チェスの魅力に取り憑かれた男たち

2016年7月11日

チェスは将棋に似たゲームで、世界中で日夜プレイされています。チェスはヨーロッパ発のゲームと思われがちですが、起源はインドの「チャトランガ」ではないかと言われています。チェスはその性格上ゲームではなくスポーツに例えられることもあり、対戦後はかなりエネルギーを消耗することでも有名です。チェスに取り憑かれる人は多くいますが、その魅力とは一体何なのでしょうか?

IQ187の天才ボビー・フィッシャー

チェスによって人生が左右された人の代表といえばアメリカ出身のボビー・フィッシャーではないでしょうか。天才的な頭脳とチェスのセンスによって一時は時の人となりました。彼が最も活躍したのは1970年代の対ソ連戦のことです。当時ソ連とアメリカは緊張した関係にあり、チェスでの対戦も盤面の上の戦争のようなものでした。ボビー・フィッシャーはプレッシャーに負けず勝利を収めたので、アメリカでは英雄扱いされたのです。
しかし、その後は彼の行動や政治的な言動のせいもあり周りから疎まれるようになりました。世間の目に触れない、いわゆる引きこもり生活を送ったり、一時的に滞在していた日本で拘留されたりと、彼の一生は波乱万丈なものでした。

現代アーティストのマルセル・デュシャン

マルセル・デュシャンは「泉」という男性用小便器を美術の空間に置いたことで有名な現代美術作家です。彼はチェスに熱中するあまり芸術活動に支障が出ましたが、その腕は趣味の範囲を超えるなかなかのものでした。フランスの国内大会に何度も出場し、第一回国際郵便チェスオリンピック大会で優勝するなど、芸術活動に負けず劣らずチェス活動にも尽力していたようです。

ロシアの殺人鬼アレクサンドル・ピチュシキン

チェスによって人生を左右された人ではありませんが、アレクサンドル・ピチュシキンの行動とチェスには深い関係があります。ロシアで60人以上殺害したとされるアレクサンドル・ピチュシキンは、チェスの盤面の64マスになぞらえて64人を殺害しようとしていました。人を殺すたびにマス目に硬貨を置くなどの奇行をしていることから、チェスは奇人を惹きつける何かがあるのかもしれません。

まとめ

チェスで有名になる人の多くは奇人や変人と呼ばれることが多いですが、何事もその道の頂点に立つ人は、常人が見える以上の何かが見えているのかもしれません。チェスは競技人口が多いため、奇人も多くなりがちなのでしょう。

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