葬儀場の選び方や戒名の必要性について解説

2018年1月31日

葬儀を執り行う葬儀場は、特別な資格や許認可などが必要ないため、葬儀の内容やかかる費用もまちまちです。また、亡くなった人に付ける名前である戒名は、その値段に大きな幅があるだけでなく、お寺に頼まず独自に付ける方もいます。そこで今回は、残された遺族が満足できる葬儀を行うために、葬儀場の選び方や戒名の必要性及び費用について紹介します。

葬儀場の選び方1.費用から見極める

葬儀場の選び方のポイントとしては、まず費用に注目してみてください。これにはまず、棺や祭壇、焼香・受付の備品といった葬儀備品一式に加え、司会進行のスタッフや役所・火葬場への手続代行費用が含まれる基本料金があります。業者によって含まれる項目には差異があり、備品についてはグレードが設けられていて、それによって価格が異なるので注意してください。基本プランに含まれていることもありますが、車種や走行距離が価格に影響する寝台車・霊柩車・送迎のマイクロバスなどの代金や、場所や日数が関係する式場使用料・火葬費用もあります。

加えて、お通夜後の通夜ぶるまい、火葬を行った後に食べる精進落しの飲食代も必要で、参列人数や料理の中身で値段が変動します。他にも、香典返しにかかる返礼品費用も必要で、その内容や人数が価格に関わります。

また、葬儀業者の見積もりには書かれていませんが、読経料や戒名料の他、お車代やお膳料、心付けといったお布施が別途必要になります。これは寺院によって異なるため、菩提寺があれば遺族が直接連絡する必要がありますが、葬儀社に紹介してもらう場合金額は固定な他、僧侶を定額で手配してもらえるサービスも利用可能です。さらに、地域によっては葬儀を手伝ってもらった方に対して心付けを渡す習慣も存在するので、事前に葬儀業者と相談しておくようにしましょう。

いずれにしても、基本料金や式場使用料など、金額が事前にわかるものと、飲食費など人数で変動する費用があることに気を付けておく必要があります。経費を抑えるためには、不要なものは極力省き、規模やグレードを予算に見合ったものにすることが大切です。

加えて見積もりをする際は、葬儀社が深く携わるものにかかる「葬儀費用」と、斎場や仕出し業者などの費用である「実費」や「立替」の線引きをはっきりしておくようにしてください。そこに含まれている項目とそうでない項目、そのグレードなどをしっかりと把握し、複数の業者から見積もりを取る場合は式の規模や、飲食費・返礼品などの単価を揃えるようにしましょう。

葬儀場の選び方2.スタッフの対応で見極める

担当するスタッフの人柄や相性も葬儀場を選ぶ際の重要なポイントです。「葬祭ディレクター」という一定の知識や技能が必要となる資格もありますが、やはり実際にやり取りをする中での印象が一番の判断材料です。

事前相談や見積もりの際においては、前述の費用の内訳が見積書に詳しく書かれているか、記載されているもの以外の費用などについてきちんと説明があるかに注目してください。加えて、遺族の心に寄り添い、質問などへの対応も丁寧で、予算総額の計算を助けてもらえるような業者が良いでしょう。

特に、総経費を算出する際には参列者の割り出しと予想が重要となりますが、これに協力的な葬儀社を選ぶようにしてください。予想を誤れば当日の飲食物や返礼品の追加発注または過剰発注を招きかねず、追加で発注するにはさらに費用がかかります。一般の参列があれば正確には割り出せませんが、あらゆるケースへの説明をしてもらえる業者を選びましょう。

遺族の希望に対し、多方面からアドバイスをすることができ、複数の選択肢を用意できるという点も優良な業者を選ぶ基準となります。費用削減のため業者の得る利益が減るような要望であっても、家族葬などの提案をしてもらえたり、特殊な葬儀内容にもきちんと応えてくれる業者を選びましょう。

反対に、注意すべきは顧客確保のために契約を急がせたり、他社との比較を許さないような業者です。支払い期日が短いことも特徴で、特に金銭面で問題が発生しやすい傾向にあるので気を付けましょう。このような業者には葬儀を頼まない旨をはっきりと伝え、他の葬儀社を選ぶようにしてください。

事前相談で、信頼の置けるスタッフに担当してもらえた場合は、その人が葬儀当日も担当してくれるか確認することも大切です。事前相談のスタッフと葬儀の担当が違うことも少なくないので心に留めておきましょう。

戒名の必要性と費用の相場

戒名(法名)は、仏教において仏に帰依し仏弟子になった証として付けられる名前です。戒名を付ける際のルールには、新たにお墓を建立する時は自由に決められる、ご先祖のお墓に入る場合はより高ランクの戒名は付けない、夫婦で同じお墓に入る場合二人のランクをそろえるといったものがあります。

基本的に、寺院の管理する墓地にお墓がある場合その寺院の檀家であることを意味しており、お墓に納骨するためには戒名が必要不可欠です。戒名を付けるには通常お布施が必要で、2万円で済む場合もあれば100万円以上かかることもあるなど、金額に大きな開きがあります。これには、戒名のランク(位号)が主に関係しており、例えば信士・信女から居士・大姉、院信士・院信女、院居士・院大姉とそのランクが上がるごとに多額のお布施が必要となります。

この場合、安ければ20~30万円程度ですが、高いものだと100万円以上かかってしまいます。とはいえ、お寺によってはより柔軟に対応してもらえるところもあるので、予算などの関係で戒名を付けるのが難しいのであれば、まずは菩提寺に相談してみてください。また、寺院と提携して、安いもので2万円程度から戒名を付けてもらえるサービスを利用することもできます。

一方で、お墓が公共霊園にある場合は必ずしも戒名が必要な訳ではありません。また、戒名を付けるかの判断は自分たちで決めることができます。現在、寺院が管理している墓地にお墓があっても、戒名が不要だと思えば、お墓をお寺に返し、戒名がなくても納骨できる墓地を新たに見つけ、そこにお墓を建立すれば問題ありません。

まとめ

葬儀場を選ぶ際は、費用とスタッフの対応に重きを置いて見極める必要があります。特に費用に関しては、葬儀に関わる費用の知識と見積もりをする際の注意点を意識するようにしてください。また戒名に関しては、どのような墓地にお墓が属しているかや予算との兼ね合いを見て、付けるか付けないか、ランクはどうするかなどを判断するようにしましょう。

▼参照URL
http://www.osohshiki.jp/column/article/96/

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