キリスト教徒の共通点も!?意外と知らないイスラム教

2016年7月11日

イスラム教は日本人にとって特に馴染みの薄い宗教です。なかには全く知らないという人も多いのではないでしょうか。これからの国際社会の世の中では、イスラム教の人と接することも多くなるでしょう。正しいイスラム教を知ることで、世界への認識も深まります。

比較的若いイスラム教

イスラム教は世界でもかなり若い宗教だと言われています。イスラム教が成立したのは7世紀ごろのことですが、これは同じ世界三大宗教に列せられるキリスト教や仏教と比べると、かなり最近の出来事だったと考えることができます。今でいうところの中東に端を発したイスラム教は、その後西アジアや北アフリカなどで急速に発展し、今では世界中で信仰されるほどの一大宗教となりました。キリスト教や仏教は時代の変化を経て教義の変更や宗派の分裂を繰り返してきましたが、イスラム教は今なお成立以来の教義を頑なに受け継ぎ、多少の異同や変遷ないし分裂はあっても、変わらぬ信仰を続けているという意味で稀有な宗教だと言うことができるでしょう。

イスラム教ってどんな宗教?

近年の宗教対立の印象から、イスラム教とキリスト教は相容れない宗教だと思われがちです。しかしその起源をたどると、イスラム教とキリスト教はとても近しい関係にあるということがわかります。イスラム教もキリスト教も、一つの神を信仰する一神教だということは良く知られていることです。しかし一方で、イスラム教もキリスト教も、実は同じ神を信仰しているということはあまり知られていません。アッラーという神の名を聞いたことがある人もいるでしょう。しかし、イスラム教徒はアッラーという神を信仰しているわけではなく、アッラーは「神」という意味を持った一般名詞に過ぎません。イスラム教徒が神として崇めているのはアッラーではなく、強いて言えばヤハウェという神であり、これはキリスト教が信仰している神と同じなのです。ちなみにヤハウェはユダヤ教の信仰の対象でもあり、ユダヤとキリストとイスラムは同じ神を信仰する兄弟のような存在なのです。

教義の違いが生まれてくるのは

ユダヤ教とキリスト教とイスラム教は、同じ神を信仰する一神教ですが、そこに教義の違いが生まれてくるのは何故なのでしょうか。それには預言者という存在を理解する必要があります。預言者とは未来を予知する者のことではなく、読んで字のごとく言葉を預かる者のことを言います。神から賜った言葉を預かり、それを信者に伝える者を預言者と呼ぶのです。この三つの宗教にはそれぞれ別の預言者がおり、すなわちモーセとイエスとムハンマドです。それぞれの預言者が神の言葉をそれぞれ預かり、それを信者に伝えたため、そこで教義の違いが生まれ、ひいては宗教の分裂が生じたわけです。イスラム教はムハンマドによって神の言葉を授かり、それがコーランという聖書にまとめられてイスラム教独特の教義が確立していったのです。

イスラム教は日本人からすると少し取っ付きにくい印象を持つかもしれません。しかし、キリスト教と同じ神を信仰しているとか、世界でも若い宗教であるなどを知ることで、イスラム教を少しでも身近に感じられるようになれば、この宗教に対する理解も深まります。

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