【ストレスについて】目に見えないその正体と対策

2020年4月27日

日常生活のなかでよく聞くストレスという言葉。さまざまな病の原因になるといわれ、そのほとんどがマイナスイメージです。しかし、そもそもストレスとは何なのかはっきりと説明できる人は少ないのではないでしょうか。

ここではストレスについて詳しく解説するとともに、ためない方法などについても紹介していきます。

人間にとってやっかいなストレス

実際には目に見えず、しかも人々の生活に根付いて心と体にダメージを与えるストレス。精神面では嫌悪感や不安感を与え、身体面では血圧や免疫力を下げたりします。

人間の体には細菌などが体内に侵入した場合に、それを排除する働き、防衛反応があります。それと同じ様に人間には、ストレスを感じたときに起こる問題に対しても防衛反応があるといわれているのをご存じでしょうか。

低下していた血圧を上げたり、脳内伝達物質であるアドレナリンやホルモンの分泌を活発にして落ち着かせたりする力が働くそうです。こうしたことから、他のストレスが襲ってきた場合に、それに負けない自分になったように思えます。

しかし、それはストレスに対して抵抗した状態を作り出しているに過ぎず、本当に健康になったわけではありません。ストレスが重なるに連れてその抵抗力は落ち、再び支障をきたすことになるのです。

ストレスによって起こる症状や病気

人はストレスを感じ、それがたまってしまうと心身にさまざまな不調をきたします。ここからは、ストレスによる体や心に出てくる具体的な症状と、なりやすい病気について紹介していきます。

身体的症状と病気

ストレスによって起こる身体的な症状は、主に2つ。頭痛と吐き気です。

ストレスは、体と心の健康を保つといわれる自律神経を刺激して脳を緊張状態にします。それによって血管が収縮され血液の流れが鈍くなり、必要な物質が脳に運ばれなくなって頭痛を引き起こすのです。

また、自律神経が刺激されると胃にも影響を与え、胃の連動運動や胃酸などの分泌を減らしたり、逆に胃酸を過剰に分泌させたりします。結果、胃の働きが不安定となり、吐き気の原因ともなるのです。

次に、ストレスによって起こる身体的な病気は主に3つです。

1つ目は突発性難聴。突発性難聴とは突然耳鳴りがしたり、耳が聞こえなくなったりする疾患です。突発性難聴自体原因がはっきりとわかっておらず、主にストレスによって起こりやすいといわれているのです。

2つ目は急性胃腸炎。ストレスを感じると胃の連動運動や胃酸の分泌の量に異常をきたします。胃酸が過剰に分泌されると、胃の免疫力が急激に低下することがあります。胃の免疫力が低下するとウイルスなどに感染しやすくなり、感染すると急性胃腸炎を引き起こしてしまうのです。

3つ目は蕁麻疹です。ストレスは自律神経やホルモンのバランスを乱して、蕁麻疹を出すことも多々あります。蕁麻疹は食べ物のアレルギーや皮膚をこすったりしても起こり、こうした原因で起こる蕁麻疹なら塗り薬などで比較的短期間で治すことができます。しかし、ストレスが原因で起こる蕁麻疹は一度治っても、またすぐ出てきて繰り返すことが多いのです。

精神的症状と病気

ストレスが原因で起こる精神的な症状は主に2つで、憂うつ感と焦燥感です。

憂うつ感は、例えば、普段自分が楽しいと思えることをしていても気分が晴れなく、気持ちが落ち込みます。何をしていても気持ちが晴れない状態です。焦燥感とは理由なく気持ちが落ち着かず、じっとしていられないほどの焦りや苛立ちを感じ、時には強い孤独感を感じます。

ストレスが原因で起こる精神的な病気も主に2つです。自律神経失調症とうつ病。自律神経は自分の意思とは関係なく心臓などの循環器や胃腸などの消化器、肺などの呼吸の活動を調整しています。ストレスによって交感神経と副交感神経のバランスが崩れ自律神経失調症になってしまうとめまいや頭痛、下痢や便秘に憂うつ感などを引き起こします。

人の脳は数えきれないほどの脳細胞からできていて、体と心の活動をスムーズにおこなうために神経伝達物質が脳細胞内を活発に行き来しているのをご存じでしょうか。うつ病はストレスによって脳内の神経伝達物質が減少したり、正しく伝達されなかったりして起こるとされています。

このほかにもストレスは、人によってさまざまな症状や病気を引き起こします。ガンなどの大病もストレスが1つの原因といわれていますので、決してストレスを甘く見てはいけません。

そもそもストレスって何?

