債務整理を行ってもブラックリストに載らないケースとは

2018年1月24日

債務整理は消費者金融等の借金を整理して暮らしを立て直すのに適した手段ですが、事故情報が残ることでその後の生活に制限が加わります。ここでは、信用情報機関に記録されることのない債務整理の方法について紹介していきます。

債務整理で生活を立て直す

返済困難な借金を抱えてしまった場合、その状態を続けていると度重なる督促に生活を脅かされたり、家族に迷惑がかかったりします。これを解消するには、債務整理を行ってきちんと借金を整理し、生活再建を図るのが最善の方法です。

債務整理の手法としては、自己破産がマスメディアなどを通じてよく知られています。他には任意整理や個人再生など、債務の種類や額、生活状況等に応じてそれぞれ適したやり方があります。いずれの方法にせよ、返済不可能な分の借金については今後は返さなくても良いと債権者から認めてもらうことで、生活に平穏さを取り戻し、人生の再スタートを切るためのきっかけとなるでしょう。

ただ、債務整理を行うに際しては、気をつけておくべきことが1つあります。それは、原則として債務整理に着手すると金融業者のブラックリストに載ってしまうということです。

金融業者のブラックリストは存在するか

ブラックリストと言っても、現実にそのようなリストが存在するわけではありません。実際には、信用情報機関における事故情報の通称としてブラックリストという言葉が使われています。
信用情報機関とは、金融商品の利用者に関する情報を収録・管理している団体です。2017年現在、日本にはJICC・CIC・KSCという3つの団体が存在し、多くの消費者金融業者や信販会社、銀行などが加盟し、利用者情報を共有・相互利用しています。

借金を長期にわたって滞納したり、保証契約に基づいて保証履行がなされたりすると、その事実が信用情報機関の持つ利用者リストに登録されます。これを事故情報といいます。簡単に言えば、要注意人物であるというマークを付けられるわけです。
債務整理の実行もまた、この事故情報に含まれているのです。

ブラックリスト入りがなければ新生活を始めやすい

ブラックリストに載る、すなわち事故情報が掲載されると、その情報が直接借金をしている相手以外にも知られることになります。掲載期間は原則として、消費者金融業者や信販会社の場合は5年、銀行の場合は10年です。つまり借金を整理すると、厳しい返済を免れるようになった後も一定期間は事故情報が残り続け、金融業者等がいつでもそれを知ることができる状態となるわけです。

したがって、借金を整理する場合は、ブラックリストに載らない形で手続きを進めるのが良いということになります。ブラックリストに載らなければ、銀行ローンを新規に組む際や、クレジットカードを作る際に事故情報が足かせとなって審査に通りにくくなるといったことがありません。新しい人生をスタートさせるために車を購入したり、カードを新しく作ったりするのに支障がないということは、生活環境をリセットするうえでメリットとなります。

また、生活再建を果たした後で住宅を購入しようとする際も、何年も待たずに済みます。特に学齢期の子供を持つ家庭においては、教育ローンを制限なく利用できることは大きなメリットです。

過払い金整理は事故情報にならない

債務整理を行ってもブラックリストに載らないケースとはどんな場合かというと、過払い金の整理がこれに該当します。
過払い金とは、本来支払う必要がなかったのに、貸金業者に対して支払った利息のことをいいます。

貸金業における利息については、法律によって上限が定められています。しかしこの法律には解釈上あいまいな点があったため、多くの業者が法定利息以上の利息を徴収していたのです。
過払い金は、もともと支払う必要のなかったお金です。したがって、これを整理しても信用情報機関は事故情報として記録しません。そのため、債務整理後に新規の借入れ等を行う際に不利にならないのです。

長期にわたって返済を続けている人は、高い確率で過払い金を支払っているか可能性があります。これを整理すれば、ブラックリストに載らずに借金をきれいにできるだけでなく、場合によっては払い過ぎたお金が戻ってくるというメリットもあります。

ただ、自分がこれまで返済してきた利息に過払い金が含まれていたのかどうか、その額はいくらかといったことを専門知識なしに計算するのはなかなか困難です。また、債務整理にかかる手続きの進め方にも専門的な知識が必要となります。「自分にも過払い金があるかも知れない」そう考えている人は、まずは借金問題に強い司法書士に相談してみるのがおすすめです。契約関係書類や過去の返済状況等をチェックして、債権者との交渉を含めた最適な整理方法について相談に応じ、アドバイスを受けることができます。

まとめ

自分でも知らないうちに過払い金を支払い続けている人の数は意外と多く、きちんと整理することで元本が帳消しになった、返還金を受け取ることができた、というケースは少なくありません。専門家のアドバイスを受けながら整理を進めれば、無用の苦しみから逃れられる可能性があります。

▼参考サイト
※1.【簡単!1分で分かる過払い金|債務整理マニュアル】過払い金とは?

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