老後が不安で投資に興味がある人は必見!投資を始めるにあたって押さえておきたい大切なポイントとは

2019年11月12日

将来的な財源不足による年金の支給が不安視されている現代の日本では、金融庁もライフプランの一環として資産運用を奨励しています。しかし、日本では欧米と比べて総資産に占める預貯金の割合が高いこともあって、投資に馴染みのない人も多いでしょう。そこで、この記事では投資初心者に向けて、投資を始めるにあたって重要なポイントや資産運用の種類などについて紹介します。

投資を始めるにあたって理解しておきたい大切なポイントとは

投資は利益を得るために行うものですが、損失が発生するリスクもあります。損失をできるだけ発生させないために、どのような点に気を付けておけばよいのでしょうか。

ポイント1:投資をする目的とスタンスを明確にしておく!

これから投資をする人が理解しておいたほうが良いポイントの1つ目は、「投資をする目的とスタンスを明確にしておくこと」です。投資をする目的とスタンスを明確にしておくのは、不動産投資や株式投資、債券などありとあらゆる投資を始めるうえで重要だといえます。なぜ、それほどまでに重要かというと、相場の下落に慌てて無意味な損失や利益の確定を防げるからです。

どのような種類の投資であっても、相場には波があるものです。一時的に儲かることもあれば、損失が発生することもあるでしょう。しかし、どういう状況に陥っても、目先の問題だけにとらわれてしまうのはよくありません。たとえば、老後の安定した収入を目的に家賃を得られる不動産投資を始めた場合、たとえ不動産価格が上昇しても目先の利益を得るためだけに売却するのは本末転倒だといえます。次の投資先がすぐに見つかればよいのですが、結局よい投資先が見つからずに、安定している家賃が得られなくなってしまっては意味がありません。

反対にいうと、目先の相場が多少下落していても長期投資を目的にしているのであれば、安定した収益が得られている間はすぐに売却する必要はないでしょう。家賃収入を株式投資や投資信託で得られる配当金などに当てはめれば、ほかの投資においても同様のことが言えます。「短期投資で資産を増やすために投資をする」のか、「長期投資で老後の年金の不足分を補う」のか、投資を始める理由は人それぞれです。自分はどのような目的を持って投資を始めるのかをよく整理して、投資をしている間はその目的に沿って冷静に行動することがどのような投資においても大切だといえます。

ポイント2:投資と投機の違いを理解しておこう!

2つ目のポイントは、「投資と投機の違いを理解しておくこと」です。投資で失敗をする人のなかには、「気が付かないうちに投機的な取引になっていた」というケースがよくあります。なぜ、このようなことが起こるかというと、「投資と投機の間には明確な違いは存在しないから」です。投資とは、「利益を得るために資金を投入すること」を意味しています。それに対して、投機は「損失のリスクを受け入れながら比較的大きな利益を狙って行う売買行為」です。つまり、投資と投機の間の違いは、リスクとリターンのバランスの違いでしかありません。たとえば、「不動産投資や投資信託は投資」「株式投資やFXは投機」のように、投資の種類によって分類されているわけではないのです。

老後に不安を覚えている人の多くは、資産が減るリスクを極力抑えて運用する「投資」を目的にしていることでしょう。しかし、人間の心理として、一時的にでも損失が発生してしまうと、「損を取り戻そう」と考えて、それまでよりもハイリターンが期待できる投資を行ってしまうことがあります。たとえ、今までと同じ種類の投資を行っていたとしても、ハイリターンを狙って過度な資金を投入する時点で、それはすでに投機的な取引となってしまっています。その結果、ハイリスクな商品に手を出してしまい、さらに損失が拡大して泥沼にはまってしまう可能性があるのです。安定して資産を増やしたいと考えているのであれば、定期的に自分が行っている資産運用が「投機になっていないか」を冷静に確認するようにしましょう。

投資の種類によるメリット・デメリットとは?

