側部に刻まれている刻印です。そこにはタイヤのサイズや扁平率などの情報に混じって製造年週が表示されています。4桁で表示されている数字です。たとえば、「1417」という表示があれば、それは2017年の14週目に製造されたことを意味します。ちなみに、2000年以前に製造されたタイヤは3ケタ表示になっており、「019」なら1999年の1週目に製造されたタイヤであることを示しています。(※1)

タイヤの寿命は3~4年といわれているため、少なくとも4年が過ぎていればタイヤを交換したほうが良いでしょう。たとえ走行距離が0キロのタイヤでも、ゴムの経年劣化によってひび割れなどが目立つようになるからです。その状態で走り続けると、走行中にタイヤが破裂するバーストと呼ばれる現象を起こす可能性が高くなり、大事故につながりかねません。

そして、次に確認してほしいのがタイヤのスリップサインです。スリップサインとは、タイヤの溝の中にある盛り上がった箇所のことであり、摩耗が進んで溝の深さが1.6ミリになるとドレッド面とスリップサインが同じ高さになります。そして、この1.6ミリというのが車検における合否ラインです。ただし、1.6ミリはあくまでも最終限界点であり、実際は溝の深さが3.2ミリを切るとタイヤの性能が目に見えて落ちてきます。

特に、濡れている道路を高速走行した際のブレーキ性能の低下が顕著です。したがって、溝の深さが3.2ミリを切ればタイヤの交換を検討したほうが良いでしょう。(※2)また、ひび割れ、キズ、亀裂なども重要なサインとなります。特に、タイヤの側面にしわのように見えるひび割れがあった場合は要注意です。さらに、タイヤの横が盛り上がった状態になっているのは、ピンチカットといってタイヤ内部のコードが切れている状態です。バーストを起こす可能性があり、非常に危険なので早急にタイヤを交換してください。(※3)

意外な落とし穴!走る道路や車種によって異なるタイヤの劣化速度

タイヤの寿命は3~4年といわれていますが、それはあくまでも目安であって実際はさまざまな要素によって大きく変化します。たとえば、街乗りの車は毎日高速道路を走っている車に比べてタイヤの寿命は短い傾向があります。普通は逆だと思われがちですが、直線コースの多い高速道路よりもハンドルを切る頻度の高い一般道のほうがタイヤにかかる負荷は大きくなるのです。特に、信号が多くて止まったり走ったりを繰り返す都市部では、その負荷はより過酷なものになります。そのため、都会に住んでいて買い物や通勤で毎日車を使っている人は、タイヤの劣化にはより一層気をつけなければなりません。

さらに、タイヤの劣化速度は車種によっても変わってきます。なかでも特に要注意なのが、軽自動車やハイブリッドカーなどです。セダンの場合、前後の重量比はほぼ1:1ですが、軽自動車やハイブリッドカーは重量比が7:3程度のものが多く、車体の前半分により大きな負担がかかってしまいます。つまり、前輪のタイヤがすぐに劣化してしまう可能性が高いのです。こうした車に乗っている人は特に前輪タイヤの状態をこまめにチェックするようにしましょう。

季節によるタイヤの使い分けが事故を未然に防ぐ!

タイヤのトラブルを未然に防ぐには、季節によってタイヤの種類を変えていくことも大切です。冬はスタッドレスタイヤを使う人が多いですが、このタイヤは雪道や凍結道路には強くても熱に弱いという欠点があります。それに加え、乾燥した路面を走るとタイヤのすり減りが激しくなってしまうのです。真夏の道路を長時間走ればかなりの熱を持ってしまい、ゴムのすり減りや亀裂がある場合にはバーストの引き金にもなりかねません。(※4)

一方、夏用タイヤは外気温が7度を下回るとゴムが硬化して路面に対するグリップ力が低下してしまいます。以上の点を考慮すると、春の陽気に汗ばむようになれば夏用タイヤを取り付け、秋が深まって肌寒さを感じるようになった頃にスタッドレスタイヤに付け替えるのが、事故を防いでタイヤの劣化速度を弱めるコツだといえるでしょう。(※5)

車検時にはタイヤ交換について検討しよう!

安全運転のためにはタイヤのチェックが大切だといわれても、ついついそれを怠ってしまう場合があります。また、素人目には大丈夫と思っていても、実は交換の必要があるケースもあるかもしれません。そこで、重要になってくるのが車検です。タイヤ交換の目安は4年に1度ですが、車検は2年に1度です。

それに、当然タイヤの点検もしてくれます。使い方によってはタイヤの寿命が短くなる可能性もあるため、交換を検討するには良い周期ではないでしょうか。すぐに交換する必要がなくても、劣化の度合いによっては次の車検より前にタイヤを変える必要がでてくるかもしれません。普段あまりタイヤのチェックをしない人でも、車検のときだけはタイヤの交換について検討するのを忘れないようにしましょう。それだけでも事故の可能性をかなり低くすることができるはずです。(※6)

タイヤをこまめにチェックして快適なカーライフを目指そう!

車は多くのパーツによって構成されていますが、そのなかでも直接路面に触れているのはタイヤだけです。そのため、車の安全性の多くがタイヤの状態にかかっていると言っても過言ではありません。一方で、タイヤは決して安いものではないため、あまり頻繁に交換していると多額の費用がかかってしまいます。

そこで、大切になってくるのがタイヤ交換時期の見極めです。タイヤの点検は慣れてしまえばそれほど難しいものではありません。定期的な状態チェックを習慣づけ、安全で快適なカーライフを送れるようにしていきましょう。

▼参照URL
※1.【DUNROP】タイヤの基礎知識 タイヤサイズ、表示の見方を知ろう 基礎知識2タイヤサイズ、表示の見方
※2.【高価買取・格安販売トラック王国★ジャーナル】タイヤのスリップサインの見方を写真でチェック!車検不合格の限界は溝何ミリ?
※3.【クルマ、まるごと。グーネット】タイヤ交換の時期(寿命)の目安と見極め方
※4.【クルマパーツ、まるごと。グーパーツ】ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの違いと見分け方
※5.【LHmagazine】夏用タイヤから冬用タイヤ、冬用タイヤから夏用タイヤへの交換時期はいつ?保管サービスも有効活用しよう!
※6.【carby】タイヤ交換の目安|車検/走行距離/溝/スリップサイン/年数

ライタープロフィール
HM
【HM】
地方の大型古書店に17年間勤務。退職後はwebライターとして活動中。書を漁って知識を広めていくのが好きだったため、その経験が活かせる書籍レビューの他、健康、介護、就職活動など幅広いジャンルを手掛けています。
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