FXで「ちゃんと」稼ぎたい人が知っておくべき5つのこと

2019年11月14日

手軽に少額から取引が可能で、お小遣い稼ぎや将来の資産形成にも有効なのがFXです。FXでは手元の資金よりも大きな資金を運用し、差益や利息を通して大きな収益を得られます。しかし、FXは投資した金額が帰ってこないばかりか、より大きな損失を抱えてしまう可能性もあり、リスクも大きいです。ここではFXで稼ぎたいと思っている初心者が知っておくべき、実践的なポイントについて紹介します。

1.FXで収益が発生する仕組みと利用法

FXで収益が発生する仕組みは非常に単純ですが、正しく仕組みを理解することは戦術を考える上で非常に重要です。FXの仕組みについて確認し、利用するための方法を検討しましょう。

1-1.売買差益とスワップポイントを組み合わせる

FXで収益が発生するのは、基本的に外貨預金と同じだからです。ある人が円で1ドルを100円で購入し、それを1ドルが110円になったタイミングで売れば10円の利益が出ます。これが売買差益で、FXによる収益のメインです。そして、もうひとつが各国の金利差によって利子を得るスワップポイントです。日本は金利が非常に安い国ですが、アメリカやイギリスのように高金利の国や、トルコやメキシコのようにリスクがある分金利も高い国の通貨を購入することで、金利の差だけ利子収入を得ることができます。FXでは、資金状況に合わせて、この2つの方法を組み合わせて稼ぐのが効果的です。投資できる資金を短期と長期、残しておく資金に分けます。そして、短期取引用の資金では売買差益を狙い、長期取引用の資金では着実にスワップポイントを狙った取引を行いましょう。リスク対策用に資金には余裕を持っておくことと、スワップポイント狙いの取引は金利差の大きい通貨ペアでリスクが少ないタイミングを待ってから取引を行うことが大切です。

1-2.レバレッジを利用して収益を大きくする

通貨の売買による差益で元でを2倍、3倍にするようなケースはほとんどありません。また、利子収入といっても元手が小さければその額は微々たるものです。しかし、FXと外貨預金で大きく異なる点として、レバレッジが利くという点があります。FXにおける「レバレッジ」とは口座にある資金(証拠金)に対する倍率を意味し、各FX会社が提供するレバレッジを選択するとその証拠金に対してレバレッジを乗じた金額の取引ができます。1万円を証拠金として預けている場合、レバレッジが10倍なら10万円分の通貨を購入または売却することが可能なのです。そのため、為替の売買による差益やスワップポイントによる収入も、このレバレッジの分だけ大きくなり、証拠金は少ないとしても大きな収入になるのです。レバレッジは魅力的ですが、失敗した際には大きな損失の原因にもなりますので注意しなくてはなりません。レバレッジの大きさはFX会社によって違いますので、自分の投資スタイルに合った倍率のレバレッジを提供しているFX会社を選ぶと投資の成果が違ってきます。

2.FXには稼ぎやすい時間帯がある

外国為替市場は世界中に存在し、それぞれ取引時間が違うために、為替レートは24時間を通して動いています。日本にいながらも世界中の為替市場の動きに合わせ、24時間いつでも取引が可能できるのがFXの特徴です。しかし、しっかり稼ぐためには、時間帯をよく考えて取引を行うことが欠かせません。

2-1.各市場の時間を把握しよう

FXでは、各市場の開いている時間を理解することが非常に重要です。FXでは時間帯ごとに市場の呼び名を変えて表現しますが、東京の金融市場が開いている時間帯を中心に、アジア一帯の金融取引市場を指して「東京市場」と呼びます。東京市場は、東京から1時間、2時間遅れで始まる上海や香港、シンガポールの市場を含め、日本時間で9時から17時までを意味するのが一般的です。

日本時間16時からヨーロッパ各国の市場が開き、17時には金融大国イギリスのロンドンで市場が開きます。そのため、この時間帯からは「ロンドン市場」と呼ばれ、一日の中でも最も取引が活発な時間帯として有名です。ロンドン市場では、地理的に経度を同じくするヨーロッパやアフリカといった多くの国々の投資家が参加するため、取引が活発に行われます。取引量の増大に伴い、東京市場よりも値動きの幅が大きくなることが多いです。ロンドン市場の終わりが近づく時間帯は北中南米の市場が始まり、市場参加者の数が一日の中で最大となります。

アメリカの市場は日本時間の22時からスタートし、午前4時から5時頃までを「ニューヨーク市場」と呼びます。ニューヨーク市場の前半はロンドン市場の参加者も取引を行っているため、取引量も多いです。ロンドン市場が終われば急激に取引量は少なくなりますが、世界の基軸通貨であるドルに関係する要人発言や報道が出ることが多く、為替の動きに大きく影響する時間帯となっています。

なお、ニューヨーク市場と東京市場との間の時間帯はオセアニア市場と呼ばれ、オーストラリアやニュージーランドといった国々での取引がメインになります。

2-2.知っておくべき稼ぎ時とは?