投資とは資金を出して、それに見合ったリターンを得ることを目的に行う行為を指します。たとえば、創業する会社に出資して利益の一部を得るのも投資の一種です。しかし、実際には一般消費者が創業する会社に出資するのは難しいでしょう。そこで、一般消費者でも取り組みやすい投資の種類を7つ紹介します。どの投資にもメリット・デメリットがあるので、よく理解したうえで自分に合った投資を選びましょう。

1.株式投資

株式投資は、株券を購入して値上がり益を目的にする投資です。購入価格よりも株価が上がれば、その差益分を利益とすることができます。株価の上下は、その企業の収益性や将来性などを元に市場で決定されるので、「どのような企業であるか」をよく理解したうえで、購入することがポイントです。また、企業によっては株券を保有しているだけで配当金が受け取れることもあり、比較的安定した収益を期待することもできます。ただし、収益が悪化して株価が下がると損失が発生するリスクがあるのはもちろん、倒産してしまうと最悪の場合は株券の価値が0円になってしまう恐れもあります。投資のなかでは、比較的ハイリスクハイリターンに分類されることが多い商品です。

2.債権

債権は、簡単にいうと企業などにお金を貸して利子を受け取る投資です。発行する機関が国である場合には国債という名称で市場に出回ります。債権は一般企業が発行することもありますが、基本的にはお金の貸し借りなので満期時には預けたお金は全額返ってきます。そのため、投資のなかでは比較的リスクが少ないと言われており、安定した資産運用を行いたい人に人気のある商品です。

ただし、債権であってもリスクがまったくないわけではありません。債権の発行元が財政難に陥ったり、倒産したりしてしまうと額面金額が返済されずに元本割れしてしまうリスクがあります。また、外国債券を購入した場合は、為替変動によって損失が発生する可能性がある点にも気を付けなければいけません。

3.投資信託

投資信託とは、資産運用のプロが顧客から預かった資金を元手に株や債券などさまざまな投資を行い、得られた利益を顧客へ還元する商品です。どのような商品を購入するかは、あらかじめ規約で定められています。たとえば、株式を中心に取引を行う比較的ハイリスクハイリターンの商品から、債券だけを売買するローリスクローリターンの商品までそれぞれの投資信託で異なるのが特徴です。そのため、投資における投資信託の安全性は、商品によってまったく異なるといえます。「安定した収益を目指したい人は債権を中心にした商品」「高い利益率を目標にしている人は株式を中心にした商品」というように、使い分けるとよいでしょう。

投資信託は投資のプロによって運用される点はメリットですが、当然のことながらプロといっても万能ではないので、すべての商品で利益が出るわけではありません。また、取引手数料が株式と比べて高額になりがちな点や、運用にあたっての報酬を支払わなければいけない点はデメリットです。

4.不動産投資

不動産投資はアパートやマンションの一室などを購入して、入居者からの家賃収入を得るスタイルの投資です。不動産投資は入居者がいれば安定して収益を上げられるので、老後の収入を得るための手段としても注目を集めています。また、不動産投資はレバレッジを効かせられる点もメリットです。レバレッジとは「てこの原理」のことで、投資の世界では自己資金よりも大きな取引ができることを意味しています。一般消費者にとって不動産を自己資金だけで購入するのは難しいでしょう。そのようなときは、アパートローンで資金調達を行って物件を購入すればよいのです。自己資金では手が届かない収益性の高い物件を手に入れられれば、長期的には高い利益が期待できます。

不動産投資のデメリットは、空室リスクや修繕費用などがかかる点です。購入してからも維持コストがかかるので、それを考慮して購入を検討しなければいけません。また、レバレッジをかけるということは借金を背負うということでもあるので、始めるときは慎重に物件を選定する必要があります。

