種類豊富なフローリング!無垢と複合の違いやメリット・デメリットを紹介

2019年12月18日

フローリングを選ぶとき、使用する樹種のことばかり考えてはいないでしょうか。実は、フローリングは樹種だけでなくその構成によっても種類が分かれているのです。そこでこの記事では、フローリング選びに悩んでいる人のために、無垢フローリングと複合フローリングの違いや、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。

無垢フローリングと複合フローリングの違いとは

フローリングには、無垢フローリングと複合フローリングの2種類があります。まずは、この2つがどのような点で異なるのか、それぞれの特徴を紹介します。

無垢フローリング

無垢フローリングとは、天然木100%の無垢材を使用したフローリングのことです。広葉樹や針葉樹から切り出した一枚板をそのまま使用しており、切断面に層ができないことから単層フローリングとも呼ばれています。古民家の縁側や板の間など、昔ながらの和の雰囲気が感じられる空間は無垢フローリングになっていることが多いです。

複合フローリング

一方の複合フローリングは、合板や集成材などの基材に、天然木やシートなどの化粧材を貼ったフローリングのことです。複数の板が重なっており、切断面に層ができることから複層フローリングとも呼ばれています。昭和60年頃から床材の代表格となり、一般的な住宅の場合、フローリングは無垢よりも複合のほうが主流です。

また、複合フローリングは使用される化粧材により、挽き板・突き板・シートの3種類に分類されます。以下、それぞれの特徴について紹介します。

挽き板フローリング

挽き板フローリングは、のこぎりで2mm程度の厚みに挽いた天然木を基材に貼りつけたものです。化粧材に厚みがあるので、無垢フローリングと同じく木の風合いが感じられます。また、見た目も無垢フローリングとほぼ同じです。

突き板フローリング

突き板フローリングは、0.3~1mm程度の厚みにスライスした天然木を基材に貼りつけたものです。無垢フローリングや挽き板フローリングほどではありませんが、木の風合いが感じられます。化粧材が薄いため、比較的値段が手頃なのも魅力です。

シートフローリング

シートフローリングは、木目模様がプリントされた樹脂や紙などのシートを基材に貼りつけたものです。天然木ではないので木の風合いはあまり感じられませんが、ほかの2つに比べて安価なものが多く、掃除もしやすいのが特徴です。

無垢フローリングのメリット

天然木を100%使用した無垢フローリングには、さまざまなメリットがあります。

木の味わいが感じられる

無垢フローリング最大のメリットは、なんといっても無垢材の魅力を存分に味わえることです。丸太から切り出した木材をそのまま使っているので、それぞれの木が持つ独特の香りが空間に広がり、安らぎを与えてくれます。木材の種類を選ぶときは、香りをひとつの判断基準にしても良いでしょう。

また、無垢フローリングは時間の経過に伴って風合いが変化し、味わいが増していきます。ただ古くなるのではなく、重厚さが増していくのは無垢フローリングならではでしょう。さらに、無垢フローリングは天然木100%なので、触ったときに木本来のぬくもりが感じられるのも魅力です。

無垢材が持つ機能性が活かされる

無垢材を使った無垢フローリングには調湿作用があります。湿気が多いときには余分な湿気を吸収し、乾燥しているときには水分を排出してくれるのです。さらに、無垢材は空気を含んでいるので、断熱性や保湿性に優れています。夏に素足で歩いてもベタベタせず、冬は静電気が起こりにくいのもメリットでしょう。

また、パイン材やヒノキなどの比較的柔らかい木材を使用している場合は、木に弾力性があるので足腰への負担も軽減されます。

傷がついても補修しやすい

複数の板を貼り合わせた複合フローリングと違い、天然木100%の無垢フローリングなら、表面に傷がついても削ることで補修できます。また、木には膨張効果があるため、小さな傷であれば、濡れたタオルの上からアイロンをかけたり、蒸気をあてたりするだけで目立たなくなることもあります。

ただし、素人が補修するとかえってフローリングを傷めてしまう可能性があるため、なるべくプロに任せたほうが良いでしょう。

無垢フローリングのデメリット

無垢フローリングはメリットが豊富な一方、無垢材ならではのデメリットもあります。

収縮や反りが起こることがある

調湿作用がある無垢材は、湿気の吸収・放出を繰り返すため、板が収縮したり反ったりすることがあります。場合によっては板と板の間にすきまが空いてしまうこともあるので、無垢フローリングは床暖房に使用できないものが多いです。