FXでは、値動きが大きくなる時間帯が稼ぎ時です。この稼ぎ時は、上記の市場の動きと大きく関係しています。基本的には市場参加者が多い時間帯は取引も活発で値動きも大きくなりますが、逆に市場参加者が少ない時間帯だとしても、大きな取引が持ち込まれた場合には通常よりもレートがずっと大きく動くため注意が必要です。そのため、オセアニア市場では値動きが大きく開くことが多いため注意しなくてはなりません。

FXでは各市場の取引開始時には値動きが大きくなるのが一般的です。これは証券会社が開いていない時間帯に入った注文をまとめて処理するためであり、取引数が増え、値動きも大きくなります。また、市場が終わる時間帯にも取引を行う人が多くなるため、値動きが大きくなりやすいです。特に、ロンドン市場が閉まる時間帯は「ロンドン・フィックス」と呼ばれ、非常に値動きが荒くなります。チャンスでもありますが、予想しなかった方向に為替が動いてしまうと大きな損失を被る場合もあるので注意が必要です。リスク管理のためにも、市場の時間は必ず確認しておきましょう。

また、金融資産に関するさまざまな情報が入ってくる時間帯も注意が必要です。東京時間なら9時55分の仲値の決定時間、10時10分の人民元レートの決定時間などは常に注目されています。また、市場が開くとおよそ30分後には株式市場の状況が公開され、それをもとに市場のムードが一変することも少なくありません。また、ニューヨーク時間には「NYカット」と呼ばれる時間があります。NYカットはオプション市場の取引が決定される時間で、為替相場に与える影響も大きいです。

そして、各国の要人のコメントや報道機関のニュースも、テーマによっては大きく値動きを引き起こす原因になります。こうした情報は突然出てくるものもあれば時間帯が決まっているものもありますので、できる限り情報を掴んでおくことが大切です。

3.FXではファンダメンタルとテクニカルを意識する

FXで投資のタイミングを判断するためには、ファンダメンタルとテクニカルの両面から検討することが大切です。特に長期ではファンダメンタル、短期ではテクニカルの重要性が高まります。

「ファンダメンタル」とは、国家としての基本的な財政状態や景気の動向を意味し、GDPや物価指数などのさまざまな経済指標などを参考に評価します。地域によっては、経済指標の結果はよくとも、地政学的な問題や外交上の問題によって評価が下がることもありますので、指標だけでなく、さまざまな状況を考慮して投資を行うことが必要です。

「テクニカル」とは、統計学的に導き出される参考数値です。200日平均線や一目均衡表、ポリンジャー・バンドなどさまざまな種類があり、これらを参考にして投資を行うタイミングを決定します。どのテクニカル指標を重視するかは投資スタイルによって異なりますが、ファンダメンタル以上に重視する人も少なくありません。投資会社などでは「どうしてここで買った(売った)のか」と顧客や上長から問われた場合、テクニカルは客観的な説明材料としても使われるほど実績があり納得感も高いものとみなされています。

4.実は大事な「市場のムード」

ファンダメンタルやテクニカルがわかっても、なかなか読み取ることが難しいのが「市場のムード」といわれるものです。これは基本的に毎日市場を眺めながら、さまざまなトレードシナリオを検討することでしか読み取ることはできません。どんなにファンダメンタルが好調でテクニカル的に伸びそうでも、市場のムードが悪いと思ったようにレートが伸びない場合も多いのです。

市場のムードは、わかりやすく全体に影響するものとしては「リスクオン」または「リスク回避」があります。日本の円やアメリカのドル、スイスのフランなどは安全通貨と呼ばれ、世界的な経済の状況に不透明感があるときに買われやすく、逆に見通しが良いときには売られやすい通貨です。ニュースなどで「円高・ドル安」という言葉を耳にすることがありますが、もし「円高・ドル高」なら市場のムードがリスク回避に向かっていることを示します。リスクオン時には新興国の通貨を中心に値動きの大きな通貨が好まれますが、リスク回避時には新興国の通貨は大きく値下がりします。

また、市場が注目しているテーマがあり、そのテーマに関わる要人発言や決定は、普段よりも大きな値動きを引き起こします。特にAIによる投資が行われるようになってからは、特定の発言や要素に対して過敏に反応する傾向があるため、市場が何に注目しているかをアナリストなどの情報をもとに常に考えながら投資をすることが大切です。

5.大事なことは「稼ぐこと」より「生き残ること」

FXでは「稼ぐこと」はそれほど難しくはありませんが、それ以上に難しいのは「生き残ること」です。一時的に稼ぐことはできても、続けているうちに大きな失敗をしてしまい、市場からの退出をせざるを得なくなる人も少なくありません。たくさんの資金を流出させながら生き残ることはあまりよくありませんが、コンスタントに稼ぎながら生き残ることができれば、気づけば大きな利益を得ることができるでしょう。厳しい市場環境で生き残ることができるなら、それだけのスキルがあるということであり、スキルがつけば稼ぐことはずっと易しくなります。

生き残るためには、FXの仕組みを知り、リスク管理をしっかり行うことが大切です。時には、損失を確定する「損切り」も行う必要があります。プロのトレーダーでも勝率が100%ということはありません。たとえ負けたとしても、一定期間において「トータルで勝てばいい」という見方をすることも大切です。資金管理もしっかり行い、生活に悪影響が出ないように注意しましょう。

まとめ

FXは基本的な仕組みをきちんと理解しているだけで、大きな負けを防ぎ、勝率を高めることができます。しかし、全勝はプロでもできませんし、突発的な値動きも生じますから、余裕のある取引を心がけたいものです。上記の情報を参考に、ぜひFXにチャレンジし、生き残って稼ぎましょう。

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