5. FX

FXとは外国為替証拠金取引のことで、アメリカドルやユーロなど、外国の通貨を取引して差益を得る投資です。FXの特徴としては、「買い」だけでなく「売り」からも取引ができる点が挙げられます。たとえば、1ドル100円のときに1万通貨を買って、その後1ドル101円のときに決済すれば、1万円の利益です。それとは反対に、1ドル100円のときに1万通貨を売りから入って、その後99円になったときに決済すれば、同様に1万円の利益を得ることができます。円高、円安のどちらでも利益が上げられる点は大きなメリットです。

また、FXでは差金決済という、利益や損失のみを口座に反映する決済方法が採用されているので、不動産投資同様にレバレッジをかけられる点もメリットだといえます。ただし、FXでは取引する通貨を採用している国の経済状況や紛争などの地政学リスクによって、相場の急変動が起きることがよくあります。そのため、レバレッジをかけすぎると、一度に大きな損失が発生するリスクが高いです。FXは投資の世界では、一般的に株式よりもハイリスクハイリターンであると言われているので、始めるときはしっかり勉強してからにしましょう。

6. 銀行預金

人によっては「銀行預金も投資の一種である」と言われると、驚く人もいるでしょう。しかし、「銀行にお金を預けて利息を受け取る」という仕組みは債権と基本的に同じであり、実は立派な投資のひとつなのです。銀行預金のメリットは、基本的に元本が減らない点だといえます。そのため、生活に必要な資金は銀行に預けておくと安心できるでしょう。ただし、銀行預金だからといって絶対に安心できるわけではありません。

銀行が倒産した場合に保護されるのは、「1000万円以内」というペイオフ制度が日本では制定されているからです。現実的に銀行が倒産するリスクはそれほど高くはありませんが、可能性はゼロではないと理解しておきましょう。また、現代の日本では日銀のゼロ金利政策によって、預金利息はほとんどつかないのが現実です。物価上昇率のほうが高くなってしまうと、実質的に銀行預金が目減りしてしまうリスクもあるので、余裕資金が銀行に眠っている場合は、ほかの投資に回すのも一つの方法だといえます。

7.投資型のクラウドファンディング

投資型のクラウドファンディングは、新しい資産運用の方法として注目を集めている投資です。一般的にクラウドファンディングというと、事業の目的に賛同した人が出資し、出資者はリターンとして関連するグッズや進捗状況の報告などを受けられます。どちらかというと、寄付の側面が強く、始まった当初は金銭でのリターンを得られるものはほとんどありませんでした。しかし、株式などに比べて手軽に資金調達できる点に着目した事業者が、出資者へ金銭でリターンを支払うことにして、投資型のクラウドファンディングを始めたのです。2019年時点では、投資型のクラウドファンディングを仲介するサイトがすでにいくつも存在しています。表面利回りは3%~10%程度のものが多く、銀行預金に比べるとかなり高い利回りが期待できるでしょう。

投資型のクラウドファンディングのデメリットは、出資した事業が必ずしもうまくいくとは限らない点です。想定よりも収益性が悪ければ、元本割れする恐れもあります。一般的に投資としての安全性は、債権と株式投資の中間ぐらいだと言われています。

資産のバランスを考えて投資に取り組もう !

投資にはさまざまな種類があり、それぞれにメリット・デメリットは異なります。投資の目的やスタンスも人によって異なるので、自分に合った投資を選ぶようにしましょう。また、どれかひとつの投資に絞るのではなく、複数の投資を組み合わせることでより安定した収益を期待できる場合があります。たとえば、ハイリスクハイリターンの株式投資と、ローリスクローリターンの債権を組み合わせるといった方法です。老後の生活に必要な資金は債権で運用し、旅行などを目的とする余裕資金は株式投資で運用するのもよいでしょう。

ひとつの投資に偏ってしまうと、想定外のリスクが起きたときのダメージも大きくなってしまいます。複数の投資に分散することで、大きな利益は期待できなくてもトータルでは儲かりやすくなるものです。安定的に運用したいという人は預貯金を多めにするなど、自分のスタンスを明確にしたうえで、まずは無理のない範囲で預貯金以外の投資にも取り組んでみてはいかがでしょうか。

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