ただし、無垢フローリングのなかには床暖房に対応しているものもあるので、まずはどのような種類があるのか確認してみてください。床暖房に対応していても板が反ったりすきまができたりする可能性はあるので、その点を考慮したうえでフローリングの種類を選ぶようにしましょう。

こまめなメンテナンスが必要になる

先ほど無垢フローリングのメリットとして補修しやすい点を挙げましたが、その反面、無垢材は水や傷に弱いというデメリットがあります。中性洗剤が使えないことも多いので、汚れたらすぐ拭き取るようにしましょう。また、針葉樹を使用した無垢フローリングは柔らかいので、鋭利なものを落としたり硬いものでこすったりしないよう注意する必要があります。傷や汚れがつきやすいため、こまめなメンテナンスが欠かせません。

傷がつくのを防ぎたい場合は、木材にウォールナットやローズウッドなどの硬いものを選ぶと良いでしょう。さらに、施工時にウレタン塗装で仕上げをすることで、無垢フローリングでも傷や水に強くなります。ただし、ウレタン塗装をすると触ったときにべたつきを感じることがあるので注意が必要です。

複合フローリングのメリット

複合フローリングには、無垢フローリングとは異なるメリットがあります。

収縮や反りが起こりにくい

複合フローリングは基材に化粧材を貼りつけているので、無垢フローリングのように板が収縮したり反ったりせず、安定しているのが大きなメリットです。板の間にすきまが空いてしまう心配もありません。そのため、複合フローリングは床暖房に使えるものが多いです。

加工によりさまざまな機能性が付与されている

天然木を100%使用した無垢フローリングとは違い、複合フローリングにはさまざまな機能性が付与されています。特に耐衝撃性や耐摩耗性が高いものが多く、なかにはキャスターつき家具や車椅子、ペットに対応したものもあります。

また、階下に伝わる音を軽減する防音性能を持つものや、細菌の繁殖を抑える抗菌塗装が施されたものなどもあり、戸建て用、マンション用、水回り用といった用途別の種類も豊富です。さらに、表面に特殊なコーティングを施し、ワックスがけが不要なものもあるので、掃除の手間を減らしたい人には最適でしょう。

このように、複合フローリングは、使用する部屋や状況に応じた機能が充実しているところが魅力です。

デザイン性が高い

複合フローリングは、化粧材の種類や塗装により、さまざまな色・デザインが選べます。挽き板・突き板フローリングは化粧材の色と木目の種類が豊富で、無垢フローリングに近い見た目にすることも可能です。また、シートフローリングなら、木目模様のほかに大理石調やタイル調などもあり、モダンな雰囲気の部屋にも合います。

天然木をそのまま活かした無垢フローリングの場合、どうしても色や模様にばらつきが出てしまいますが、複合フローリングなら簡単に統一感を出せるのもメリットです。

複合フローリングのデメリット

機能性の高さが魅力の複合フローリングには、いくつかのデメリットもあります。

見た目は無垢と同じでも使い心地に差がある

化粧材に天然木を利用した挽き板・突き板フローリングなら、無垢フローリングと同じような見た目にすることができますが、無垢フローリングと違って基材の上に板を貼りつけているため、木のぬくもりはあまり感じられず、触るとひんやりしています。また、複合フローリングには無垢材が持つ調湿作用がなく、踏み心地も硬めです。

その分、複合フローリングには先述したようなさまざまな機能性が付与されているので、フローリングに何を求めるかによって選ぶ種類が変わってくるでしょう。

万が一傷がついた場合は補修が難しい

複合フローリングは無垢フローリングに比べて傷に強いのがメリットですが、それでもまったく傷がつかないわけではありません。そして、万が一傷がついた場合は補修が難しいのがデメリットです。

特に、突き板フローリングは板が薄いので、傷がついた場合は板の下の基材が見えてしまうことがあります。また、シートフローリングも、シートがはがれてしまった場合は補修が困難です。そのような状態になったら、フローリングの張り替えを検討しましょう。

新築やリフォームの際はフローリングにもこだわりを

フローリングは、部屋の雰囲気や快適性を左右する大切な要素です。色・デザインだけでなく、使い心地や機能面においてもさまざまなバリエーションがあります。天然木のぬくもりが感じられる無垢フローリングと機能性に優れた複合フローリング。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、希望に合うものを選ぶようにしましょう。新築やリフォーム・リノベーションの際は、フローリングにもこだわってみてはいかがでしょうか。

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