家庭教師VS学習塾!中学生の補習に向いているのは?

2018年1月28日
家庭教師VS学習塾!中学生の補習に向いているのは?

中学生の子どもを持つ親にとって、家庭教師探しや塾選びはたいへん悩ましい問題です。教育サービスの多様化が進んで選択肢が広がる一方で、「どれが我が子に最適なのかわからない」と戸惑う人も多いようです。ここでは、家庭教師や学習塾を授業の「補習」として利用するときのポイントについてまとめています。

そもそも補習ってどんなもの?

学習塾や家庭教師を利用する目的は、大きく分けて2つあります。1つは「受験対策」、もう1つは学校の授業の「補習」です。補習とは、学校の授業で理解できなかった部分を復習したり、苦手教科を克服したりするための学習です。(※1)

学校の授業は集団を相手にするものなので、生徒ひとりひとりのペースに合わせることが難しく、授業についていけない子どもがどうしても出てきます。授業の遅れを早めに取り戻すためには、学習塾や家庭教師による補習が役立ちます。補習は高校受験とも無関係ではありません。地域差はあるものの、公立高校の入学試験では学力試験の成績とともに内申書が重視される傾向がみられます。私立高校の推薦入学でも内申点が考慮されます。

内申点には日頃の生活態度や定期テストの成績が大きく影響します。そのため、補習を取り入れることは内申点を上げるのに有効です。各公立高校が入学試験で内申書を重視する割合については、都道府県の教育委員会ホームページなどで確認できるので、事前に調べておくと良いでしょう。(※2)

学習塾と家庭教師の種類と料金の相場を知ろう!

かつて、学習塾といえば「集団塾」が主流でしたが、「個別指導塾」の利用者が増えています。(※3)個別指導塾とは、1人の講師が少数の子どもの勉強を見るもので、「マンツーマン制」と「1対2~3人の少人数制」、「巡回制」の3種類があります。少人数制にはさらに2つのパターンがあり、子どもがそれぞれ個別カリキュラムに従って専用課題に取り組む場合と、学力が近い子どもと一緒に共通の授業を受ける場合に分けられます。(※4)

また、巡回制とは1人の講師が自習をする複数の生徒のあいだを回りながら、質問を受け付ける学習スタイルです。ブースなど、個別自習室が設置されているケースもみられます。巡回制は自習が大前提となるため、補習にはあまり向かない場合もあります。

学習塾は「進学塾」と「補習塾」に分けることもできます。ただし、受験対策コースと補習コースの両方を扱う「総合塾」も多くみられ、塾内でコースを変更したり複数のコースを受講したりできるメリットがあります。「家庭教師」の分野でも、従来型の個人契約に加えて「家庭教師センター」という講師あっせんサービスが広く普及し、認知度を上げています。利用者は、家庭教師センターに登録された講師リストのなかから気に入った人を選んだりできます。個人契約の場合、講師を変えるには契約解除が必要ですが、家庭教師センターなら無料で変更してもらえます。(※5)

では、利用料金の相場はどのくらいなのでしょうか。まとめサイトAllAboutによると、学習塾の月謝の相場は1回2時間とした場合、集団指導(週2~3回)で1万6,000~2万4,000円です。また、少人数指導(週2~3回)では2万4,000~3万6,000円、 個別指導(週1~3回)で1万6,000~4万8,000円となっています。(※6)

「週2~3回」の内容を「教科2~3科目」と想定すると、学習塾で1教科を週1回利用した場合の月謝の相場は、8,000円~1万6,000円程度と考えて良いでしょう。一方、家庭教師の相場は1時間2,000~8,000円ほどです。(※7)1時間2,000円の家庭教師を1回2時間で週2回(2教科)利用すると、月謝は2,000円×2時間×2教科×4週=3万2,000円になる計算です。1時間8,000円の場合では、月謝は12万8,000円と高額になります。家庭教師では、講師が大学生かプロかによって利用料金に差があるのが普通です。また、補習塾の講師には受験テクニックが求められないため、一般の大学生が担当することもよくあり、進学塾よりも利用料金が安くなる傾向がみられます。(※8)(※9)

利用料金は、地域や利用教科数、料金体系などによって大きく変わります。そのため、正式な契約の前に正確な料金を調べておくことが大切です。さらに、教材費や入学金、年会費など、月謝以外の費用がかかる場合もあるので注意しましょう。

学習塾と家庭教師のメリットとデメリットについて知ろう!

