社会問題の意外な余波?鳥の里親制度とは?

2016年11月24日

ペットの里親と聞くと犬や猫を想像する人は多いかも知れませんが、実際にはさまざまなペットの里親が募集されており、鳥も高い割合を占めています。しかし、その実態や背景を知ると考えさせられるものが見えてきます。

鳥の里親とは?

鳥の里親とは、何らかの事情があって飼育が困難になった鳥の新しい飼い主になることです。
里親募集で新たな飼い主を求める鳥は、NPO法人を中心にさまざまな団体に保護されているのが一般的です。WEBサイトを通じて里親を募っているところが多く、その斡旋を行っています。また、サイトによっては飼育できなくなった人が里親を募集できるシステムを設けているところもあります。
鳥が保護される理由は主に2つに分けることができます。1つは何らかの理由で逃げ出してしまい、帰れなくなったというパターンです。スズメやハトといった野鳥であれば、ケガをして動けないものや親鳥からはぐれたヒナを各行政で保護し適切に自然に帰すなどの対処が義務づけられています。しかし、ペットとして飼われている鳥は該当しません。そのため、保健所で預かることはあっても飼い主がいないと最終的に殺処分されることもあります。そしてもう1つは、飼い主の事情で飼育できなくなったというものです。

里親募集の理由と懸念される問題

逃げてしまった鳥の場合とはやや事情は異なりますが、問題は飼えなくなってしまうことです。
その理由にはさまざまなものがあります。飼い主の病気やケガなどやむを得ない事情で世話ができなくなることも少なくはありません。また、子供の誕生など新たに増えた家族に動物アレルギーが確認された場合や、引越しなど住居の事情も理由として挙げられます。
どちらも飼い始める時には予測しにくい事態で、やむを得ない事情です。こうした理由で飼えなくなった人の多くは、知人に譲渡するか、または、飼ってくれる人がいない場合には里親募集のサイトを利用しています。
そして、それよりも増えているのが高齢を理由に手放す人です。これは、犬や猫に対しても見られる問題で殺処分に繋がることでもあり、ペットに関心の高い人達の間では高齢の単身者が新たに飼うことについて懸念する声も出ています。
鳥は犬のように散歩の心配もなく、容易に飼いやすいという印象はありますが、高齢になってから飼うことは適切な餌やりなど十分な世話ができない可能性も高くなります。また、急病や介護施設への入居といった生活の変化で飼育が継続できなくなるといった問題も考えられます。大型のインコの中には、寿命が20年〜50年という意外に長いことも知っておきましょう。

まとめ

鳥に限らず、ペットを飼う時には一生飼い続けることが前提です。飼いたいペットの寿命を考えて、自分が最後まで十分世話をできるかを考えて飼いましょう。途中で飼い主が変わることで人間に不信感を持つペットもいます。なつかないことで再び捨てられるといった不幸な結果を招くことは珍しくないのです。鳥も同様であることを考えて飼いたいですね。

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