介護や認知症についての疑問を解消!介護にかかるお金は?認知症かもしれないときにはどうしたらいいの?

2017年12月21日
介護や認知症についての疑問を解消!介護にかかるお金は?認知症かもしれないときにはどうしたらいいの?

介護の始まりは突然やってくるもの。脳梗塞や認知症、あるいは事故など、家族が高齢になるほど様々なリスクに備えが必要です。しかし、誰でも始めは何をどうしたらいいか戸惑ってしまいます。そんな時にも落ち着いて、家族みんなが快適に過ごすために大切なポイントについて説明していきます。

明日から介護が必要。そんな時に困ること、利用したい公的制度

介護をする人が不安に感じることと言えば、家事や仕事との両立、身体的・心理的な負担も当然ありますが、やはり一番は「お金」に関することのはずです。「介護にかかるお金はどれくらい?」「ヘルパーを呼んだ時の費用は?」「仕事に支障が出たら、生活費はどうしよう…」介護が長引くほどに、お金の不安は膨らんでいきます。そうした疑問は早めに解消して、安心して介護生活を送りましょう。

まず自宅で介護を行う場合、介護費用は総額で数百~数千万円に上ると言われています。内訳には、例えば自宅をバリアフリーにする費用や車いす等の購入費、月々のヘルパー代、紙おむつなどの介護用品代が含まれます。さらに介護によって働けなくなれば、その分収入は減少してしまいます。

介護費用は介護を行う人にとって大きな負担になりますが、公的な補助制度をうまく利用すれば軽減できるかもしれません。例えば日本では、国民は40歳になると国の介護保険に加入し、介護が必要と市区町村が判断した場合には様々なサービスを受けることが可能です。要介護度によって受けられるサービスは異なりますが、例えば入浴や食事の世話をしてくれる訪問介護や、リハビリなどを行ってくれる訪問看護を自己負担額一割で利用することができます。さらに車椅子や介護ベッドなどの福祉用具のレンタル料も1割負担で済むため、購入するよりもかなり出費を抑えることができるでしょう。

また働きながら介護をする人には、雇用保険から「介護休業給付金」が支給されることもあります。これは介護を理由に勤め先を休んでも賃金の何割かを受け取れるようになる制度で、65歳以下で2週間以上つきっきりで家族の介護をしなければならない人が対象です。さらに、多くの自治体で介護をする人へ手当を支給する「家族介護慰労金」制度が導入されています。こうした制度は主に市区町村の福祉課などで案内を受けることが出来るので、介護が必要になったらまず初めに相談してみましょう。

認知症は早めの発見がカギ。初期症状はどんなものがある?

家族が高齢になるほど、「もしかしたら家の親も?」と疑ってしまいがちになる病気が「認知症」。事実85歳以上の約4分の1が認知症を発症しているとされています。よって誰にとっても認知症は他人事ではなく、初期症状を早期に発見するためには、いつも高齢者の言動に注意を払っておくことが大切です。認知症の早期発見は早期の治療だけでなく、将来的に必要な介護の負担が減ることにも繋がります。なぜなら、近年認知症の進行を遅らせる薬の研究が進んおり、早めに使用を開始すれば症状を軽く、進行を緩やかにすることも可能になってきているためです。

認知症の初期症状は、例えばよく挙げられるように「物忘れが激しくなった」「同じことを何回も繰り返す」ことなどです。また、「言葉が出てこない」「今まで出来ていたことができない」という傾向も認知症の高齢者によく見られます。これらは脳が委縮することで起きる「アルツハイマー型認知症」の典型的な症状です。しかし、初期の認知症は単なる老化現象と混合されてしまうことが多く、周りの人は認知症と気づきにくいため、早期発見は簡単ではありません。加えて本人が自分を認知症と認めようとしないために病院に行くのが遅れ、症状が悪化してから診断されることもよくあります。

また、認知症は近年様々なタイプがあることが分かってきました。例えば「レビー小体型」はうつや幻視、パーキンソン病、「脳血管性認知症」は軽い記憶障害が主な症状です。レビー小体型はうつそのものなどと間違われやすく、脳血管性認知症は脳梗塞が原因になるため、アルツハイマー病よりも更に発見が難しいと言えます。

認知症を進行させない!早期発見のコツは?

認知症を早期発見するには、信頼できる医師に早めに相談することがポイントです。脳と認知症に詳しければなおさら良いので、かかりつけの病院へ通院した際に、紹介してもらえないか頼んでみましょう。

本人が認知症の検査を受けたがらない場合にはどうしたらいいのでしょうか。よくありがちな失敗は、本人に「認知症かもしれないから、検査を受けてみよう」と言ってしまうこと。自分を認知症だと思いたくない人にとってこれは逆効果なばかりか、本人のプライドを大きく傷つける言葉です。

そんな時は、例えば「周りで認知症検査を受けている人が多いみたいだから、一度行ってみたら?」と声を掛けてみましょう。大切なのは悩んでいるのが自分一人だと思わせないこと、認知症を疑われるのが恥ずかしいことではないと思ってもらうことです。

介護生活はお互い快適に。先の見えない日々を乗り切る方法は?

先の見えない介護はする側、される側両方に負担が大きいもの。悩んで思い詰めてしまう前に、まずは色々な人や制度を頼ってみましょう。家族以外の誰かに話を聞いてもらうのも良いかもしれません。「孤独にならないこと」が介護を続ける大切なポイントです。

▼参考サイト
https://info.ninchisho.net/qa270/pre10
https://athome-kaigo.jp/dementia-visits

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