ツボ刺激で眠くなる方法は?安眠効果が期待できる5つのツボと刺激方法

2018年2月2日

不眠を解消する方法は多くありますが、その1つがツボ刺激です。「眠くなるツボ」とされる部位を刺激することで、不眠の症状が緩和される例も少なくありません。ここでは眠くなるツボの部位や効果的な刺激方法などについて解説します。

眠れないときはここを刺激!不眠解消効果が期待できる5つのツボ

「眠くなるツボ」とされるものは、いくつかあります。1つ目は「安眠」です。文字通り安眠に効果があるとされるツボで、耳の後ろ側にあります。耳の後ろには乳様突起と呼ばれる骨があります。その骨のすぐ下が安眠です。安眠の指圧は5~10回程度、人差し指の腹で行うのが効果的とされます。(※1)

2つ目は「失眠」で、足の裏のかかと中央部にあります。足の裏は刺激が伝わりにくいため、指圧よりも木槌での刺激が効果的です。木槌の細い部分で50~100回程度、リズミカルに叩くようにしましょう。失眠は特に夜間の頻尿などの症状にも、改善の効果が期待できるとされています。(※1)

3つ目は「丹田」です。へその下3~5cm程度の場所にあり、臍下丹田とも呼ばれます。(※2)心身の精気が集まる場所とされており、丹田呼吸法などの健康法もあります。(※3)丹田は押すよりも手のひらをのせるだけにする方が効果的です。あぐらをかいて丹田の上に手のひらをのせ、目を閉じて丹田に意識を集中するようにしましょう。(※4)

4つ目は「合谷」です。手の甲の、親指と人さし指の骨の付け根にあるツボです。自律神経の働きを正常にする効果が期待され、不眠以外でも多くの症状に効き目があるとされます。合谷は親指をあて、気持ちよく感じられる範囲でやや強めに押しながら揉むようにしましょう。両手それぞれで30回程度が目安の回数です。(※5)

5つ目は「手三里」です。肘のくぼみから指3本分手の方向にあります。(※6)この部分に強くゆっくりした指圧を加えるようにしてください。(※1)手三里は特にキーボードの操作で疲れやすい場所にあるツボです。デスクワークが多い人は、不眠症だけでなく腕の疲れの改善も期待できるでしょう。(※6)

眠くなるツボの刺激方法は?難しく考えず気軽に取り組もう

眠くなるツボの刺激方法は、難しく考える必要はありません。薬品のように「用法を間違えたら副作用がある」ということはないからです。やり過ぎない限り、体にとってデメリットはほとんどありません。また、ツボを刺激する行為自体が指や腕の運動になります。運動から得られる健康効果もあるため、あまり複雑に考えず、まずはスキマ時間で気軽に刺激する習慣をつけるのがいいでしょう。

WHOが認定した経穴(ツボ)は、全身に361カ所あります。(※7)これだけ多くのツボがあると、合谷や手三里などのツボから多少ずれても、他のツボの刺激になるわけです。

また、ツボは単独で機能しているわけではありません。血管や内臓と同じく、すべてのツボが相互に関連すると考えられています。(※8)つまり「ここを絶対にピンポイントで押さなければいけない」などと、こだわる必要はないのです。押す強さについても、専門家が「気持ちよく感じられる強さで」などと表現するように、明確なルールがあるわけではありません。ツボ刺激の方法はさまざまで、ツボを押しながら運動する「ツボ体操」などもあります。体を軽く動かすと自然に筋肉や関節がほぐれるため、より自然にツボを刺激できるとされます。(※9)

安眠のためには寝具の改善も必要不可欠

眠くなる方法としてツボ刺激は効果が期待できるものです。しかし、睡眠の質を根本的に高めようとしたら、ツボ刺激だけでは足りません。眠っている時間は常に寝具に触れているわけですから、寝具が快適であることは安眠に不可欠な要素といえます。快適な寝具の条件は複数ありますが、そのうちの1つは「寝具の硬さ」です。

寝具は軟らかすぎず硬すぎない、適度な硬さが良いとされています。軟らかすぎると肩や腰が沈んでしまい、硬すぎると腰が浮いてしまうからです。適度な硬さがあれば、どの部位も浮き沈みなく自然な姿勢で眠ることができます。(※10)また、適度な反発力は寝返りを打ちやすくするためにも重要です。人間が一晩に打つ寝返りの回数は約20~30回とされます。(※11)

これだけの回数の寝返りを打つため、それをスムーズにできる寝具の反発力が重要なのです。寝具の硬さや反発力に限らず、他にも快適な寝具の条件は多くあります。一つひとつの条件を改善しさらにツボ刺激も加えることで、より心地よい睡眠を実現することができるでしょう。

ツボ刺激を含めて総合的な改善に取り組もう

多くの場合、不眠の原因は総合的なものといえます。たとえば「ストレスが原因」と感じるときも、本当の原因はストレスとは限りません。仕事が原因でストレスが溜まったなら「職業選択が間違っていた」「自分の仕事に対する姿勢が間違っていた」などが、本当の原因の可能性もあります。

また、栄養不足や運動不足でストレスが溜まったなら、それらが本当の原因の可能性もあるでしょう。他にも、熟睡しにくい寝具で眠っているなど、不眠の本当の原因は多く考えられます。ツボ刺激も重要な努力ですが、それと合わせて生活全般の改善も意識するようにしてください。

▼参照URL
※1【Google Books】読むだけで睡眠の質がよくなる100のコツ 決定版 Kindle版(主婦の友社(編集)/2016年)
※2【コトバンク】臍下丹田
※3【Amazon.co.jp】奇跡の丹田呼吸法―脳とからだがみるみる元気に (祥伝社黄金文庫)
※4【沢井製薬】不眠がラクになるツボ
※5【沢井製薬】安眠を助けるツボ
※6【Google Books】「手」をもむ、触る、押すだけで、たちまち健康になる!(柳本真弓/マガジンハウス/2014年/P.192)
※7【全日本鍼灸学会雑誌】WHO経穴部位国際標準化の経緯と今後
※8【コトバンク】経穴
※9【Google Books】『骨ナビ・ツボ体操』(柳本真弓/新星出版社/2014年/P.11)
※10【バイオメカニズム学会誌】寝具と睡眠(木暮貴政)最終ページ左側
※11【Google Books】枕を変えると健康になる 「手づくり枕」で頭痛、肩こり、不眠は治る(山田朱織/あさ出版/2014年)

ライタープロフィール
藤井誠二(SPR合同会社・代表)
【藤井誠二(SPR合同会社・代表)】
2015年まで出版業界でイラストレーター・ライターとして活動。主な実績は『図解でわかるスタンフォードの自分を変える教室』の図解担当、自著『中国的名言を4コマ漫画にしてみた。』など。自著は読売新聞・中日新聞などでも紹介された。→http://sprn.co.jp/media/
得意分野はカードローン・仮想通貨だが、全ジャンル執筆可能。2017年にSPR合同会社として法人化。精力的に執筆を続けている。
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