ストレスというのは、もともと医学の世界にはなく物理学の世界で使われていた言葉でした。1936年に入りストレス学説が発表されたことから、医学の世界でも使われるようになりました。外部からの刺激に対して起こる心身の反応をストレス反応と呼び、刺激そのものをストレッサーと呼んでいますが、一般的には両方含めてストレスといいます。

ストレスとは思い通りにならないこと?

別の角度からストレスについて考えてみると、自分の思い通りにならないことがストレスともいえます。

例えば、職場で考えられるストレスは仕事自体が上手くいかなかったり、上司などとの人間関係がよくなかったりすることが主です。自分の思い通りに仕事が進み、嫌な上司が自分にとって思い通りの人間になればストレスはなくなります。また、主婦が家庭内で感じるストレスについても同じです。嫌な姑が自分の思い通りの優しく思いやりのある人間だったり、子どもや夫が自分の思い通りに動いたりしてくれれば、ストレスは感じません。

ストレスは目に見えるものではなく、人それぞれの感じ方や性格、心の許容範囲によっても変わってくるものです。ある人がストレスに感じる事柄も、別の人にとってはストレスにならない場合もあります。ストレスとは、その人の内面との深いかかわりもあるのです。

ストレスをためない対策

ストレスは人の心身に多大な影響を与えることがあります。ストレスをためないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。

ストレスをためない方法①自分のストレスを理解する。

大切なのは、自分のストレスは何なのかを理解することです。人は何にしても原因がわかるだけで安心します。ストレスを感じていると思ったら過去を振り返ってみましょう。原因がわかれば具体的な対処法や、気持ちの持ち方などがわかってきます。

ストレスをためない方法②リラックスを心がける。

ストレスを感じると体も心も窮屈になってきます。なるべくリラックスを心がけましょう。リラックスの方法は数多くあり、人それぞれです。基本的なこととして数分間深呼吸する方法があります。忙しく日常生活を送るなかで、なかなか深呼吸する機会はありません。数分間呼吸だけに全神経を集中させ何も考えずに深呼吸を繰りかえすだけで、リラックスしてきます。

また、夜睡眠をとる時は完全にOFFになることも重要です。例えば、夜お風呂に入るまではONで、その後は完全OFFにするというように、自分だけのルールを決めることもリラックスにつながります。

ストレスをためない方法③好きなことをやる。

とにかく好きなことをやることがストレスをためないことにつながります。運動が好きなら思い切り運動をし、本が好きならひたすら本を読み、ゲームが好きなら思い切りゲームをする。その自分の好きなことをする時間を無理にでも作ることが大切です。

仕事などの関係でなかなか時間を作れない人は、スケジュールを決める時点で好きなことをする時間を確保するようにしましょう。ストレスをためないことは人生において重要です。時には嘘も大切となります。

ストレスをためない方法④意識改革

ストレスは自分の思い通りにならないことです。自分の思い通りの幅を広げるために意識改革をしましょう。

例えば、職場で自分にはできないことを頼まれたとします。人に頼むことができない人は、自分だけで何とかしようとしますが、できないことなので思い通りにならず、ストレスがたまります。こうした場合は人に頼ってもよいのだと意識改革をしましょう。本来人間は1人では生きていけない存在なので、頼んだ人が力を貸してくれるか、くれないかは別として誰にでも助けを求めてよいのです。

また、自分の関わる人が自分の思い通りなると思わないことも大切です。

例えば、自分の子どもだからといって思い通りにはなりません。子どもは子どもの人格を持ち個性をもっています。言う事を聞かないからとストレスをため込むようなことはせずに、言う事を聞かないのが当たり前だと思って接しましょう。大人は色々時間に縛られていますので、そんな簡単にはいかないかもしれません。しかし、最終的には何とかなるという大きな気持ちで視野を広くし、ストレスをためないように自分なりに意識改革をすることが重要となります。

ストレスを上手くコントロールして、より良い生活を送ろう!

人は生きている限りは何かしらのストレスを感じ、いずれ人生は終わりストレスすら感じなくなります。また、自分の人生は自分が楽しく幸せに生きるためにあるものです。それを基準にしてストレスを上手くコントロールし、生きている時間を楽しんで、より良い生活を送っていきましょう。

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