2種類の原付バイクにおける1種と2種の違い

2016年11月24日

原付バイクは日常の手軽な足として重宝されています。自動車を出すほどでもない、近距離の移動手段として非常に便利です。ところで、原付バイクには1種と2種というふたつのタイプが存在しています。原付バイクと言えば、普通は50cc以下のバイクを指しますが、道路運送車両法では、50cc以下のバイクを第1種原動機付自転車、51cc以上125cc以下のバイクを第2種原動機付自転車と定めているのです。一体、1種と2種では何が違うのでしょうか。そこで、ふたつを比較し、それぞれのメリットとデメリットについてご説明します。

免許の取得が容易な原付1種

原付1種の利点はなんと言っても免許の取得が簡単な点です。自動車免許を取得すれば付帯免許として自動的についてくるので試験自体が不要ですし、自動車免許を持っていなくても実技試験は必要ありません。視力、聴力などの適性試験を通過し、30分の学科試験を受けて9割以上正解すれば合格となります。後は2、3時間ほどの原付技能講習と取得時講習を受ければ免許が交付されます。総費用は1万円かからない程度です。それに対して、原付2種は他のバイクと同じように、学科試験の他に技能試験に合格する必要があります。自動車免許をもっていれば学科試験は免除されますが、それでも教習所に通うと7、8万程度の費用がかかります。なぜ同じ原付バイクなのにここまで差があるかというと、実は、原付2種が第2種原動機付自転車と呼ばれているのは、あくまでも道路運送車両法の中だけだからです。道路交通法の中では51cc以上125cc以下のバイクは小型自動二輪車に分類され、原付バイクとは別物という位置付けなのです。

維持費は両者ともにリーズナブル

それでは、原付1種と原付2種の本体価格には、どの程度の差があるのでしょうか?もちろん、値段は車種によっても変わってきますが、目安としては原付1種が10万円~20万円、原付2種が15万円~30万円といったところです。基本的には、原付1種の方が安いわけですが、よく探せば格安の原付2種も存在します。次に維持費です。まず、自賠責保険や任意保険などの保険料は両者とも同じです。自動車税も1種が年間2000円で2種も90cc以下は同額の2000円、125cc以下でも2400円と大きな差はありません。車検にいたっては受ける義務がないので両者とも0円です。また、燃費に関しても、第1種の方がよいのは確かですが、ほとんど気にならないレベルです。以上の点をまとめると、免許取得時とバイク購入時は、1種の方が合わせて10万円~20万円ほど安くてすみます。しかし、その後の維持費はわずかに1種の方が安いものの大きな差がないということになります。少なくとも、本体で40万円以上、維持費で年間数十万円必要な中型や大型バイクに比べると両者とも十分にリーズナブルな価格です。

原付1種のデメリット

ここまで見る限りにおいては、原付は1種の方がお得なように感じます。しかし、実際に1種を公道で走らせてみると2種に比べてデメリットが多いことに気づきます。まず、制限速度は2種が時速60キロに対して1種はわずか30キロです。これでは、交通量多い道を走る場合、車の流れに乗れず、非常に走りづらいといという問題が起こります。そのため、他のバイクのように車道の真ん中を走ることはできず、常に左側端を走ることになるのです。それに、1種では法律で2人乗りが禁止されています。さらに、1種は片側3車線の道で右折する際には、原則として2段階右折が義務付けられています。このように、原付1種は他のバイクと比べ、走行面においてさまざまな制限がかけられているのです。

それぞれの長短所を踏まえた選択が大切

原付1種と原付2種はいずれも安価で、近距離の移動手段として使うには非常に便利です。しかし、免許の取りやすさとより安さにこだわるなら1種、走行時の自由度にこだわるなら2種と、それぞれに異なったメリットがあります。したがって、原付を購入する際には、それぞれの長短所をよく把握した上で検討するのが賢明です。

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