集団塾のメリットは、なんといっても利用料金が安いところにあります。子どもにとっては友達と一緒に通える安心感も大きいでしょう。プロ講師が多いため、質の高い授業が受けられる魅力も見逃せません。しかし、自分で学習する習慣が身についていないと、塾が単なる交流の場になってしまうおそれもあります。

また、帰宅が夜遅くになったり食事がゆっくり摂れなかったりと生活のリズムが乱れやすく、防犯上の心配もあるでしょう。家庭教師の最大のメリットは、マンツーマン指導が受けられることです。子どもに合わせたマイペースな学習ができ、わかるまで教えてもらえる魅力があります。集団のなかでは物怖じしてしまう子どもでも、気軽に質問できる環境が作りやすいでしょう。

また、通う必要がないため時間を効率的に利用でき、防犯上も安心です。しかし、一般的に利用料金が高めで講師の質に差が大きく、「当たり・はずれ」があるのがデメリットです。講師との相性が悪いと学習の効果は上がりにくく、個室で行われるマンツーマン指導に子どもが気疲れするケースもあります。(※10)

個別指導塾は、家庭教師と集団塾の良さを取り入れた形態を持ち、自宅に人を招くことなく気軽に個別指導が受けられるメリットがあります。(※11)接待や掃除の心配がないのは、忙しい親にとって大きな魅力です。マンツーマン指導を利用すれば、マイペースで学習を進めることができるでしょう。ただし、個別カリキュラムの少人数制では「自習のくせ」が身についていることがポイントになります。自習ができない子どものなかには、講師が他の子どもの指導に当たっている時間を有効利用できずに持て余すケースもみられます。(※12)

選び方のポイントは?

集団塾のうち、進学塾は受験対策に独自のノウハウを持つことが多く、難関校の受験を考えている場合に最適です。学校の授業がある程度理解でき、他の子どもと切磋琢磨しながら勉強するのが好きな「負けず嫌いな子ども」に向いています。(※8)(※13)

個別指導塾や家庭教師の場合、子どもの理解度に合わせたカリキュラムを組むことが容易です。学校の授業についていくのが難しくて補習が必要な場合や、勉強のやり方そのものが身についていない子どもには、マイペースな学習ができる個別指導塾のマンツーマン指導や家庭教師が向いているでしょう。また、自習ができて自分の課題を把握している子どもなら、集団塾の補習塾や個別指導塾の少人数制も効率的に活用できるといえます。(※8)(※13)

子どもに合ったサービスを見極めよう

2017年に株式会社ベネッセホールディングスが行った調査によると、学習塾や家庭教師などの学校外学習にかかる費用は全学年で中学生が最も多く、3年生でピークとなり、月額平均2万5,900円に達することが明らかになりました。多くの保護者が将来のために「子どもに何らかの習い事をさせたい」と考えており、学歴を重視する傾向が高まっています。一方、「教育費にお金がかかりすぎる」と考えている人の割合は7割を超え、重い負担になっていることも事実です。(※14)

それだけに、学習塾や家庭教師を利用しても効果が出ないという事態はできるだけ避けたいところです。学習効率は本人の「やる気」や性格にも深く関係しているため、子どもの意思を尊重することも大切です。ネット塾や次世代型の通信教育、ネット家庭教師など、新しいサービスも出てきています。(※15)(※16)最新の情報をチェックして、子どもに合った教育サービスを賢く選びましょう。

▼参考サイト
※1.【施設検索ホームメイト・リサーチ】進学塾の種類(学習塾・補習塾・進学塾)
※2.【Benesse/ベネッセ教育情報サイト】内申点とは?入試の合否にどう関わる?
※3.【塾経営ラボ】個別指導?集団指導?学習塾業界はどちらに進む?
※4.【ナルのああなるほど 】小学生の塾 集団 少人数指導 個別 どれがいい?子どものタイプ別
※5.【知っている人に聞いてみた】これを読んでも家庭教師と個人契約する?トラブル事例集
※6.【AllAbout】教育費から考える損する塾、得する塾
※7.【家庭教師比較ネット】東京都の家庭教師総合ランキング
※8.【チャイビ】進学塾と補習塾!それぞれの塾の違いと合う子供のタイプ
※9.【塾ナビ】総合塾(そうごうじゅく)
※10.【Qikeru:中学生・高校生のための無料学習サイト】中学生にきいてみた!家庭教師のメリット・デメリット6選
※11.【個別指導 明光義塾】塾の選び方
※12.【インターネット家庭教師比較ナビ】個別指導塾のメリットとデメリット
※13.【オール5中学生の勉強法 】使えるテクニック
※14.【Benesse/株式会社ベネッセホールディングス】学校外教育活動に関する調査2017
※15.【NAVERまとめ】【話題のオンライン家庭教師比較まとめ】子供の受験勉強や学校の復習
※16.【ネット塾比較】中学生向けネット塾・ネット教材一覧

ライタープロフィール
おはぎ
【おはぎ】
前職SE。子育てと子どもの闘病に20余年専念。大学専攻の心理学と闘病の経験からメンタルヘルスに強み。読書好きで猫ファースト(愛猫メインクーン)。特技のCG関連のサイト作成運営の経験有り。
IoT・仮想通貨・webマーケティング・通信事業などIT全般が得意分野。その他、経済・法律・税金・借金・医療・就活・最先端技術など。「依頼者と読み手の利益になる記事」が目標。
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