世界はつながっている?世界史が教えてくれるものとは

2016年7月11日

実のところ、世界史は日本でしか学ばれていない学問です。なぜなら、ヨーロッパの国々にとってはヨーロッパの歴史が世界史であり、また中国にとっては中国の歴史が世界史だからです。つまり世界にとっての世界史とは、あくまで自国の歴史と絡めて世界の歴史を紹介するという程度のものでしかありません。しかし世界史は、日本人が世界の歴史を知るためにはとても有効な学問です。国際化が進展する世の中では、世界の知識に精通しておくと便利ですよ。

世界史とは

世界史とは、文字通り世界の歴史のことを指します。しかし世界の歴史とは何でしょう。それは簡単に言えば、文明の始まりと交流です。有史という言葉が示す通り、歴史が存在するためには文明がなくてはなりません。そしてその文明同士が衝突し、また交流することで歴史が紡がれるのです。ところで、文明とはいったい何を表す言葉でしょうか。それは狩猟や農耕などの文化や、その文化を伝える文字などを示し、より現代的に解説すれば、文明とは一個の社会であると定義することができるでしょう。こうした社会あるいは文明が、世界の至るところで発生し、その文明が衝突や交流を繰り返すことで、世界史はさまざまな変遷をたどることになるのです。

世界史の定義

世界史にはいわゆる時代区分と呼ばれるものが定義されています。古代、中世、近代、そして現代へと、世界史はいわば人間のように成長し、悠久の時を経るにつれ社会的に成熟していきます。世界史と言うと、ヨーロッパ史や中国史など、幅広い地域を網羅しなければなりませんが、全く交流のない文化や文明が同じような変遷をたどるのは、面白みを感じられるところでもあります。つまり、世界はその根本のところでつながっているということです。古代社会は中央集権化が進められ、ローマと中国などのような遠い地理的な隔たりのある国同士であっても、似たような歴史の進み方をします。中世社会はいわゆる封建体制が敷かれ、とりわけ宗教が隆盛をみる時代です。イスラム世界がしばしば歴史に登場するようになり、ヨーロッパのキリスト教社会と対立を深めていきます。その対立の先に産業革命があり、世界に先駆けてヨーロッパが近代に突入することになります。以降、世界史はヨーロッパに巻き込まれる形で進行していき、世界規模の大戦の時代へと突入していくのです。

世界史は地理的に途方もない区域を網羅していますが、決して各国の歴史がそれぞれ独立的に存在しているのではなく、それぞれが互いに密接に関わり合いながら進行しているという特徴を持っています。これから世界史を学習するつもりであれば、世界は一つだということを意識して学んでいくと良いでしょう。

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